デンマーク・ロイヤル・バレエ団: ArchiveListアーカイブ

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デンマーク・ロイヤル・バレエ団2009年日本公演が、昨日(5/31)、兵庫県立芸術劇場での「ナポリ」をもって閉幕いたしました。
昨日の公演には、「ロミオとジュリエット」を指揮したグラハム・ボンドさんや事務局のスタッフたちもエキストラとして参加。カーテンコールでは、「SAYONARA」看板と紙テープが振り落とされ、客席からも日本公演の成功を祝して大きな拍手が贈られました。

9年ぶりとなったデンマーク・ロイヤル・バレエ団の日本公演はいかがでしたか?
契約により舞台映像は明日すべて公開を停止いたしますが、このブログはしばらくご覧いただけますので、公演のことをふと思い出した時にでものぞいてくださいね。
ご来場いただきましたすべての皆さまに心より感謝申し上げます。

デンマーク・ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」が昨夜開幕しました。

ジョン・ノイマイヤー振付の「ロミオとジュリエット」が日本で全幕上演されるのははじめてのこと。これまでハイライト映像やダンサーたちのインタビューを通して、この作品を紹介してきましたが、実際にご覧になった舞台はいかがでしたでしょうか?

下の写真はロミオを演じたセバスティアン・クロボーとお母様のエヴァ・クロボー(バレエ団のバレエ・ミストレスでもあり、「ナポリ」にはヴェロニカ役で出演していました)の終演後の親子ショット。激しくドラマティックなロミオの四日間を全力で演じきったセバスティアンの、達成感と放心状態の入り混じったような表情が印象的です。
09-05.23.JPGデンマーク・ロイヤル・バレエ団の「ロミオとジュリエット」は本日と明日の2公演。若い恋人たちの鮮烈なドラマをお見逃しなく!当日券は両日とも13時30分から発売します。ご来場お待ちしております。

デンマーク・ロイヤル・バレエ団「ナポリ」にご来場いただき、ありがとうございました。無事3日間の公演を終え、昨日はダンサー、スタッフともに一日オフ。夕方から代官山のデンマーク大使館のレセプションがあったのですが、ダンサーたちはすっかりリラックスした様子でパーティを楽しんでいました。
そして、今日の朝から東京文化会館では「ロミオとジュリエット」の舞台装置の仕込みが始まりました。午後からはリハーサル室で「ロミオとジュリエット」のリハーサルもスタート。22日の初日に向けて、再始動です。

さて、「ナポリ」の公演中に撮影したスナップを何枚かご紹介しましょう。

初日終演後、ロビーで今回の日本公演のスポンサーであるフリッツ・ハンセン社主催のレセプションが行われ、「EGG」が披露されました。東京国際フォーラムでの屋外パフォーマンスとはまったく違った印象の作品となっていました。ティナ・ホイルンドは「ナポリ」全幕を踊りきった直後とは思えないほど、エネルギッシュで完成度の高いパフォーマンスをみせ、レセプション参加者からは大きな拍手が湧き上がりました。
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23日にロビーで行われたサイン会開始のクリスティーナ・ミシャネックとウルリック・ビヤケァー。
笑顔がチャーミングなクリスティーナとプロフィール写真の何十倍もカッコいいとスタッフの間で話題のウルリック。長身で、少し影のある、落ち着いた雰囲気の美形ダンサーです。
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丁寧にサインに応じる二人。この日もたくさんの方がサイン会に並んでくださいました。サイン会を遠巻きに見つめる方からも「かわいい!!」「カッコいい!!」という声しきり。
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2日目の「ナポリ」でジェンナーロを演じたティム・マティアキスは、東京バレエ団ソリストの西村真由美とスウェーデン王立バレエ学校の同級生! 久々の再会を喜ぶ二人でした。
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明日、明後日は引き続き東京文化会館でのリハーサルが行われる予定です。「ロミオとジュリエット」の開幕まで、しばしお待ちください!

昨日、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の日本公演が、オーギュスト・ブルノンヴィル振付「ナポリ」で華やかに開幕いたしました。

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photo:Kiyonori Hasegawa

色とりどりの衣裳を身に着けたダンサーたちが、次から次へと登場し、まるでダンスの洪水ように繰り広げられる華やかな3幕の祭りのシーンでは、お客様もこの祭りに参加しているような盛り上がりをみせ、初日は大盛況のうちに幕を下ろしました。
見終わった後、誰もが「あ~、楽しかった!」と自然と笑顔が浮かんでくるような「ナポリ」。
バレエ公演の多い日本でもなかなかご覧いただく機会がない作品ですので、ぜひこの機会をお見逃しなく!

そして、第2幕終了後のロビーでは、「ロミオとジュリエット」に主演する、スザンネ・グリンデルとセバスティアン・クロボーのサイン会が行われました。
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二人は、たくさんのお客様に囲まれ、ちょっと驚いた様子でしたが、お一人お一人に丁寧にサインをしていました。
このサイン会、本日と明日も開催いたしますので、会場にお越しの方はお立ち寄りください。

本日は「ナポリ」二日目。当日券は開演90分前(1時30分)より発売いたしますので、ぜひご来場ください!

いよいよ初日を迎えました。

本日はダンサーたちは朝10時に楽屋入り、現在(14時30分)「ナポリ」のゲネプロの真っ最中。
そして18時半、9年ぶりとなる日本公演の幕が開きます!

「ナポリ」の公演では、第2幕終了後の休憩中に、「ロミオとジュリエット」に主演するダンサーのサイン会を開催することが決定いたしました。
本日15日と17日は、スザンネ・グリンデルとセバスティアン・クロボー(5/22、24主演)、明日16日はクリスティーナ・ミシャネックとウルリック・ビヤケァー(5/23主演)が登場。
短い時間ですので、すべての方にお応えできるかわかりませんが、ご来場の方はぜひお立ち寄りください。

◆産経新聞 5月15日(金)朝刊
「完璧な舞台を目指したい」というタイトルで、クリスティーナ・ミシャネックとセバスティアン・クロボーのインタビューが掲載されました。

5月らしい、爽やかな好天に恵まれた今日、東京国際フォーラムでデンマーク・ロイヤル・バレエ団日本公演プレ・イベントが行われました。

東京国際フォーラムの地上広場に設置された、エッグチェア。通りがかりの人たちは、広場の真ん中に置かれたエッグチェアをもの珍しそうに見ていきます。
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12時前からは、日本公演に出演する、デンマーク・ロイヤル・バレエ学校の子どもたちが、公演チラシやこのイベントのために作られたフライヤーを道行く人たちに配って、公演をアピール。
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12時5分、ティナ・ホイルンドがデンマークのデザイナー、Maja Brixデザインのたっぷりとしたフリルをあしらったレオタードとエッグチェアを模したような帽子の衣裳を身につけ、エッグチェアにスタンバイ。世界初演となる「EGG」のパフォーマンスが始まりました。
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エッグチェアに包まれるように、そしてエッグチェアと戯れるように踊るティナ。デンマーク人のシンガーソングライターOh Landの透明感のある歌声もあいまって、次第にギャラリーが集まってきます。
09-04.14 029.jpg約6分間のパフォーマンスが終わるとギャラリーからは大きな拍手が。ギャラリーに挨拶をするや否や、ティナは東京国際フォーラムを後にしました。

今回のこのイベントはデンマーク・ロイヤル・バレエ団とフリッツ・ハンセン社の企画によるもので、突然現れ、踊り、颯爽と去っていく・・・そんな風のような、ミステリアスなパフォーマンスをイメージしていたとのこと。
実はティナは、この衣裳のまま山手線で移動し、東京国際フォーラムにやってきました。ホテルを出たその瞬間から、このパフォーマンスは始まっていたのでした。
09-04.14 015.jpgチラシを配っている子どもたちの後ろに、有楽町駅から国際フォーラムに向かうティナの姿が・・・。
山手線での移動の様子や驚いたように彼女を見つめる乗客の様子もデンマークから同行しているビデオカメラマンが撮影しており、近日中にYou Tubeにアップするそうです。
このパフォーマンスは、そのビデオクリップで完結するといえます。

一方、東京文化会館では、夕方から「ナポリ」のリハーサルが行われました。

昼間、東京の街に突如現れた"謎の女ティナ"は、一転表情豊かでおきゃんなテレシーナに。トマス・ルンドとの息もぴったりです。
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華やかな第3幕のリハーサルの様子。
橋の上にはたくさんのエキストラの子どもたちの姿も見えます。
IMG_0228.JPG明日はいよいよ初日。ぜひご来場ください!

本日、9時30分着のスカンジナビア航空で、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の一行110名が到着しました。一足先に到着していた技術スタッフを含め、今回の日本公演の来日メンバーは総勢140名!
一行はバス3台に分乗して宿泊先のホテルへ。9年ぶりの日本公演ということもあって、初めて日本の地を踏むダンサーも多く、車窓から珍しげに日本の風景を見ていました。

09-05.13-1.JPGセバスティアン・クロボーはなぜかパーカーのフードをかぶってホテルに到着。

09-05.13.JPG素敵な笑顔だったので、思わず1枚。

今日は、ホテルにチェックイン後はフリータイムでしたので、早速街に繰り出すダンサーも多かったようです。

一方、劇場では「ナポリ」、「ロミオとジュリエット」に出演するエキストラのオーディション・衣裳合わせ・リハーサルが行われました。
「ナポリ」には大人10人、子ども30人、そして「ロミオとジュリエット」には大人15人、子ども10人という大勢のエキストラが登場します。ちなみにデンマークからもうちダンサーは73名、バレエ学校の生徒が11名、役者が8名と出演者だけでも92名が来日しているのです。二つの作品のスケールがおわかりいただけるのではないでしょうか?

明日からダンサーたちも劇場入りして、明後日の初日に向けてリハーサルがはじまります。
劇場での様子もお届けいたしますので、引き続きご愛読ください。

5月2日付けで、「ロミオとジュリエット」のジュリエット役のキャスト変更のお知らせをいたしましたが、初日(22日)と24日にジュリエットを演じることになったスザンネ・グリンデルに岩城京子さんが電話で緊急取材してくださいました。

スザンネは1981年11月30日生まれの27歳。171cmの長身のダンサーで、ノイマイヤー振り付の「人魚姫」のタイトルロールや「ロミオとジュリエット」のジュリエットなど多くの作品で主演しています。芸術監督のニコライ・ヒュッベは彼女のことを「スザンネの長所は、その信じられないほどの美しさと長いしなやかなラインです。また、さまざまな振付に対する人並み外れた鋭い能力があります」と語っています。
"信じられないほど美しいジュリエット"にぜひご期待ください。


●スザンネ・グリンデル インタビュー
 
 二月。筆者のデンマーク訪問時にはまだ来日予定のメンバーには入っておらず、その後、急遽ジュリエットを踊ることが決定し、電話取材を敢行することになったソリストのスザンネ・グリンデル。「ハロー、連絡待ってたわ」と電話口で軽やかな挨拶を投げてきたスザンネは、のんびりとしたペースで話しはじめた。

 4歳でバレエをはじめ、7歳でここデンマーク・ロイヤルバレエ団の学校に入学し、17歳でバレエ団の研修生としてカンパニーに参加。気負うことなく淡々と、日々バレエ道を邁進しつづけてきた堅実な生き方が語られていく。だがひとつの習練をひとつの街で、これだけ長きにわたり継続するには、堅実さと共にやはりそれなりの覚悟が必要。ギリシャ神話に登場するニンフのような美しさを誇るスザンネだが、この金細工のごとき繊細な風貌の裏側には、どうやら、容易には折れることのない芯の強さが潜むよう。それは、たとえば彼女が十代のときに哲学、文学、社会学、ヴィジュアル・アーツの勉強に人一倍熱心に入れ込んだという行動にも表れているし、また次のような発言からも端的に読みとれる。

