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2008/12/24
マラーホフからのメッセージ

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新春1月8日に開幕する、東京バレエ団「眠れる森の美女」の公演を前に、この作品の振付・演出を手がけ、デジレ王子とカラボスの2役を演じるウラジーミル・マラーホフよりメッセージが届きました。
彼の演じるカラボスについてのミニインタビューも合わせてお届けします。



ウラジーミル・マラーホフ 
「眠れる森の美女」再演に向けてのメッセージ


 日本で再び、僕が振付・演出した「眠れる森の美女」を上演できること、そして、熱意をもって僕のプロダクションに取り組んでくれている東京バレエ団の団員の皆さんと共演できることに興奮を覚えています。

 今回、デジレ王子だけではなく、カラボス役を日本の皆さまに披露させていただけるのも僕にとって特別な機会だと思います。デジレ王子とカラボスというまったく違った役柄を日替わりで踊れるのはとても素晴らしいことです。 "プリンス"の呼び名はもちろんとても嬉しいものですが、日本の観客の皆さまに僕を別の視点で見ていただけることを心から喜んでいます。

心からの愛をこめて。

ウラジーミル・マラーホフ

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マラーホフの語る"カラボス"
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 この世では、ほとんどすべてが素晴らしいことばかりだったとしても、どうしてもうまくいかないことやアクシデントもある。必ずといっていいほど、カラボスのような障害が現れるのです。僕の「眠れる森の美女」ではリラの精を、オーロラ姫を幼少の頃から100年後の結婚式まで一貫して守り続ける存在として、反対にカラボスをオーロラ姫の人生に起こる障害として描きました。二人は、素晴らしいことが起きる一方で悪いことも起こるという、この世の普遍の象徴なのです。

 もちろん、"善"は常に勝利します。でも、その"善"へと至る過程の中に、何事をも守ってくれるリラの精とそれを邪魔するカラボスという二本のラインをはっきり浮かび上がらせようと試みたのです。だからカラボスは敗れても死なず、華やかな結婚式を邪魔するために、最後の場面にまで登場するのです。



photo:Enrico Nawrath