英国ロイヤル・オペラ 2015年日本公演

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「ドン・ジョヴァンニ」ツェルリーナ役のレージネヴァが来日、圧倒的な超絶技巧で話題に。

インタビュー・レポート 2015年3月 3日 12:16

 今秋のロイヤル・オペラ日本公演『ドン・ジョヴァンニ』でツェルリーナを演じる新進ソプラノ、ユリア・レージネヴァが、先ごろ、神奈川県立音楽堂のバロック・オペラ「メッセニアの神託」に出演し、会場を沸かせた。



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 彼女が演じた役
トラシメーデは、いわば準主役なのだが、圧倒的な聴かせどころとなる超絶技巧アリアが与えられている。第2幕で彼女がこの曲を歌い始めると、観客の誰もがずんずんと引き込まれていくのがわかったし、歌い終わった途端に「ブラボー!声。アンコールが行われるまで途切れないのでは?と思うほど、長い拍手が続いた。そしてさらに、この幕が終わった休憩時間には、会場ロビーのCD売り場に人々が殺到。今聴いた、レージネヴァの歌うアリアが入った全曲アルバムが飛ぶように売れていった。誰もが、もう一度聴きたい!という衝動に駆られずにはいられない、それほど凄い歌唱だったのだ。

 ユリア・レージネヴァは、サハリン生まれの24歳。17歳のときにエレナ・オブラスツォワ国際コンクールで優勝し、国際的な注目を集めた。以後、ファン・ディエゴ・フローレスとのロッシーニ、プラシド・ドミンゴとのヘンデルなどをはじめ、錚々たる先輩歌手と共演も果たし、ニューヨーク・タイムズでは"天使のように美しい声"、オペルンヴェルト誌では"澄んだ音色"、ザ・ガーディアン紙では"完璧なテクニックの持ち主"と評されてきた。まさに世界中の期待が寄せられている若手ソプラノである。

この公演に先立つインタビューでは、歌うことが楽しくて仕方がない、という表情と言葉が溢れた。『ドン・ジョヴァンニ』のツェルリーナを演じることについては「若くて、可愛くて(笑)、お友達に囲まれて私は花嫁になるの、幸せなのよ、っていうところが、私にぴったり!」とお茶目な笑顔を見せる。愛らしさと驚異的な歌唱力で観客をノックアウトするに違いないレージネヴァのツェルリーナ。来る6月に英国ロイヤル・オペラでのデビューの後、日本へとやって来る。

(吉羽尋子 音楽ライター)

 

撮影:堀田力丸

 

 

*インタビューはNBSニュース4月号にて紹介します。


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