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「バレエをはじめた時点では、自分がどれだけ踊ることが好きかなんて考えてもみなかった。けれど歳月を重ね踊り続けていくうちに、自分にはなにがしかの才能があるのかも、その才能によってどこかしらに辿り着けるのかも、という希望が見えてきた。それと共に自分のなかに『なら、できるところまで行ってみたい!』という野心が生まれてきた。そうして私は徐々に、自分の能力を日々試しながら、バレエを強く愛するようになっていったのだと思う」
 そんな彼女がいま何よりも入れ込んでいるのは、パ・ド・ドゥを踊ること。他者と一緒に踊ることによって「自分ひとりでは生み出せない感情が生まれてくること」が楽しくてしょうがないのだという。
「異なるパートナーと踊ることにより、異なる感情が生まれてくる。今の私はそうして他者とのコンタクトを利用して、直感的に現場で、自分の踊りを作りあげていくことがとても楽しい。逆にいえば踊るまえに1ミリの狂いもない設計図を用意しておいて、その計画どおりに事を進める創作法はあまり好まない。私はできる限り本番でも振り付けのガイドラインを守ったうえで、そこからはみ出る要素も取り入れていきたい。舞台はライブ。その日その日に生まれてくる感覚を取り入れて踊りを作りあげていかなければ、臨場感のあるステージは決して生まれて来ない」
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 もちろん『ロミオとジュリエット』で披露する3つのパ・ド・ドゥ ーー、ボールルームの場、バルコニーの場、寝室の場、でのデュエットを踊ることも心から楽しみだと声を弾ませる。
「ロミオがリードする最初のパ・ド・ドゥから、ジュリエットが関係性を推し進める最後のパ・ド・ドゥまで、二人の関係性はダイナミックに変化していく。そしてその変化が、ノイマイヤーの振付によってとてもクリアに浮き彫りにされていく。ちなみに私としては何より、この3つの美しいパ・ド・ドゥを通して、さまざまな形の"愛"を表現したい。憎しみと戦いに溢れた舞台上のこの世界において、唯一、ロミオとジュリエットの二人だけが"愛"を信じて生きている。そして愛を信じて生きているからこそ、彼らは誰よりも強く生きられる。そんな感情が観客に届けば嬉しい」
 のんびりとした取材開始時の口調はすっかり影をひそめ、次から次へ熱く質問に答えていくスザンネ。気づけば電話口で50分、休みなく言葉を紡ぎつづけている。暢気そうで熱く、脆そうで強い。そんな彼女が果たしてどんなジュリエットに扮するのか、今から想像が膨らむ。



岩城京子(演劇・舞踊ライター)
photo:Martin Mydtskov Rønnep

◆読売新聞 5月12日(火)夕刊

「精密さと情熱 期待の2人」というタイトルで、クリスティーナ・ミシャネックとセバスティアン・クロボーのインタビューが掲載されました。

◆SANKEI EX 5月7日(木)

「リアルで人間味たっぷりのロミオ」というタイトルで、クリスティーナ・ミシャネックとセバスティアン・クロボーのインタビューが掲載されました。

デンマーク・ロイヤル・バレエ団の日本公演初日前日の5月14日(木)正午より、東京国際フォーラム・地上広場でプレ・イベントを開催いたします。
イベントでは、デンマーク・ロイヤル・バレエ団が日本公演のために創作した「EGG」を上演。この「EGG」は日本公演のオフィシャル・スポンサーでもある、デンマークの家具メーカーFritz Hansen(フリッツ・ハンセン)の名品「エッグチェア」を使い、デンマーク・ロイヤル・バレエ団のダンサー、エスター・リー・ウィルキンソンが振付を手がけた作品で、東京国際フォーラムでのイベントが初演となります。椅子と戯れるように踊るのは「ナポリ」の初日でテレシーナを演じる、ティナ・ホイルンド。音楽、振付、衣裳、ダンサー、すべてデンマークのアーティストによる意欲作ですので、お近くにお勤めの方はぜひお昼休みに東京国際フォーラムに足をお運びください!

デンマーク・ロイヤル・バレエ団日本公演 プレ・イベント
「EGG」


開催日:5月14日(木) 12時~
会場:東京国際フォーラム 地上広場(有楽町駅側)
出演:ティナ・ホイルンド(デンマーク・ロイヤル・バレエ団ソリスト)

◆クララ6月号(新書館/5月10日発売)
巻頭ページ「ダンサー対談」(カラー4p)に先日来日した、クリスティーナ・ミシャネックとセバスティアン・クロボーの対談が掲載されました。

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9年ぶりに日本公演開幕までいよいよあと5日となりました。岩城京子さんのコペンハーゲン取材、最終回はディアナ・クニ。16日の「ナポリ」にティム・マティアキスとともに主演します。

●ディアナ・クニ インタビュー

 右も左も、きれいに着飾ったフランス人形のような女の子ばかり。7歳のディアナ・クニはここデンマークのバレエ学校にはじめて足を踏み入れた瞬間から、まずこの純絹のレースと花々の薫香に包まれた舞踊世界に唖然とした。それまで自分が生きてきた家庭環境とは大違い。母は元体操選手、父は元アマチュアのサッカー選手。アートというより明らかに体育会系の両親のもとに育てられた壮健な少女にとっては、はじめて目にする豪奢なバレエ世界は、異次元以外のなにものでもなかった。
「私はいまでも、どちらかというとサッカーを見て大騒ぎするのが好きなタイプ。だから規律がかっちり四角四面で、生徒もみな礼儀正しくて、ちいちゃなかわいいバレリーナとして振るまわなければならなかった学校生活は、たまに奔放な私には窮屈に感じられることもあった。けどひとたび舞台に立てば、これらの問題はいっぺんに吹き飛んだ。舞台上で踊れることがあまりにも楽しくて、そうした些細な悩みは帳消しになった」
09-05.07iwaki01.jpg 特に、南イタリアの太陽に祝福された歓喜のディヴェルティスマンが繰り広げられる『ナポリ』第3幕のような、舞台上から自然発生的に陽性のエネルギーが放出してくるような場面に出逢うと、その場に立ち会えている自分にとろけるような至福感を覚えるという。だから彼女自身も、『ドン・キホーテ』のキトリ、『ラ・シルフィード』のエフィー、バランシンの『シンフォニー・イン・C』、フォーサイスの『イン・ザ・ミドル・サムワット・エレヴェイテッド』といった強靱で発散的で陽性のエネルギーが要求される役柄を踊ることを得意とする。
「精神的にも身体的にもストロングな役を踊ることが私は好き。素早いステップやジャンプが多用されるパートは、自分の得意とするところだと言える。でも実はそうした嗜好性が、最近になって少しずつ変わりつつある。『ナポリ』でいうなら勝気で華やかな第1幕と3幕のテレシーナを踊ることより、第2幕のゆったりとしたアダージオを踊ることが楽しめるようになってきている」
 それはなぜかとこちらが問えば......、おそらく「ありのままの自分に自信が持てるようになってきたから」と意味深長な答え。92年にカンパニーに入団し、ソリストに昇進したのが00年。その間の8年間は「他者に自分ができることを認めさせること」にやたらと躍起になっていたけれど、近年ソリストとしてのキャリアを積むにつれ「人の意見は気にせず、自分のベストを尽くそうと思えるようになってきた。だからこそ自分の不得意分野にも平常心で目がむけられるようになってきた」と語る。他者尺度ではなく自己尺度で、いちバレリーナとしての自分を客観視する。その作業には自分の欠点を正面から受け止めなければならない辛さも伴うが、現在のディアナは「それを受け止めることで、よりダンサーとしての完全性が高まるから、いまでは課題の多い毎日が楽しい」と健やかに笑う。
 人間としてもダンサーとしても成熟期を迎え肩の力がすとんと抜けたディアナ。「とにかく今は、踊るこのできる毎日を、天からの贈りものだと思って楽しく過ごしていきたい」と他意なく語る。汗ばんだ盛夏の肌に心地よい一陣のそよ風のように、溌剌さのなかに柔らかな熟成をはらむ現在の彼女の踊りは、きっと観客に風通しのよい清々しさを届けるはずだ。


岩城京子(演劇・舞踊ライター)
photo:David Amzallag

ミシャネックとクロボーの日本滞在記、最終回は4月15日(水)の午後の二人の様子をお伝えします。

4月15日(水)13:20

ホテルで着替えを済ませた二人が次に向かったのは、浜松町にある四季劇場「秋」。このブログでも以前ご紹介したように、二人は劇団四季のミュージカル「アンデルセン」を観劇しました。
「アンデルセン」はデンマークの首都コペンハーゲンを舞台に、童話作家アンデルセンの青春時代を描いたミュージカル。劇中で若き日のアンデルセンは、デンマーク・ロイヤル・バレエ団のプリマ、マダム・ドーロに憧れ、彼女のために物語を捧げます。マダム・ドーロの夫で、バレエ団芸術監督のニールスは「ナポリ」の振付家オーギュスト・ブルノンヴィルをモデルにしていることもあり、今回の観劇が実現しました。

二人が四季劇場に到着したのは、開演10分前。この日は高校の課外授業で、たくさんの高校生が公演を観にきていました。クリスティーナとセバスチャンが劇団四季の方に案内されて客席に入ると、その高校生たちがざわめきはじめました。
特に1階後方にいた女子高生たちは長身で甘いマスクのセバスチャンに大注目。「誰?誰?」、「マジかっこい~~!!!」などなど、友達とささやきあう声があちこちから聞こえてきたのです。セバスティアン、一瞬にして女子高生のハートを捕らえた模様。

4月15日(水)15:50

公演終了。日本語での上演、しかもかなり時差ボケもあったようでしたので、ちょっと心配していたのですが、二人は「とっても楽しかった」と笑顔で一言。

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その後、舞台上で、アンデルセン役の味方隆二さん、マダム・ドーロ役の斉藤美絵子さんをはじめ、出演者の皆さんとの交流会が行われました。
二人からは、「ロミオとジュリエット」のスチール写真にサインを入れた額とデンマークのチョコレートをプレゼント。劇団四季の皆さんからは全員のサインが入ったポスターと二人へのプレゼントが贈られました。

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全員で記念写真写真。
このようなイベントは初めてとのことで、少しとまどった様子が初々しい二人でした。

*交流会の様子は下記の各サイトでご覧いただけます。
  ◆チャコット Dance Cube>>>
  ◆Yahoo! ニュース>>>


4月15日(水)16:00
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その後、四季劇場内の応接室にて、劇団四季のホームページや会報誌用の取材。そのときの様子はこちら>>>にて詳しくご覧いただけます。

4月15日(水)17:00
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ホテルに戻り、各メディアのインタビューが続きます。
これはインタビューの合間に、劇団四季の皆さんからいただいたプレゼントを嬉しそうに手にする二人。「5月の公演のときに必ず持ってくるわ!」と、扇子がとても気に入った様子のミシャネックでした。

4月15日(水)17:30
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新聞のインタビュー中の二人。この記事は来週火曜日の掲載予定です(詳細は掲載後お知らせします)

4月15日(水)19:00

すべての取材が終了。2日間のハードスケジュールにも関わらず、最後の最後まで笑顔を絶やさない二人には頭が下がる思いでした。

4月15日(水)19:15

近くの日本料理店でスタッフとプレスツアーの打ち上げ。
前日「何が食べたい?」とたずねた時、間髪いれずに「日本食!!」とのオーダーが。セバスティアンは何度も来日していることから、かなり日本食には詳しい様子でしたので、日本食でも郷土料理を食べてもらおう!と秋田料理の店に予約を入れました。
刺身、比内地鶏のつくね、由利牛の石焼などなど・・・「おいしい!」と言いながら、日本の味を堪能する二人。秋田といえば「きりたんぽ鍋」ですが、「いくら日本食が好きでも、きりたんぽ鍋はどうか・・・」と心配するスタッフをよそに美味しそうに完食してくれました。

4月15日(水)21:30

食事の後、ホテルへ戻り、忙しかった二人の一日が漸く終了。

翌16日の朝、「5月に来たときには、ゆっくり日本を楽しみます。そして日本の観客の皆さんとお会いできるのを楽しみにしています」という言葉を残して帰国した二人。わずか46時間の滞在でしたが、日本のマスコミの方に二人の魅力を十分にお伝えすることができたプロモーションになったのではないかと思います。
先日もお伝えしたように、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の意向によりキャスト変更があったため、クリスティーナとセバスティアンの「ロミオとジュリエット」はご覧いただけないのですが、それぞれのパートナーとドラマティックな舞台を見せてくれるに違いありません。二人の舞台をどうぞお楽しみに!


