ティム・マティアキス(「ナポリ」5/16主演)
◇生年月日:1978年12月6日
◇出身地:スウェーデン生まれ。
スウェーデンとギリシャで育ちました。
◇身長:172cm
◇ジェンナロの役作りについて。
役柄を創り上げる作業はいつもワクワクします。今度日本公演で僕が演じる「ナポリ」のジェンナロを例にすると、まず貧しい漁師であり、また深く恋に落ちている幸せなイタリア人男性であるという、彼の役柄を形成する明確な情報があるわけです。僕はこういった情報から、さらにその役柄を掘り下げることが好きなんです。ジェンナロのリハーサルを行った際に、最初に捉えたイメージより、彼がより寛大で、詩的な人物であると僕の目には映りました。おそらくそれは、僕の性格が僕の名前(マティアキス)から連想されるイメージよりも穏やかな性格だからかもしれませんが...。
僕は、演じるキャラクターの中に自分自身を見つけることができなければ、舞台上で誠実に演じることができないと信じています。舞台上では誠実さ以上に大切なことはないと僕は思います。それが、人々に自分自身を信じてもらうこと、その演じる役柄をも信じてもらうことにつながる唯一の方法だからです。だから僕はイタリアの漁師の陽気な気性とテレシーナへの一途な愛、そして失った彼女を追い求めるという絶望、これを詩的な雰囲気で表現するということを守り続けています。それがいろいろな異なる感情を同時に持ち合わせている人間というものだと思っているので。
『ナポリ』全幕を演じたのは少し前のことなので、また全てのプロセスに取り組み、役柄や踊りからさらに何がみつけられるのか楽しみです。ニコライ・ヒュッベと一緒に仕事をするのはきっとすばらしい経験になることでしょう。芸術監督であると同時にかつて僕と同じ役柄を踊ったダンサーでもあるので、きっと多くの情報を与えてくれると思います。僕にとって準備を入念に行うことは、一番重要な要素です。舞台へ上がる前に、テクニック、役柄について探求すればするほどためらわずに自由に演じることができますし、また実際にステージに全力を持って飛び込み、その役柄として舞台で生きることができます。

◇「ナポリ」の魅力。
僕にとって、自分自身を観客の立場に置くことは難しいです。というのも、純粋に舞台を楽しむため、感動するためというより、勉強しにいく気持ちで観に行くことが多いからです。でも観客の皆さんには、それがライブで行われる舞台であること、皆さんの目の前で実際に行われるという点が魅力となっているのではと思っています。その性質上、すべての舞台は以前のものとは異なるはずですし、1世紀の間繰り返し上演されているレパートリーにもかかわらず、観客の皆さんを再び劇場へ向かわせるのはダンサーそれぞれの役柄の解釈ではないでしょうか。もちろん身体的にも新しいアイデアや現代の振付家の新しい表現方法なども魅力的なポイントだと思います。もしくは単純に踊るというのは人間の遺伝子の中に組み込まれているものだから、踊れなくても見たいと思うのではないでしょうか。
◇デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力。
デンマーク・ロイヤル・バレエ団はみなさんご存知の通り、とても長い伝統を持ったカンパニーです。外国人として訪れると、この伝統について気づかされます。とはいえ、強制的にではありませんが。バレエ団のダンサーたちは付属のバレエ学校で教育を受けていますし、キャラクターダンサーたちはこの劇場で長年働いてきています。指導者の方々もここの伝統を愛し、まず第一に学んでほしいと思っているのです。そしてその伝統を味わうことでゆっくり恋に落ちていき、そして最後にはそれを引き継ぐことになるのですが...。
デンマーク・ロイヤル・バレエ団はその立場に甘んじることはありません。素晴らしい振付家たちを招き、新しい作品を生み出していますし、それが踊りの限界を次世代へと広げると同時に世界中の多岐に渡るレパートリーとなっているのです。
◇日本公演への抱負と日本のバレエ・ファンへのメッセージ。
今回の日本ツアーが僕にとって初めての日本訪問になります。今まで所属した2つのバレエ団(スウェーデン・ロイヤル・バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団)では、僕が入団した際にはちょうど日本公演を終えたところか、僕の退団後すぐに出発したといった感じだったので。そのため、日本はずっと訪れたいと思っていた国でした。高度な先進技術で知られている国ですが、その文化、宗教、料理、お茶、そして私たちが生きる現代社会においての役割について興味があります。日本滞在中にはすべてを経験してみたいと思っています、できればカラオケにも行ってみたいですね。
日本のバレエ・ファンのみなさんについては、素晴らしいことしか聞いたことがありません。皆さんのバレエへの愛と情熱は世界でも良く知られています。日本へ行くのが今から待ちきれません、世界に知られる皆さんのバレエへの情熱と同じように私たちを迎えていただければと思っています。