デンマーク・ロイヤル・バレエ団日本公演開幕を直前にして、現地では最終的なリハーサルが行われておりますが、昨日、デンマーク・ロイヤル・バレエ団よりキャスト変更の連絡がございました。芸術監督ニコライ・ヒュッベの強い意向により、「ロミオとジュリエット」のジュリエット役が下記のとおり変更となります。何卒ご了承ください。

5月22日(金)6:30p.m.
ジュリエット:スザンネ・グリンデル
ロミオ:セバスティアン・クロボー

5月23日(土)3:00p.m.
ジュリエット:クリスティーナ・ミシャネック
ロミオ: ウルリック・ビヤケァー

5月24日(土)3:00p.m.
ジュリエット:スザンネ・グリンデル
ロミオ:セバスティアン・クロボー


このキャスト変更について、デンマーク・ロイヤル・バレエ団より次のコメントが届いております。

キャスティングにおいては、個々のダンサーたちの現在の状況、身体的なピーク、また主要な役におけるパートナーシップの芸術性などを慎重に判断しております。今回、日本の観客の皆さまに最高の芸術を経験していただくため、芸術監督のニコライ・ヒュッベがこのキャスト変更を決定いたしました。

岩城京子さんのコペンハーゲン取材、第7弾はトマス・ルンド。芸術監督ヒュッベから「トマスは、彼が本物のスターであることを、これまで何度も彼のキャリアを通じて証明してきました。劇場とバレエにどっぷりと浸かってきた人間です。そして彼の存在そのものが芸術なのです」と絶賛される、デンマーク・ロイヤル・バレエ団を代表するプリンシパルです。

●トマス・ルンド インタビュー

 物心つくころにはすでに、親戚一同を居間に集め、彼らのまえで演技や踊りを披露して「客を湧かせていた」と笑うのはカンパニーを代表するベテランプリンシパルのひとりトマス・ルンド。幼くして知らずのうちに周囲の人間と「感情をシェアすること」に至上の喜びを感じるようになっていた感受性豊かな少年は、ぼんやりと将来を見据え「なにか人前に立つ仕事がしたい」と次第に舞台に心を傾けるようになっていく。そして当時通っていたボールルーム・ダンスの教師に「体型が向いているから試してみれば」と薦められるままに、ここコペンハーゲンのバレエ学校に足を踏み入れる。以後、彼は「自分の居場所に疑いを持つことなく」まっすぐにこの劇場のなかで生きてきた。
09-04.28iwaki01.jpg 骨格のしっかりとした男らしい身体美に恵まれたトマスは、その濁りのない清潔なテクニックで、早くからカンパニー内で注目を集める。『くるみ割り人形』の王子役や『ラ・シルフィード』のジェイムスといった気品溢れるプリンシパル・ロールに抜擢されたのは二十代のこと。だが元来、自分が目立つことよりも、他人を喜ばせることに人並以上の喜びを覚えるタチなため、気づけば舞台中央に平凡な王子役として立つよりも、端にいてもより面白い役で舞台に貢献したいと願うようになっていく。そして『真夏の夜の夢』のパックや『ロミオとジュリエット』のマキューシオといった道化的な役柄にも果敢に挑んでいく。
「だからどちらかといえば、僕は正統派な王子というよりドゥミ・キャラクテールに近いのかもしれません。もちろん王子役を演じることも可能ですけど、それだけをずっと踊れと言われたらどうしても飽きてしまう。僕は......、たとえば今回日本で上演する『ナポリ』のジェンナロのように、陽気で、等身大で、ふだんの自分を生かして観客を喜ばせることのできる飾り気のない役柄を演じるのが好きなんです。それになにも王子に扮して空高く優雅なダブル・トゥールを披露することだけが、男性ダンサーの使命ではないですからね(笑)。僕は以前80歳の誕生日にコッペリウスを踊ったキャラクター・アーティストと共演したことがあるのですけど、彼は彼にしかできない踊りで観客を存分に沸かせていた。僕もいずれそういうダンサーになれればと思います」
 とはいえ、それは遠い未来のこと。今現在35歳の彼は、バランシンからフォーサイスからブルノンヴィルまで、その軸のぶれないしなやかなテクニックで、すべてを一陣の春風のように軽やかに踊りこなしてみせる。なかでも『ナポリ』や『ラ・シルフィード』といった作品への評価は地元でも高く、今ではバレエ団屈指のブルノンヴィル・ダンサーとして名をはせている。
「僕の意見では、ブルノンヴィル作品では『脚がリズムで腕がメロディ』。このふたつをうまい具合にあわせて、一曲の華麗な舞を奏でていくんです。もちろん、途中で音楽が途切れてしまうことがあってはなりません。だから大きなジャンプでいつ着地して、その直後の短いフレーズにどれだけの数のバッテリーを詰めるか、途中に妙な間が空いてしまわないように、すべてを事前に計算しておく必要があります。またさらにブルノンヴィルを踊るダンサーは『この踊りなら私にもできそう』と観客に思わせるほど平易に踊って見せなくてはなりません。これはとても難しいことですけど、成功すると、観客は自分たちもパーティーの一部に参加できたような高揚感を持って劇場を後にすることができます。日本のお客さんにも、そのような気持ちをお届けできれば嬉しいですね」
 『ナポリ』第一幕----まるで観客に大きな花束を授けるかのごとき華やかなジュテで舞台に登場するトマス。日本の観客がその花束の馨しさにむせて至福の心地よさのなか、劇場を後にすることを願いたい。


岩城京子(演劇・舞踊ライター)
photo:David Amzallag

チャコット Dance Cube
クリスティーナ・ミシャネックとセバスティアン・クロボーが劇団四季「アンデルセン」を観劇した際のレポートが掲載されました。

Dance Cube -チャコット webマガジンはこちら>>>

お待たせいたしました!ずいぶん前に予告しておりました、クリスティーナ・ミシャネックとセバスティアン・クロボー主演「ロミオとジュリエット」の動画が、漸く到着いたしました。 今回はロミオとジュリエットに焦点を当てて編集してみましたが、いかがでしょうか? 瑞々しく、情熱的な二人の舞台をどうぞご覧ください!


 デンマーク・ロイヤル・バレエ団、9年ぶりの日本公演初日まで、いよいよ20日を切りました。日本側でも着々と公演準備が進んでいますが、デンマークからは今日とても立派な日本ツアー手帳(?)が届きました。
 このツアー手帳には、来日するダンサー、スタッフのリスト、スケジュールから、日本における注意事項やショッピング情報まで、ガイドブックさながらの充実した内容が掲載されています。
 例えば、「日本の水道水はきれいです。少し塩素のにおいがしますが、問題なく飲めます」、「薬屋さんは、街のあちこちにあります。」、「洋服は春先のもので。傘も忘れず」などなど、初めて日本を訪れるメンバーが困らないように、さまざまな事柄について丁寧に解説してあるのです。

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 この立派な手帳を手に来日するメンバーは約140名。その中のひとり、「ナポリ」で主演するティナ・ホイルンドのインタビューをお届けします。

●ティナ・ホイルンド インタビュー

 ひらひらしたよそ行きのワンピースを着せられ、痛さで目尻が吊り上がるほど髪を梳かされ、たいして興味も湧かぬ芝居に両親に連れて行かれたティナ・ホイルンド。当時5歳。少女は「あーあ」と生あくびを噛み殺しながら、舞台の大半をぼんやり眺めていた。だがもうすぐ芝居が大団円を迎え、ようやく劇場という名の牢獄から開放されると思った終幕間際の数分。彼女はとつぜん電気ショックを受けたかのように客席で跳ねおきる。目に飛びこんできたのは、自分と同年代の子供たちが陽気に舞い踊る小さなバレエ場面。「一目でこれが私のやりたいことだとわかった」少女は、天啓にうたれたかのごとき確信を持って翌日から「バレエを習わせて欲しい」と渋る母親を口説きはじめる。習わせて、ダメ、習わせて、ダメ。ようやく母親からイエスの答が帰ってきたのは説得開始後、一年後。少女は6歳にして「完全に自分の意志で」バレエの世界へ足を踏み入れた。
09-04.25iwaki01.jpg「だからいざバレエを習いはじめて、途中でいろいろと大変な出来事に遭遇して、まわりの人間に『そんなに大変なら他のことをやったらどう?』と心配されたときもあったけれど、私はいつもこう答えてきた。『心配しなくていいわ、これは私が自己決断で選んだ人生だから』って。間違いなく私は、かなり幼いときから強い意志を持って生きてきた」
 この強靱な個人規範はその後も揺らぐことなく、彼女はスター街道をまっすぐ迷うことなく進んできた。だが当人はスターになりたいと思ったことは「一度もない」と言いきる。5歳でバレエという芸術表現に惚れ込んでしまったそのときから、彼女は、名声や権力といった利己主義にかぶれることなく、ただただ無償の畏愛をこの芸術に注ぎこんできたのだ。
「なぜならバレエという芸術表現は、私一人よりもずっと偉大だから。私なんてバレエの歴史からみたら、たった5分ほどの芥子粒のような存在でしかないから。だから私は子供のときから、この素晴らしいアート−フォームに、小さくともなんらかのかたちで貢献できれば、それに勝る喜びはないと思ってきた。それに......これは確実な真理だと思うのだけど、ダンサーが舞台上で『私を見て!』というエゴイスティックな意識を持つほど、観客は逆に引いてしまうもの。ダンサーは誰であれ舞台上では、ある種の謙虚さを持つべき」
 この言葉どおり、彼女は舞台に過剰な自己主張を持ち込まないよう務める。ただ『ドン・キホーテ』のキトリ、『ジゼル』のミルタ、あるいは今回日本で披露する『ナポリ』のテレジーナ、といった得意とする役柄をいくつかならべてみると、彼女が舞台上で自分らしくいられる役柄が、どのようなタイプのものかは自然とわかってくる。凛々しく、堂々と、主張のある女性。砂糖菓子色のチュチュを着たお姫様よりも、彼女はこうした役柄を愛するのだろう。
「確かに、私は強い役を振られることが多い。そしてそれはおそらく、私自身かなり強い人間だから。特にテレジーナに関しては、自分の素の性格を利用するかたちで役柄に挑めているように思う。たとえば彼女は非常に地に足がついた思考の持ち主で、気性が激しくて、何より強い意志を持って恋人を愛する。自分の愛への信念を貫くために、戦いぬく強さを持っている。私自身、彼女のこの生き方には心から共感する。だからこそ10年以上踊りつづけてきても飽きることがないのだと思う」 人生を賭してバレエへの一途な愛を追求してきたティナ・ホイルンド。その誠実なプロフェッショナリズムに、人は心を打たれるはずだ。


岩城京子(演劇・舞踊ライター)
photo:David Amzallag

ミシャネックとクロボーの日本滞在記、2回目は4月15日午前中の二人の様子(part1)を。

4月15日(水)10:30

NBSの事務所に元気よく現れた二人。この日のスケジュールは雑誌のインタビューから始まりました。記者の方の質問に笑顔を絶やさず、言葉を選びながら答える二人。後で聞いたところによると、どうしても同じような質問が多くなってしまうため、少しだけでも違った表現で答えようと思っていたとか。そういえば同じことを2月に来日した芸術監督のヒュッベさんも言ってらっしゃいました。
インタビューの後は、外に出て撮影。少しだけですが、撮影にも慣れた様子。暖かい春の日差しの中で、爽やかな表情で撮影に臨んでいました。

4月15日(水)11:30

NBSのホームページや他のWEB媒体に向けてのビデオメッセージの収録。なぜかビデオの撮影になると固まってしまうダンサーも多いのですが、二人は初めてとは思えないくらいナチュラルな笑顔で、スムーズに収録終了。
この撮影では、いくつかのコメントをお願いしたのですが、コメントを収録する毎に「どちらから話す?」と聞くと、クリスティーナが必ずセバスチャンの顔を見るのです。ちょっと考えたいときには、恥ずかしそうな訴える眼差しでセバスチャンの目を見つめ、「すぐでも大丈夫」というときには、控えめに「私から・・・」と手を上げるクリスティーナ。彼女のあまりの可愛らしさに、その場にいた全員が思わず微笑んでしまいました。

そのときに撮影したメッセージはこちらです。



このビデオメッセージからもわかるように、二人はとても流暢な英語を話します。デンマークでは子どもの頃からみっちり英語を勉強し、ほとんどの人が英語での日常会話が問題ないそうです。デンマーク・ロイヤル・バレエ団内でもメインの言語は英語とのこと。2日間の滞在中も、二人だけで会話するとき少しだけデンマーク語と使っていましたが、ほぼ100%英語で過ごしていました。

4月15日(水)11:45

昼食は時間がなかったので、NBSの事務所で軽食を。その後一旦ホテルに戻り、着替えてから、某所に向かったのでした。

4月15日午後の部(?)は、日本滞在記~その3で。もうしばらくお待ちください。

◆ダンスマガジン6月号(4月27日発売/新書館)

来日直前レポートとして、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の特集が14ページにわたって掲載されます。
芸術監督のニコライ・ヒュッベ、セバスティアン・クロボー、クリスティーナ・ミシャネック、トマス・ルンド、ティナ・ホイルンド、クリストファー・サクライのインタビューのほか、3月に上演された<B for Balanchine>の舞台写真など盛りだくさんの内容です。
特に特集の表紙に使われている「ロミオとジュリエット」の稽古場での、ミシャネックとクロボーの写真は必見! 稽古とは思えないほどドラマティックな1枚です。
また、先日来日したミシャネックとクロボーが劇団四季を訪問した際のレポートも掲載されています。

ちょっと間が空いてしまいましたが、岩城京子さんのコペンハーゲン取材第4弾は、「ナポリ」ジェンナーロ役のティム・マティアキス。興味深いエピソード満載のインタビュー、どうぞご一読ください!



●ティム・マティアキス インタビュー

 質問をひとつぽんと投げる。......と、予想だにしなかった沈黙。そして数秒間の黙考ののち、知性と経験からじっくりと考察を重ねた実のある哲学を返してくる。
「より広く視野を持つことにで、より深くこの職業を掘り下げていける」
「心の疲弊は身体の疲弊を招く。だから心にこそ休息のときが必要」
 勤勉実直なスウェーデン人と、熱血漢で分析癖のあるギリシャ人の血。その双方を両親から半々に受け継いだティム・マティアキスは、見事にこの水と油ほどに対極的な性質を自分のなかで共存させている。スカンジナビア人そのものといえるやんわり柔和な物腰で話を進めたかと思えば、たぎる熱意でロジックを極めるギリシャ人の一徹さを垣間見せる。彼自身「いつでも両親双方の血が僕のなかに流れていることを意識させられます。特に物事をとことんまで考え抜こうとする分析癖が出てくるたびに、哲学論議を戦わせていたギリシャの祖先のことを考えずにはいられません」と笑う。
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 二つの祖国それぞれでバレエの第一歩を習得したのち、16歳でスウェーデン王立バレエ学校に入学。3年後には同バレエ団に入団し、ソリストとして活躍する。だが「より広い世界を見たい」と思い立った彼は、20代半ばで、英国ロイヤルバレエ団への移籍を決意。そのときの想い出を聞けば「人生の最良のときであり最悪のとき」との返答。世界屈指のバレエ団で、至福(ギエムなどの芸術家と同じ稽古場にいて学べる素晴らしさ)と苦悩(物価高のロンドンでは朝10時から夜11時まで毎日働いてもアパートひとつ借りられない!) の激動の日々を過ごしたという。ただ英国での生活が3年ほどたったある日「いくらバレエが好きでも、このままでは生活が立ちゆかなくなる」と客観的な自己分析を施し、より経済的保障がなされ、時間的にも余裕のある、ここデンマークにて04年から踊りはじめる。この決断は功を奏し、いまではバレエダンサーという職業の可能性に対し「日々喜びを感じて」過ごしているという。
09-04.21iwaki02.jpg「バレエダンサーという職業のすべてを一日で知ることは不可能。とても複雑な職業です。でもだからこそ心を開いてさえいれば、どこまでも探求していくことができる。ムーヴメントを、芸術性を、舞台上の時間の使い方を、観客の誰も気づかないような小さなディテールを、どこまでもどこまでも追求していける。そしてそれが今はとても楽しい」
 ただ少しばかり皮肉なことに......、この沈思黙考型な性格に反し彼は今までその俊敏な身体性を買われ、『白鳥の湖』の道化、『ラ・バヤデール』のブロンズ・アイドル、といったテクニック重視の役柄を多くあてがわれてきた。
「だから僕の魂と身体は、別々の言語を話すんですよ(笑)」
 と、自分でそのアンヴィバレントな性質を茶化してみせる。だが今後は、この魂と身体のすりあわせ作業を進めて、より「演技重視で柔和な役がら」を多く踊りたいと話す。そんな彼が近年踊ることを楽しみにしているのが日本で披露する『ナポリ』のジェンナロ。ジャンプやターンのエネルギー放射で観客を圧倒するのではなく「観客をぐっと自分の内に招き入れるような踊りを構築したい」と意気込む。
「この役は僕にとって巨大な挑戦。特に1幕後半から2幕にかけての、喪失感を表現するのが難しい。僕らの多くは、自分の視線が宿る最愛の人のために日々呼吸して生きていく。だからその愛する人が突然いなくなってしまったら、僕らの心は空白になる。その圧倒的な喪失感。空虚感。それをどう、感情に呑み込まれすぎることなく表現するか。とても難しい。でも、こうすれば虚無感や喪失感を表現できるという方程式はバレエにはない。自分なりの答を誠実に見つけていきたい」
 会話をひとつも疎かにすることなく、丁寧に言葉を紡いで質問に答えるティム。きっと日本の舞台でも、この彼の熟考型の性格が反映された、周到にパの一つ一つが磨き上げられたダンスが披露されるはずだ。


岩城京子(演劇・舞踊ライター)
photo:David Amzallag

クリスティーナ・ミシャネックとセバスティアン・クロボーの日本滞在記。
初回は到着日の4月14日の様子をお伝えいたします。

4月14日(火)16:30

15時に成田空港に降り立った二人はそのままNBSの事務所へ。なぜなら、セバスティアンの名づけ親でもある振付家のジョン・ノイマイヤー氏がこの日東京バレエ団で「月に寄せる七つの俳句」のリハーサルを指導していたからです。二人の主演する「ロミオとジュリエット」もノイマイヤー氏の振付。今年1~3月にデンマークで「ロミオとジュリエット」が上演されたときにも、二人はノイマイヤー氏から直接指導を受けています。そんな3人が東京に揃っているのですから、ここはぜひ会っていただかねば・・・と二人を案内した次第。

ノイマイヤー氏に挨拶をして、写真撮影だけでもと思っていたのですが、二人が到着したとき、まさに「月に寄せる七つの俳句」の稽古場での最終通し稽古が始まるところ。そこで急遽予定を変更して二人にリハーサルを見学してもらうことに。「時差ボケもあるし、大丈夫かな・・・」と心配する担当者をよそに二人は食い入るように稽古を見つめていました。約40分の稽古終了後、クリスティーナは「とてもきれいな作品で感動しました。おかげさまで眠気がすっかり覚めました」と笑顔で一言。ノイマイヤー氏のダメ出しを真剣に聞いている二人の表情がとても印象的でした。

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その後、いよいよノイマイヤー氏とのご対面。満面の笑みでクリスティーナとセバスティアンを迎えるノイマイヤー氏は、「月に寄せる七つの俳句」が19年ぶりの再演であること、20年前の初演と同じ主演キャスト(斎藤友佳理、高岸直樹、木村和夫)であることなど、二人に説明してくださっていました。記念撮影の後、二人は取材場所であるホテルへ、そしてノイマイヤー氏も会食へと慌しく移動。わずかな時間でしたが「日本でジョンに会えて本当に嬉しかった」と大喜びの二人でした。

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4月14日(火)18:40

18:20にホテルにチェックインし、15分の短い休憩の後、取材がスタートしました。最初の取材は某新聞。クリスティーヌもセバスティアンも取材にはあまり慣れていないということで、最初は緊張していた様子でしたが、記者とカメラマンの巧みなリードによって、次第にリラックスして、ひとつひとつの質問に丁寧に答えていました。昨年結婚したご主人のことを聞かれると、恥ずかしそうに頬を染めながらなれ初めを嬉しそうに語るクリスティーヌ。そして、セバスチャンはご両親と一緒に訪れた日本で観たバレエ公演で、ダンサーになることを決意したエピソードを語ってくれました。詳細は記事でご確認くださいね。
品川の夜景がきれいに見える部屋でしたので、カメラマンのアイディアで家具を大移動して窓辺でこんなポーズで撮影。二人は「ロミオとジュリエット」さながらのロマンティックな世界を作り出していました。どんな写真になっているのか、こちらも記事をお楽しみ!

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4月14日(火)19:30

次の取材はクリスティーナの雑誌の単独インタビュー。バレエをはじめたきっかけ、バレエ学校時代の思い出、「ロミオとジュリエット」について、笑みを絶やさず答えるクリスティーヌ。記者の方は3月にデンマークでクリスティーヌの舞台を観ていらしたのですが、本当に幸せそうな表情で舞台に立ってたのが印象的だっと繰り返し彼女に伝えていました。舞台のどこにいてもその表情に惹きつけられてしまうのだと。う~ん、ますます5月の公演が楽しみになってきました!

4月14日(火)20:15

この日のスケジュールは無事終了。「今日は自分たちだけで街を探訪してみる」という二人と担当者は部屋で別れたのですが、ロビーで記者の方と話をしていると、カジュアルな服装に着替えた二人が登場。ニコニコしながら元気いっぱい品川の街に繰り出していきました。さすが24歳と22歳。「わ、若い・・・」担当者のつぶやきでした。

二人の日本滞在記、こんな感じでまだまだ続きます。どうぞお楽しみに。

◆FIGARO Japon 5/5号 No.386
Théâtreのページでデンマーク・ロイヤル・バレエ団公演がニコライ・ヒュッベのコメントを交えながら紹介されています。

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◆シアターテレビジョン(CS放送)
先日来日したクリスティーナ・ミシャネック、セバスティアン・クロボーのインタビューや舞台映像を交え、デンマーク・ロイヤル・バレエ団日本公演が紹介されます。放送時間は下記のとおりです。

4月22日(水) 18:20 
4月23日(木) 08:30 
4月24日(金) 05:45/13:20 
4月25日(土) 23:30 
4月26日(日) 09:30 
4月27日(月) 06:30/17:15 
4月28日(火) 11:50/18:30 
4月29日(水) 05:00 
4月30日(木) 10:20 

◆クラシカジャパン(CS放送)

「クラシカラウンジ」で芸術監督ニコライ・ヒュッベのインタビューが放映されます。放送日時は下記のとおりです。

5月3日(日・祝) 19:30 初回放送
5月4日(月・祝) 17:30/24:00
5月5日(火・祝)  5:30/19:30
5月6日(水・祝)  17:30/24:30※
5月7日(木)  10:00/18:00
5月8日(金)  7:30/17:40
5月9日(土)  13:00/23:30
5月10日(日) 11:30 最終放送

※はCATV局ジェイコムの「J:COMチャンネル」でも同時放送。

◆バレエモバイル
携帯サイト「バレエ・モバイル」(http://ballet-mobile.com)で、クリスティーナ・ミシャネックとセバスティアン・クロボーのインタビューを配信中です。
(*バレエモバイル有料会員にご登録いただいた方のみご覧いただけます)

◆SWAN MAGAZINE(春号 Vol.15/平凡社)
2月に行われたニコライ・ヒュッベのインタビュー記事が掲載されました。

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デンマーク・ロイヤル・バレエ団日本公演初日の1ヶ月前となる4月14日、公演プロモーションのため「ロミオとジュリエット」に主演するクリスティーナ・ミシャネックとセバスティアン・クロボーが緊急来日しました。

2月に来日した芸術監督のニコライ・ヒュッベは26時間(!)という記録的な日本滞在時間でしたが、二人もそれに負けない46時間の滞在というハードスケジュールにもかかわらず、終始笑顔で取材に応じていました。そんな二人の駆け足日本滞在記を写真、映像も交えながら明日から3回にわたってお伝えいたします。

ざっと日本での46時間を追ってみますと・・・。

4月14日(火)
15時/成田空港に到着 → 17時/東京バレエ団稽古場にて、ノイマイヤー振付「月に寄せる七つの俳句」リハーサルを見学 → 18時30分/新聞・雑誌インタビュー→ 20時/取材終了 → 東京の街探訪(!)

4月15日(水)
10時30分/雑誌インタビュー → 11時30分/web用メッセージ撮影 → 12時/昼食 → 13時30分/劇団四季のミュージカル「アンデルセン」観劇 →16時/劇団四季の俳優さんたちとの懇談&各メディア取材 → 16時30分/CS放送、新聞、雑誌、web媒体取材 → 19時/取材終了  → 19時15分/会食 → 21時30分/ホテルの自室へ

4月16日(木)
10時/ホテル発 → 13時/成田空港発

書いているだけでも当日の慌しさを思い出し、息苦しくなってくるようなスケジュールでした。

すでに、劇団四季のミュージカル「アンデルセン」を観劇した際の記事が下記でご覧いただけますが、このブログでも二人の46時間を詳細にお伝えしていきたいと思っております。
どうぞ、お楽しみに!

劇団四季公式サイト>>>
Yahoo! ニュース>>>

デンマーク・ロイヤル・バレエ団の9年ぶりの日本公演まで1ヶ月半。「ロミオとジュリエット」の新しいフライヤーが完成しました。

09-04.04_001.jpg表面はこのBlogでも以前ご紹介した、クリスティーナ・ミシャネクとセバスティアン・クロボーの舞台写真がメインになっています。この美しいカットは、誓いの一夜を過ごしヴェローナの街を離れていくロミオへのジュリエットの想いを象徴的に表したシーン。離れていても固く結ばれているふたりの強い絆と想い、そして別れの辛さが伝わってきます。

このシーンの舞台映像をほんの少しだけお見せしましょう。



そしてフライヤーの裏面は、「ロミオとジュリエット」に主演する4人のダンサーのインタビューと芸術監督ニコライ・ヒュッベのメッセージで構成された充実の内容です。
それぞれの画像をクリックすると拡大しますので、じっくりご覧になってください。

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岩城京子さんのコペンハーゲン取材第4弾は、今回の日本公演でもっとも注目を集めているといえる。セバスティアン・クロボーのインタビュー。弱冠19歳でロミオ役に抜擢されたバレエ団の新星です。芸術監督のヒュッベはセバスティアンについて「セバスティアンはすばらしい謙虚さを身につけており、一番の長所はスタジオで役柄に取り組むときや観客の前で踊る時に、自らの心を素直に開くところです」と紹介しています。岩城さんのインタビューからは、写真から受ける印象とはちょっと違う、骨太なセバスティアンの素顔が垣間見えます。


●セバスティアン・クロボー インタビュー

09-04.04iwaki01.jpg 日本の感覚でいえば、まだ大学を出たての22歳。しかも父親が元バレエ団の芸術監督であり、母親が現バレエミストレスときたら「どれだけ甘やかされたドラ息子が現れるのだろう...」と妙にうがった考えを持ってしまう。だが取材室にさらりと現れたセバスティアン・クロボーは、白亜の宮殿で首まで贅沢に浸かり育てられたボンボンというより、鞄ひとつで世界を駆けまわるタフな旅人の匂いがする。彼にそう告げるとハハと軽く一笑いしたあと「まあ、子供のころから両親について世界中を旅してきましたから。その分析はあながち間違いじゃない。僕は旅人(笑)」という答え。実に気取りがない。
 「ハンドボール選手かテニスプレイヤーになりたかった」というスポーツ大好きな少年期を過ごしたのち、13歳で初めて「家のなかにあたりまえのようにあったバレエ」に目を向けたセバスティアン。血は争えないのか、たった6年後には振付家ジョン・ノイマイヤーに抜擢されて今回日本でも披露する『ロミオとジュリエット』の主役を務める。当時はまだコールドの一員で19歳。さぞかし緊張したのではと問えば「緊張もしましたが、それ以上に楽しめました。それにそもそも人生は挑戦を受け入れることですから」と力強くまっすぐに即答。リスクを怖れず自力で道を切り拓いて来た人間でなければ言葉にできない、成熟した哲学が垣間見える。

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 そんな彼も今年1月にようやくソリストに昇進。前述のロミオをはじめ『オネーギン』のレンスキーなど数々の大役を早くもこなしている。
「ロマンティック、ポエティック、それに 何よりドラマティック!」。
 それが今の彼が愛する役柄の多くに、当てはまる共通点だという。
「僕にとっては子供のころから演技をすることはとても自然なことでした。だから他のバレエ団で、一に踊りで、二にマイム、といった意識が見てとれる舞台に出くわすとどうしても悲しくなる。僕にとっては踊りとマイム、あるいは踊りと演技は切っても切り離せないもの。というよりむしろ僕らプロのダンサーは、誰もがある一定水準の踊りをこなすことができるわけですから。演技の力量で、はじめて大きな差が出ると言える。どれだけパーソナルな想いを、その役柄に投影できるかで踊りの精度が変わってくるわけです。もちろんテクニックも疎かにしてはいけませんけど、どれほどテクニックが凄くても人は感心するだけで感動はしません」
 では、日本で上演するロミオに関してどんな演技を考えているのかと問えば、その後10分、役柄に取り憑かれたかのように演技分析をとうとうと繰り広げていく。
「まずロミオはとても若い。そして恋愛経験はあるけど、本物の愛に関してはまだ経験が浅い。ジュリエットが初めての本物の愛。両親とは少し疎遠。だから親に依存しているというより、それなりに自分の人生の手綱を握っている。けれどティボルトほどは成熟していない。そのティボルトを殺してしまうシーンは僕が大好きなシーンのひとつ。あそこから、彼の世界が崩れ始める。友達が殺され、殺人に手を染め、義理の母が発狂し、街から追放されてしまう。あそこで彼は自殺すら考えたはず。でも同時に彼にはジュリエットがいるから、死ぬことができない。たったの4日間で、彼は男の子から本物の男に成長するんです。それはもうものすごい感情の嵐......ってごめんなさい、なんだか話している自分が熱くなってきちゃいました(笑)」
 なるほど、彼が自他ともに認めるドラマティック・ダンサーであることに納得。のほほんと暢気なお坊ちゃんと高をくくっていると火傷をする、熱く激しい情動が彼の心にたぎっている。


岩城京子(演劇・舞踊ライター)
photo:David Amzallag
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DANZA(ダンツァ)第21号/東京MDE(3月28日発行)
デンマーク・ロイヤル・バレエ団来日特集が5ページにわたって掲載されています。バレエ団、「ナポリ」、「ロミオとジュリエット」の作品紹介からダンサーのインタビューまで盛りだくさんの内容です。また"よくばりバレエ・ガイド"では「ナポリ」が取り上げられています。この1冊があれば、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の事前情報はバッチリ!デジタル・マガジンでも全ページご覧いただけますので、ぜひチェックしてみてください。

DANZAのホームページはこちら>>>

岩城京子さんのコペンハーゲン取材vol.3は、ジュリエットを演じる、クリスティーナ・ミシャネックのインタビュー。
彼女の魅力を芸術監督のニコライ・ヒュッベは「クリスティーナの踊りは美的感覚に溢れており、彼女の舞台という一瞬にかける強い表現はとても貴重な体験となるでしょう。彼女はすばらしい演技力と愛らしい叙情性を備えています」と語っていますが、このインタビューからもそんな彼女の個性が窺えます。


●クリスティーナ・ミシャネック インタビュー

09-03.27iwaki01.jpg 薔薇色がかったミルク色の肌に、天使のような柔らかな表情をのせて、ころころと子供のようによく笑う24歳のクリスティーナ・ミシャネック。たっぷりとした栗色の睫毛におおわれた瞳をまっすぐこちらに向け「私は本当に幸せな少女だった。バレリーナになる前はお姫様になりたいと思っていたぐらい」と彼女が囁くと、その愛らしい願いがそれほど非現実的なことには思えなくなる。世界中の光を独り占めしてまどろんでいるかのように、彼女のまわりには幸せな薫香が漂っているのだ。聞けば昨年、同じくダンサーである最愛の人と結婚したばかりだとか。しかも同時期に彼女は、バレエ団内でソリストに昇格も果たしている。幸せの風で心が満帆になるのもうなずける。
「しかも昨年には、私の最も愛する役柄のひとつ『ラ・シルフィード』の主役を初めて踊ることができた。もちろん一度踊っただけでは、シルフィードのような難しい役柄を完璧に踊りこなすことはできないけれど。ブルノンヴィルの物語バレエが大好きな私にとっては、とても素晴らしい体験だった」
 羽根のように軽く舞うシルフィードは、確かに彼女の霞のような雰囲気によく似合う。しかも彼女は芸術監督が「ものすごい集中力の持ち主」と絶賛するように、ひとたび舞台にあがると、日々の世俗的な匂いをすべて取りはらって、完璧な夢物語を観客に届けてみせる。クリスティーナ自身「いったん役柄に没頭すると、普段はできないようなテクニックさえこなしているのよ」と笑う。
「今度、日本で踊るジュリエットにしてもそう。彼女はいま恋に落ちていて、魔法がかった時を過ごしているわけだから、そりゃもちろん空に浮かぶような素晴らしいバランスをこなせるのよ。でも舞台からおりてリハーサル室で『はい、じゃあポアントに立ってバランス!』と言われると、私は途端にできなくなる(笑)。なぜなのかは分からないのだけど、本当にそうなの。不思議でしょう。だからどうやら私がうまく踊るためには、舞台に流れている空気に染まることが大切みたい」

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 では、ノイマイヤー版の『ロミオとジュリエット』に流れている空気はどんなものかと問うと「愛、そして憎しみと政治」が漂っているという答え。
「1幕では、ロミオとジュリエットの世界は完璧。この世界にはお互いふたりしかいなくて、その他には何も必要がない。目の前にいるロミオを見ると、彼の目を通して自分を見ているのか、彼自身を見ているのか分からなくなる。それぐらい、ふたりはひとり。けれど2幕になると、代々続く家同士の憎しみと政治闘争がふたりの純愛を侵しはじめる。外界が彼らの愛に干渉しはじめる。つまりノイマイヤーはここで愛を必要以上に美化せずに、現実の空気感もきちんと入れ込んだ。だからこそ、とてもリアルで人間的な物語に仕上がっている、すばらしいバレエなのだと思う」
 ジュリエットを踊り終えたあとは「あまりにも役柄に没頭しすぎて、体中が痣だらけになっていることもある」と愛らしく笑うクリスティーナ。無垢で、お転婆で、純心で、一途な、とてもジュリエットらしいジュリエットに出逢えそうだ。


岩城京子(演劇・舞踊ライター)
photo:David Amzallag

お待たせしました!
岩城京子さんがコペンハーゲンで取材してきてくださった、ダンサーたちのインタビュー連絡がいよいよスタートします!
初回は、「ロミオとジュリエット」に主演するウルリック・ビヤケァー。「ロミオとジュリエット」の舞台写真を見たときに、"ポートレートよりずっと美しい青年なのでは・・・"と密かに思っていたのですが、今回インタビュー写真が届いたときにそれを確信しました。そして、岩城さんの原稿を読んで、彼の舞台がますます楽しみになったのでした。


●ウルリック・ビヤケァー インタビュー

09-03.20iwaki02.jpgプロコフィエフの奏でる至愛の音色があたたかな真昼の稽古場に流れる。ロミオに扮するは弱冠24歳のウルリック・ビヤケァー。芸術監督ニコライ・ヒュッベが「素晴らしく清潔で細やかなテクニックの持ち主」と絶賛するとおり、一瞬も表情が失せることのない手先足先で音楽をつむぎ、かの有名な寝室のパ・ド・ドゥを舞う。「姉の付き添いでオーディションに行ったら自分が受かってしまった」という天のいたずらから、6歳でデンマーク・ロイヤル・バレエ学校に入学して以後18年。彼はコペンハーゲンにある劇場を一度も離れたことがない。だが「十代のときは好奇心から友達数人と連れだって夏ごとに、パリ・オペラ座バレエ学校や、ロイヤル・バレエ・スクール、ニューヨークのSAB(スクール・オブ・アメリカン・バレエ)などに短期レッスンを受けにいった」と語るように、よく見ると彼の踊りでは様々なスタイルの長所が渾然一体となっている。
 また尊敬するダンサーとしてマニュエル・ルグリやアリーナ・コジョカルの名をあげるように、彼は「テクニックと知力と音楽性を融合させること」こそが優れたダンサーの条件だと語る。
「もう少し説明を加えるなら、良いダンサーがより良いダンサーになるためには"ダンスしつづけること"が大切----。なにを馬鹿みたいに当たり前のことを、と思うかもしれないけれど。知性を生かしつつ、音楽と楽しく戯れながら、ダンスしつづけることのできる踊り手は本当に一握りしかいない。たいがいの踊り手は美しいポーズを完璧にこなすことばかりに躍起になって、音楽と戯れてダンスする、という感覚を忘れてしまう。でもよく訓練されたテクニックで美しいポーズをこなせることは、バレエダンサーとしての最低条件。問題はそこから先、どう自分らしい踊りを作っていけるかでダンサーの質は決まる」

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 自分らしい踊りを作るためには「客観性」が大切だ、とも彼は続ける。
「ダンスという行為は、とてもパーソナルな感情から生まれる。だからこそ誰もが、自分の信念に基づいて踊るべき。そうしなければ観客に踊りの心が届かない。けれどそれと同時に、2000人の観客を納得させるだけの客観的な分析力も必要。僕は自分の長所も短所も、とてもクリアに見ているつもり」
 それでは日本で踊るロミオについて「あなたならではのパーソナルな役柄分析を教えてください」と問うと、とても興味深いアナライズが返ってきた。『ロミオとジュリエット』といえば禁断の愛の代名詞。だが彼はこれを「自由な愛」だと逆説的に発言する。
「ロミオのなかにはつねに"自由"への渇望がある。だから彼は、貴族的で厳格でキャピレットそのものといえるロザラインとは不幸せな恋しか味わえず、自由な魂そのものであるジュリエットに一目惚れしてしまう。彼にとってはジュリエットこそが、自由への扉なんです。けれど彼はティボルトを殺すことで、みずからその自由な愛を壊してしまう。そして大きな悲しみに晒される。けどそれと同時に、彼ははじめてジュリエットと一夜を過ごし幸福感も味わう。だからあの寝室のパ・ド・ドゥでは、悲しみと喜び、別れと絆、本当に一言では言い表せない美しい感情が紡がれているんです」
 再び稽古場−−。目の前で、寝室のパ・ド・ドゥが踊られる。最後の別れ際、今生の別れを告げるかのように、彼はえもいわれぬ熱を秘めた口吻をジュリエットに授ける。ブラボー、あまりの熱演に稽古場から声があがる。東京の劇場でも、このとても大胆な年若きロミオに喝采が送られることを期待したい。


岩城京子(演劇・舞踊ライター)
photo:David Amzallag

トマス・ルンド(「ナポリ」5/15,17主演)

09-03.18.jpg◇生年月日:1974年9月13日

◇出身地:コペンハーゲン

◇身長:174cm


◇ジェンナロの役作りについて。
 私は小さな子どもの頃から「ロミオとジュリエット」と「ナポリ」の両作品で踊ってきています。この2作品と共に成長してきたと言っても過言ではないので、ほとんどの男性パートを暗記していると言えるほどです。アーティストとして向上しながら、同じ役柄を何年も踊り続けるというのは、私にとって絶え間なく成長し続けることでもあります。
こうして繰り返し踊ることは、長い期間に渡ってそれぞれの役柄において、とても詳細な点まで掘り下げる機会を与えてくれました。私は毎年、年を重ねるにつれ、演じる役柄に新しい視点を加えるようにしています。
 どの役作りにおいても、想像力と人間の本質についてよく理解していることが一番大事だと私は信じています。私は実際に日常生活を観察して舞台での役作りに反映させています。そのすることによって現実世界を舞台に反映させることができますし、より真実味のある役柄を観客の皆さんのために演じることができるからです。また実際に、私は何度もナポリを訪れており、そのことでジェンナロという役柄の背景を理解する有益な情報を得ることができました。

◇「ナポリ」の魅力。
ダンスのテクニックと、真実味のある物語の創造こそが観客を一番惹きつけるのではないでしょうか?観客の皆さんに最高の経験をしていただくには、まず皆さんが舞台上の役柄と心が通じ合える必要があります。いかに観客の皆さんを惹きつけ、気持ちを動かすかは、芸術を語るにあたってしばしば問題になる点ですが...。

◇デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力。
デンマーク・ロイヤル・バレエ団はストーリー・テリングの点において、世界でも素晴らしいバレエ団の一つとなることを目指していると思います。観客の皆さんが心を通わせることができる役柄を創造していることなどがその例として挙げられます。私たちは全ての世代を代表する人々が舞台上に集まった、一つの大きな家族でもあります。実際に、多くのダンサーが年齢を重ねながら、より観客の皆さんに納得していただけるような表現能力を身につけ、同じ作品を何度も踊ってきています。

◇日本公演への抱負と日本のバレエ・ファンへのメッセージ。
今回の日本訪問は私にとって11回目となります。日本の食事も大好きですし、日本を訪れるたびにその文化について知ることができるため、再び訪れるのがより楽しみでなりません。今回の日本訪問がこれまでと同様に素晴らしいものになると期待しています。


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「ドン・キホーテ」バジル

ディアナ・クニ(「ナポリ」5/16主演)

09-03.11-00.jpg◇生年月日:1975年3月27日

◇出身地:デンマーク・コペンハーゲン

◇身長:160cm


◇テレシーナの役作りについて。
テレシーナを演じることができて本当にうれしいです。彼女はとても芯の強い女性であると同時にとても寛大で、ジェンナロと愛し合っている幸せな女性でもあります。
テレシーナの大きな変化は第2幕、そこで彼女は彼女自身がかつて感じているとも思わなかった気持ちを感じることになるのです。第1幕と第3幕では、できる限り地に足が着いた人間になりきりたいと思っていますし、第2幕では、彼女が海王ゴルフォを惹きつける魅力を表現していきたいと思っています。
そして何と言ってもテレシーナという役柄を心を込めて演じたいと思っています。

◇「ナポリ」の魅力。
ナポリは特別な雰囲気を持った作品です。それは愛であったり、とても強い信じる心であったり...。観客の皆さんに幸せな気持ちで劇場を後にしていただける作品だと思いますし、日本の皆さんにもそういった楽しく幸せな経験をしていただくために私は何でもするつもりです。

◇デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力。
デンマーク・ロイヤル・バレエ団はとても人間的なカンパニーです。それはやはりブルノンヴィルのバレエからくるものではないでしょうか。彼のバレエはとてもシンプルで、人間的でとてもナチュラルなんです。加えて、バレエ団では小さな子供から、年配のキャラクター・ダンサーまで、多くの世代が一緒に活躍しています。それに私たちにはブルノンヴィル・バレエ以外にもチャレンジしがいのあるレパートリーがたくさんありますからね。

◇日本公演への抱負と日本のバレエ・ファンへのメッセージ。
日本を訪れるのをとても楽しみにしています。私にとってとても素晴らしい経験になると思いますし、日本の観客の皆さんにも「ロミオとジュリエット」「ナポリ」の両方を楽しんでいただきたいですね。


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「ドン・キホーテ」のキトリ

2/28の記事でもお知らせしたように、演劇・舞踊ライターの岩城京子さんが先日コペンハーゲンを訪問。2日間にわたって、日本公演で主演する8人のダンサー全員の取材をしてきてくださいました。
ダンサーのインタビューを中心に岩城京子さんのコペンハーゲン取材記事を連載してまいりますが、初回はデンマーク・ロイヤル・バレエ団の本拠地である"デンマーク王立歌劇場探訪記"を岩城さんが撮影してきてくださった写真とともにお届けします。


●デンマーク王立歌劇場探訪記

劇場正面を仰げばデンマークを代表する詩人二人の銅像が威風堂々と鎮座し、劇場横の小道に足をむければ<オーギュスト・ブルノンヴィル・パサージュ>という路名が誇らしげに掲げられている。伝統と、歴史と、芸術の殿堂。デンマーク・ロイヤル・バレエ団の拠点であり、同時にロイヤル・オペラ、ロイヤル・オーケストラ、ナショナル・ドラマの本拠地でもある御年261歳の王立デンマーク劇場は、建物内に足を踏み入れるまえから訪問者をやや緊張でこわばらせる。
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ぎぎぎぎぎと古めかしい音を立てて開く、古代迷宮への誘いのような楽屋口の重厚な青銅扉。その扉の先には、いまだロココ調の豪奢な衣服をまとった貴族が暮らしているのでは。と、その門構えからバカげた妄想さえ抱いてしまう。実際のところはもちろん、扉の向こうにはラップトップを駆使して敏速に仕事をこなす現代人の毎日が。ただ通常のオフィスと大きく異なるのは、各部屋に住まう色彩豊かな住人たち。オペラ歌手、オーケストラ奏者、バレエダンサー、バレエ学校の生徒たち、コスチュームデザイナー、技術部の職人、マネージメント部の人々と、劇場文化に関わるすべての人間が、アリアの歌声とポアントの靴音と衣装を縫うミシン音が愉快に響きあうなか、一個の大家族のようにひとつ屋根の下で働いている。

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筆者取材時は、ちょうどお昼どき。時差惚けさましのエスプレッソをもらおうと冬の太陽がおだやかに差し込む1階カンティーン(食堂)を訪れると、ちょうど午前の日課稽古が終わったダンサーたちが食後の歓談にふけっている。「あそこのシーンのリフトはさ......、あのマイムのときの腕使いはさ......」。漏れ聞こえてくる会話は、まさにプロのダンサーならでは。
さてカフェを飲んで一息ついたあと、いざ、1階から最上階の5階までをまわる劇場内ツアーに踏み出す。まずは施設内に点在する、大小さまざまなリハーサル室を覗かせてもらうことに。案内人がいなければ迷子になる複雑なラビリンスのような階段を上がり下がり、過去数十年に渡る公演ポスターや、巨匠ブルノンヴィルや劇詩人ホルベアの肖像画が貼られる廊下を歩きつづけ、ようやくメインリハーサル室に辿りつく。なかを覗くと、開幕を間近に控えた『B for Balanchine』の稽古中。稽古場前のフリースペースでは、出番を待つダンサーたちや、打ち合わせを終えたスタッフたちが、天窓からふりそそぐ朗らかな太陽光を浴びながら飾らない会話を楽しんでいる。置かれている家具がちぐはぐなのはご愛嬌。「舞台美術として以前用いたものを、リサイクルして使っている」のだとか。

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次に訪れた中稽古場では、バレエ団の専属ピアニストが自主稽古中。モダンな北欧デザインのペンダントランプが下がり、壁には、またしても御大ブルノンヴィルの胸像。取材したダンサーたちが口々に「ここにいるとデンマークバレエの歴史が自然と見に沁みこんでくる」と言っていたけれど。確かに、毎日こんな環境で暮らしていたら知らずのうちに歴史を自分の一部として吸収していくだろう。

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そもそもここのダンサーたちは、6歳の生徒時分から70歳の熟練キャラクター・アーティストになるまで、純国産培養のエリート芸術家として、生涯同じ建物内で生きつづけられる。この施設内にはバレエ団設備の他に、世界で唯一、バレエ学校と国立小学校と学生寮が併設されているからだ。そこで、子供たちによるカラフルな自作絵が飾られる渡り廊下を通りぬけ、学業施設が集中するという区画に案内してもらう。たんぽぽ色やバラ色に塗られた壁が愛らしいエントランス。小ぶりな廊下の書棚には、大小様々な本が並べられる。

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通りかかった教室では、算数の授業が進行中。みなあまり算数は好きではないのか、アジア人の記者が覗きに来たのを見つけると授業をほっぽらかして近づいてくる。ちなみにこの学校施設で学ぶのは6歳から16歳までの男女。国語、算数、歴史といった基礎科目のほか、バレエ史、ピラティス、解剖学といった将来の職業に直接結びつく特殊科目までみっちり学ぶ。
とはいえ学内には、一分一秒ムダにすまいと息詰まるような空気は流れていない。むしろその逆で、気風はのんびり。遊び部屋、パソコン部屋、などというものまで用意され、街が一望できる屋外テラスにはバスケットボールリングも設置されている。授業料はすべて国費でまかなわれ、無料。こうして国内随一のダンスエリートたちは、恵まれた環境で、文武両道の最上級の教育を授かり育てられていくのだ。

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夕刻。授業を終えた生徒たちが、バレエ団の稽古風景を覗きにくる。その眼差しはとても真剣。こうして未来のバレリーナたちが現在のトップダンサーを憧れの目で仰ぎ見て、そのトップダンサーたちの稽古場の壁にはブルノンヴィルの肖像画が飾られる。過去、現在、未来----。ひとつの家族の血筋が絶えることなく脈々と続くように、ここでは歴史の根と未来の芸術家たちの果実が無理なく一本の幹でつながっている。この白亜の殿堂でのおだやかな毎日の連続が、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の豊かな歴史を今日も織りなしつづけている。


岩城京子(演劇・舞踊ライター)

ティム・マティアキス(「ナポリ」5/16主演)

09-03.05-00.jpg◇生年月日:1978年12月6日

◇出身地:スウェーデン生まれ。
スウェーデンとギリシャで育ちました。

◇身長:172cm

◇ジェンナロの役作りについて。
役柄を創り上げる作業はいつもワクワクします。今度日本公演で僕が演じる「ナポリ」のジェンナロを例にすると、まず貧しい漁師であり、また深く恋に落ちている幸せなイタリア人男性であるという、彼の役柄を形成する明確な情報があるわけです。僕はこういった情報から、さらにその役柄を掘り下げることが好きなんです。ジェンナロのリハーサルを行った際に、最初に捉えたイメージより、彼がより寛大で、詩的な人物であると僕の目には映りました。おそらくそれは、僕の性格が僕の名前(マティアキス)から連想されるイメージよりも穏やかな性格だからかもしれませんが...。
僕は、演じるキャラクターの中に自分自身を見つけることができなければ、舞台上で誠実に演じることができないと信じています。舞台上では誠実さ以上に大切なことはないと僕は思います。それが、人々に自分自身を信じてもらうこと、その演じる役柄をも信じてもらうことにつながる唯一の方法だからです。だから僕はイタリアの漁師の陽気な気性とテレシーナへの一途な愛、そして失った彼女を追い求めるという絶望、これを詩的な雰囲気で表現するということを守り続けています。それがいろいろな異なる感情を同時に持ち合わせている人間というものだと思っているので。
『ナポリ』全幕を演じたのは少し前のことなので、また全てのプロセスに取り組み、役柄や踊りからさらに何がみつけられるのか楽しみです。ニコライ・ヒュッベと一緒に仕事をするのはきっとすばらしい経験になることでしょう。芸術監督であると同時にかつて僕と同じ役柄を踊ったダンサーでもあるので、きっと多くの情報を与えてくれると思います。僕にとって準備を入念に行うことは、一番重要な要素です。舞台へ上がる前に、テクニック、役柄について探求すればするほどためらわずに自由に演じることができますし、また実際にステージに全力を持って飛び込み、その役柄として舞台で生きることができます。

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「ナポリ」のジェンナロ


◇「ナポリ」の魅力。
僕にとって、自分自身を観客の立場に置くことは難しいです。というのも、純粋に舞台を楽しむため、感動するためというより、勉強しにいく気持ちで観に行くことが多いからです。でも観客の皆さんには、それがライブで行われる舞台であること、皆さんの目の前で実際に行われるという点が魅力となっているのではと思っています。その性質上、すべての舞台は以前のものとは異なるはずですし、1世紀の間繰り返し上演されているレパートリーにもかかわらず、観客の皆さんを再び劇場へ向かわせるのはダンサーそれぞれの役柄の解釈ではないでしょうか。もちろん身体的にも新しいアイデアや現代の振付家の新しい表現方法なども魅力的なポイントだと思います。もしくは単純に踊るというのは人間の遺伝子の中に組み込まれているものだから、踊れなくても見たいと思うのではないでしょうか。

◇デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力。
デンマーク・ロイヤル・バレエ団はみなさんご存知の通り、とても長い伝統を持ったカンパニーです。外国人として訪れると、この伝統について気づかされます。とはいえ、強制的にではありませんが。バレエ団のダンサーたちは付属のバレエ学校で教育を受けていますし、キャラクターダンサーたちはこの劇場で長年働いてきています。指導者の方々もここの伝統を愛し、まず第一に学んでほしいと思っているのです。そしてその伝統を味わうことでゆっくり恋に落ちていき、そして最後にはそれを引き継ぐことになるのですが...。
デンマーク・ロイヤル・バレエ団はその立場に甘んじることはありません。素晴らしい振付家たちを招き、新しい作品を生み出していますし、それが踊りの限界を次世代へと広げると同時に世界中の多岐に渡るレパートリーとなっているのです。

◇日本公演への抱負と日本のバレエ・ファンへのメッセージ。
今回の日本ツアーが僕にとって初めての日本訪問になります。今まで所属した2つのバレエ団(スウェーデン・ロイヤル・バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団)では、僕が入団した際にはちょうど日本公演を終えたところか、僕の退団後すぐに出発したといった感じだったので。そのため、日本はずっと訪れたいと思っていた国でした。高度な先進技術で知られている国ですが、その文化、宗教、料理、お茶、そして私たちが生きる現代社会においての役割について興味があります。日本滞在中にはすべてを経験してみたいと思っています、できればカラオケにも行ってみたいですね。
日本のバレエ・ファンのみなさんについては、素晴らしいことしか聞いたことがありません。皆さんのバレエへの愛と情熱は世界でも良く知られています。日本へ行くのが今から待ちきれません、世界に知られる皆さんのバレエへの情熱と同じように私たちを迎えていただければと思っています。


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「エチュード」のエトワール

先日来日した芸術監督のニコライ・ヒュッベが、日本のバレエファンへのメッセージを残してくれました。
ヒュッベは「ウェストサイド物語」のリフ役で歌も披露したことがあるとか。それがうなずける魅力的な声の持ち主なのです。



【日本語訳】
デンマーク・ロイヤル・バレエ団を代表して、もちろん私自身、今度の日本公演をとても楽しみにしていることをお伝えしたいと思います。海外への旅はいつもワクワクしますが、デンマーク・ロイヤル・バレエ団はこれまで何度も日本を訪れ、いつも日本の観客の皆さんにとても温かく迎えていただいています。カンパニー一同、こうしてまた日本に戻ってこられることをとてもうれしく思っています。
皆さんの前でパフォーマンスを行うのが今からとても楽しみです。

「ロミオとジュリエット」の新着写真第3弾です!ジュリエットを演じる、クリスティーナとフェムケの輝かしいばかりの美しさ!ご覧ください。


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クリスティーナ・ミシャネック&セバスティアン・クロボー


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フェムケ・メルバッハ・スロット&ウルリック・ビヤケァー

「ロミオとジュリエット」は写真だけでなく、近日中にミシャネク&セバスチャンの最新映像が到着する予定です。
ここでちょっと裏話を。
映像が到着次第、なるべく早く編集作業を進めてこのBlogでご覧いただきたいと思っておりますが、ヨーロッパから届く映像はほとんどがPAL形式のため、まずNTSC形式への変換が必要なのです。これにちょっと時間がかかったりします。そして、なるべく元の画質でご覧いただけるように変換してもらってはいるものの、思わぬ箇所にノイズが発生したりしていて、「このシーン使いたかったのに、使えない・・・」ということもしばしば。今度届く映像はベストシーンすべてをご覧いただけるといいのですが。
もうひとつお知らせが。シュツットガルト・バレエ団のBlogでもお馴染みの岩城京子さんが先日コペンハーゲンを訪問し、バレエ団の取材をしてきてくださいました。こちらも近日中にダンサーたちのインタビュー連載をスタートする予定。
9年ぶりの日本公演開幕まで2ヶ月半。開幕に向けて、このBlogもますます充実させていきますので、引き続きご愛読ください!

 5月に日本公演を果たすデンマーク・ロイヤル・バレエ団より、芸術監督のニコライ・ヒュッベが来日。2月23日、東京・代官山のデンマーク大使館にて催された記者懇親会に、9年振りとなる日本公演と、今シーズンに故郷のこのバレエ団の芸術監督に着任したばかりのヒュッベに期待を寄せた、多くのマスコミ関係者が出席しました。

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 まず、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の260年以上にわたる歴史に触れ、「その歴史に最も大きな影響を与えたのは、1830年代に芸術監督を務めた偉大振付家、オーギュスト・ブルノンヴィルです」と穏やかに語り始めたヒュッベ。「パリ・オペラ座などでは多くの古い作品が失われていますが、デンマーク・ロイヤル・バレエ団は、現在に至るまで9〜10ものブルノンヴィル作品を上演し続けています」と、その伝統を強調しました。
 また、日本公演で上演されるブルノンヴィル作品『ナポリ』のあらすじに触れ、「彼の作品には、いつも"善"であらねばならぬという哲学がある。彼が大事にしたのは、真の愛であり、良きクリスチャンであることで、明るく、善でいられるときにこそ作品を創ることを信条とした。ですから彼の作品はたいていハッピーエンド。アメリカ映画のようにね(笑)」と解説。続けてもう一つの作品、ジョン・ノイマイヤー振付『ロミオとジュリエット』を紹介し、「ノイマイヤーは、ブルノンヴィルとは全く異なる時代の芸術家ですが、両者とも素晴しいストーリーテリングを実現している。『アフリカの日々』などの作品で知られるデンマークの著名な作家、カレン・ブリクセンは、 "私はストーリー・テラーである"と言っていますが、デンマーク・ロイヤル・バレエ団は、まさにストーリー・テラー。物語を、ムーヴメント、身体に翻訳する能力に長けた、素晴しいカンパニーです」と、バレエ団の魅力をアピール。

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 質疑応答で今後の方向性についての質問があがると、「デンマークは優れた男性ダンサーを輩出することで知られていますが、今後は女性のスキル向上にも力を入れます。もう一つは、国際化。外国からのダンサーをもっと受け入れ、彼らに私たちの伝統を学んでもらうと同時に、自国のカルチャーも出してもらいたい。これには批判もありますが、私は、皆にダンサーとしての幅をもっと広げてもらいたいのです」。周囲に配されたデンマーク製の美しい家具を指しながら、ブルノンヴィルを「素晴しい大工であり、天才的な職人」と讃える場面も。
 終始和やかに、ゆっくりと言葉を選びながら語り続けたヒュッベ。5月の日本公演では、ブルノンヴィルの伝統の継承者としての、そのストーリー・テラーならではの素晴しい舞台に期待したいところです。

取材・文:加藤智子

ティナ・ホイルンド(「ナポリ」5/15,17主演)

09-02.25-00.jpg◇生年月日:1972年12月16日

◇出身地:デンマーク・コペンハーゲン

◇身長:165cm


◇テレシーナの役作りについて。
テレシーナの性格はとても明快です。彼女はとても芯が強く、感情の起伏が激しく、地に足がついた性格であり、ジェンナロと深い恋に落ちています。また、彼女は神への深い信仰を持っています。私はこれらのテレシーナの特徴を私自身の性格から見つけ出し、役柄に反映させたいと思っています。
(ジェンナロを踊る)トマスとはこれまでにも多くの作品で共演してきましたが、日本公演の前も綿密なリハーサルを行って日本に向かいます。

◇「ナポリ」の魅力。
きっと皆さんはこの物語(「ナポリ」)の持つ「信じること」、「希望」、「愛」というロマンティックな側面を楽しんでいただけると思います。そしてきっとダンスのすばらしさに圧倒されのではないでしょうか。

◇デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力。
デンマーク・ロイヤル・バレエ団は偉大な伝統と多彩なレパートリーを誇るすばらしいカンパニーであるからこそ、私たちは常に挑戦し続けなければなりません。またバレエ団が子供から、経験を積んだキャラクター・ダンサーから成り立っていることも、伝統を守り続けていく責任を与えてくれます。

◇日本公演への抱負と日本のバレエ・ファンへのメッセージ。
日本に行くのがとても楽しみです!これまでも日本ツアーに参加していますが、いつもとっても楽しんでいます。日本の皆さんにも私たちの公演を楽しんでいただきたいです!


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「ドン・キホーテ」のキトリ (photo:Henrik Stenberg)

今シーズン(2008/2009)から、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の芸術監督を務める、ニコライ・ヒュッベが昨日来日。9年ぶりとなる5月の日本公演に向けて、デンマーク大使館での記者懇親会に臨みました。
今回のヒュッベの来日は、日本滞在時間26時間(!)というハリウッドスター並みの超ハードスケジュール。日本到着4時間後に行われた記者懇親会では、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の歴史から現在の状況、日本公演で上演される「ナポリ」、「ロミオとジュリエット」のみどころなどを、この懇親会に集まった20人を超える日本のジャーナリストに丁寧に説明。伝統あるバレエ団を任された若き芸術監督の"伝統を守りつつ、新しい風を入れたい"という言葉が印象的でした。

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懇親会レポートおよび、ヒュッベの動画メッセージは近日中に、このBlogでご紹介いたしますので、お楽しみに。

フィムケ・メルバッハ・スロット(「ロミオとジュリエット」5/23主演)

09femke_moelbach_slot.jpg◇生年月日:1978年6月8日

◇出身地:デンマーク

◇身長:168cm


◇ジュリエットの役作りについて。
リハーサルは、まず、小さいグループで踊ることから始めます。ソリストとコール・ド・バレエがそれぞれ異なるスタジオへ入り振付を学び、そしてその2つのグループを合わせて全幕を通してスタジオで稽古を行います。それから舞台へ上がり、衣裳、照明と合わせてリハーサルを行います。今回はとても幸運なことに、「ロミオとジュリエット」の振付家のジョン・ノイマイヤー氏が再びバレエ団を訪れ、最終リハーサルをみてくださったんです。
私は自分が踊る役柄において、直感的に取り組みます。振付と音楽に身をまかせ、自分の役柄を見つけていきます。このような方法を取ると、役柄は私の一部となり、ただ単に"演じている"以上のものになります。また、舞台上では周りのダンサーはもちろん、パートナーからも多くのインスピレーションをうけます。

◇ノイマイヤー版「ロミオとジュリエット」の魅力。
ノイマイヤー版の「ロミオとジュリエット」はそのリアリズムとドラマが多くの人々を引き付けてやまないのでしょう。プロコフィエフの音楽、ユルゲン・ローズによる舞台セット、そしてもちろん振付がユニークな劇場体験へと誘ってくれるのだと思います。

◇デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力。
バレエ団の伝統とダンサー同士の温かい雰囲気がやはりデンマーク・ロイヤル・バレエ団で踊る楽しさの理由の一つでしょうね。この楽しさというのは、観客の皆さんにも舞台を通じて感じてもらえるものだと思います。

◇日本公演への抱負と日本のバレエ・ファンへのメッセージ。
私は日本食と日本の飲み物が大好きなので、今度のツアーを凄く楽しみにしています。日本のファンの皆さんには、ぜひ私たちの公演を楽しんで、感動していただきたいです。


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「オネーギン」のオリガ

「ロミオとジュリエット」の新着写真紹介第2弾はこちらの2枚!


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クリスティーナ・ミシャネック&セバスティアン・クロボー(photo:Per Morten Abrahamsen)


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フェムケ・メルバッハ・スロット&ウルリック・ビヤケァー(photo:Per Morten Abrahamsen)

ウルリック・ビヤケァー(「ロミオとジュリエット」5/23主演)


09.02.10.jpg◇生年月日 1985年9月23日

◇出身地 デンマーク・コペンハーゲン

◇身長 187cm


◇ロミオの役作りについて。
役作りのために、シェイクスピアの原作を読み、またインスピレーションを得るために、過去に上演した際のビデオなども見ました。さらにステージ上のほかのダンサーとの対話の中で役柄を作り上げて生きます。こういったことを役作りの糧にするのです。

◇ノイマイヤー版「ロミオとジュリエット」の魅力。
ジョン・ノイマイヤー「ロミオとジュリエット」は人間の魂のいろいろな側面を描き出した本当に美しいバレエだと僕は思います。そこには技術、感情、演技、心理、そして特別な宇宙のような感情があります。まるで漫画の世界のようです。

◇デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力。
デンマーク・ロイヤル・バレエ団はとても古いカンパニーです、つまり長い歴史と経験を持つ、大きな組織であるということです。加えて、バレエに対しても人間的なアプローチをもって取り組むので、演劇性や現実性の感覚を私たちの舞台にもたらしていると思います。

◇日本公演への抱負と日本のバレエ・ファンへのメッセージ。
日本を訪れるのをとても楽しみにしています。以前、名古屋に行ったことはありますが、東京や兵庫は今回が初めて。僕自身、日本の文化や人々にとても深い尊敬の念をもっているので、今からとても楽しみにしているんです。多くのすばらしいものが日本からデンマークにきていますが、今回のデンマーク・ロイヤル・バレエ団の公演が、少しでも日本の皆さんが世界にもたらしてくれたインスピレーションへのお返しとなればと心から思っています。


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「エチュード」より

以前のエントリー記事でもお伝えしたように、現在デンマーク・ロイヤル・バレエ団の本拠地、デンマーク王立歌劇場では、「ロミオとジュリエット」を上演中です。
主演は日本公演と同じく、クリスティーナ・ミシャネク&セバスティアン・クロボーとフェムケ・メルバッハ・スロット&ウルリック・ビヤケァー。
本日、撮影したばかりの2組のペアの写真が届きました!とてもドラマティックな写真が各3枚。写真を見るだけで、舞台への期待が高まってきます。
まずは各ペア1枚ずつご紹介します。



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クリスティーナ・ミシャネク&セバスティアン・クロボー(photo:Per Morten Abrahamsen)



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フェムケ・メルバッハ・スロット&ウルリック・ビヤケァー(photo:Per Morten Abrahamsen)

クリスティーナ・ミシャネック(「ロミオとジュリエット」5/22,24主演)

09-02.02.jpg◇生年月日:1984年12月28日

◇出身地:デンマーク・コペンハーゲン

◇身長:172cm


◇ジュリエットの役作りについて。
まず始めに、振付家のノイマイヤーがいかにジュリエットを描いているか捉え、そしてシェイクスピアがいかに彼女を描き出したかを学び、「ロミオとジュリエット」の物語を舞台に反映させるようにしました。そして、想像力を働かせて、彼女自身になりきって踊れるようにしました。
まずは自分が演じるそのキャラクターを愛さなければなりません。さもないと、真実味のある舞台にはなりませんから。特に自分自身が絶対に行わない行動を舞台上で演じる時は...。もし私がその役柄を信じなければ、誰一人信じてくれるはずはないからです。そしてもちろん、私を指導してくださる先生方ともそれぞれの場面の背景となっているものについて意見を交わします。リハーサル・スタジオでのこうした相互対話がとても重要だと思います。

◇ノイマイヤー版「ロミオとジュリエット」の魅力。
第一にそのストーリーです。すばらしいラブストーリーに勝るものはありません。この「ロミオとジュリエット」の物語には、本当の恋に落ちた2人がいて、そして2人を分かつ何らかの障害があり・・・そして、ロミオとジュリエットの愛というのが長年の憎しみや争いに打ち勝つわけです。
第二に、その視覚的な美しさです。舞台セット、動きそして音楽、踊りが一緒になって、あなたの目、耳、心で感じていただけるはずです。

◇デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力。
デンマーク・ロイヤル・バレエ団は強い個性を持つダンサーが集まったカンパニーです。そのため、私たちはこのような様々な感情を内包する壮大な物語バレエを上演することができるのです。

◇日本公演への抱負と日本のバレエ・ファンへのメッセージ。
初めて、日本を訪れるので、今からとても楽しみにしているんです。これが最後にならなければいいのですけど(笑)。


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"ASKEPOT"より photo:Martin Mydtskov Rønnep

お待たせしました!
デンマーク・ロイヤル・バレエ団日本公演で主演する8人のダンサーのメール・インタビュー連載をスタートします!
第1回は「ロミオとジュリエット」でロミオを演じるセバスティアン・クロボー。
両親がデンマーク・ロイヤル・バレエ団の前芸術監督フランク・アナセンとバレエ・ミストレスのエヴァ・クロボーという、バレエ界のサラブレットとして生まれたセバスティアンは、入団1年目で振付家ジョン・ノイマイヤーによってロミオに指名されました。その後も着実にキャリアを重ね、階級はコール・ド・バレエながらソリストの役を任されているセバスティアン。今回の日本公演でもっとも注目を集める22歳(!)の新進スターです。


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セバスティアン・クロボー(「ロミオとジュリエット」5/22,24主演)


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◇生年月日 1986年6月23日

◇出身地 デンマーク・コペンハーゲン

◇身長 186cm


◇ロミオの役作りについて。
僕自身をロミオの立場に置き、彼の最後の4日間を生ききるつもりでいます。ロミオはとても若く、僕にとって一番大事なことは観客の皆さんにその若いロミオを理解し、共感していただくことです。2つ目に大事なことは、ロミオとジュリエットが経験する愛と感情の高まりを異なるパ・ド・ドゥで表現することです。そして3つ目は、観客の皆さんに思いがけない方法で感動を与えることです。それは笑っていただくことでもあり、そしてもちろん泣いていただくことでもあります。もし客席からすすり泣きの声を聞くことが出来たのなら、僕の役作りはあっていたのだと思います。

◇ノイマイヤー版「ロミオとジュリエット」の魅力。
僕にとってジョン・ノイマイヤーの『ロミオとジュリエット』は"イチバン"なんです。ストーリーはもちろんのこと、振付からそのドラマ、ユルゲン・ローゼによる舞台セット、衣裳に至るまで、すべて信じられないくらい素晴らしい! ですから、多くの皆さんにこのバレエを観ていただきたいと思っています。

◇デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力。
素朴さ、気楽さ、そして愛があるカンパニーです。

◇日本公演への抱負と日本のバレエ・ファンへのメッセージ。
僕は何度か日本を訪れたことがあるので、今度のバレエ団の日本ツアーが素晴らしいものになることはわかっています。日本のバレエ・ファンや観客の皆さんのバレエへの愛情や期待がとても高いと知っています。ですから、日本に戻るのが今から待ちきれません!!

デンマーク・ロイヤル・バレエ団では、明日(1/24)から「ロミオとジュリエット」の公演が始まります。日本公演でロミオとジュリエットを演じるクリスティーナ・ミシャネック(ジュリエット)&セバスティアン・クロボー(ロミオ)、フェムケ・メルバッハ・スロット(ジュリエット)&ウルリック・ビヤケァー(ロミオ)が主演する予定とのこと。近日中に、フレッシュな二組の舞台写真が届く予定ですので、お待ちください!


さて、その「ロミオとジュリエット」に続き、今回は「ナポリ」のハイライト映像をお届けします。
キャストは日本公演(東京)の初日と3日目で主演する ティナ・ホイルンド(テレシーナ)とトマス・ルンド(ジェンナロ)。ブルノンヴィル・スタイルを知り尽くした二人の名演をお楽しみください。

年明け早々、デンマーク・ロイヤル・バレエ団からは、さまざまな公演資料が届いています。
昨年末にお願いしていた、主演予定ダンサー8名へのアンケート・インタビューの回答やそれぞれのダンサーの舞台写真などなど・・・。これらの資料を元に、来週から主演予定ダンサーを一人ずつご紹介していく予定ですが、ざっと回答を見たところ、カンパニー全員が9年ぶりの日本公演を心待ちにしていること、そして自分たちのバレエ団を誇りに思っていることがうかがえます。来日機会も少なく、日本ではほとんど情報がないダンサーたちの生の声をお届けしてまいりますので、楽しみになさっていてください!

そして、お待たせしました! 「ナポリ」、「ロミオとジュリエット」の舞台映像も到着しました。まずは「ロミオとジュリエット」をストーリーに添って3分間にまとめたハイライト映像をお届けいたします。作品の持つ瑞々しい魅力をお楽しみください。



*映像のキャストは日本公演の予定出演者とは違っております。

2009年5月に9年ぶりの来日を果たす、デンマーク・ロイヤル・バレエ団。
このページでは、ダンサーのインタビューや舞台写真、日本公演で上演される作品の見どころなど、デンマーク・ロイヤル・バレエ団の魅力をたっぷりとお伝えしていく予定です。
開幕まで、どうぞご愛読ください。


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「ナポリ」第3幕より photo:Martin Mydtskov Rønne

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