グルベローヴァさん、ありがとう!

 去る11月4日、ウィーン国立歌劇場日本公演の最終公演『アンナ・ボレーナ』は、主演エディタ・グルベローヴァが、日本でオペラの舞台に立つ最後の公演となりました。すでにこのことが報じられていることもあり、『アンナ・ボレーナ』全3回公演はすべて満員御礼。どの回も終演後は総立ちの聴衆による喝采が沸き起こりました。最終公演終演後のカーテンコールでは、特別に、「我らのディ-ヴァ、エディタさん! 32年間ありがとうございました」と記された横断幕が掲げられ、長く日本の聴衆に素晴らしい歌唱を披露してくれたグルベローヴァさんに感謝の喝采が贈られました。
 この最終公演の2日前に行われた記者会見では、「初来日から32年もの間、日本の聴衆に愛されたことへの感謝を伝えたい」と語ったグルベローヴァ。昨年バイエルン国立歌劇場との来日の際、東日本大震災で被害を受けた子どもたちのために、あしなが育英会の「東日本大震災・津波遺児支援」に寄付を行いましたが、今回も同様に、出演料のうち1万ユーロの寄付を行いました。
 日本での忘れられない思い出は?という質問に、満開の桜の美しさや、歌舞伎鑑賞、奈良や京都の雅を楽しんだことなどともに、「素晴らしいお客さまたち!」と満面の笑顔。
 また、今回の滞在中には、グルベローヴァが「私の音楽人生のハイライト」と語る出来事もあったとのこと。10月29日、皇居に招かれ、皇后さまのピアノ演奏とともに歌うという機会に恵まれたことに、大きな感謝と喜びを表しました。

斎藤友佳理、紫綬褒章受章

 東京バレエ団プリンシパル・ダンサーの斎藤友佳理が、平成24年秋の褒章において、学術や研究、芸術、スポーツなどの分野で活躍した人に贈られる紫綬褒章を受章しました。
 モスクワで受章の報せを受けた斎藤友佳理は、「思いもかけない報せに、本当に驚きました。今日まで育てていただいた先生方、家族、東京バレエ団の皆さま、バレエ関係者の皆さま、そしていつも応援してくださっているファンの皆さまに支え続けていただいたことなどへの感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございます。大怪我からの再起、現役を続けながらの学業との両立……。思い返せば平坦ではない道のりでしたが、バレエ芸術の真髄を求めることへの情熱一筋で生きてきました。この受章を励みに、一層精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いします」と喜びと感謝の気持ちをコメントしています。写真は11月13日の伝達式。

33年間にわたって日本を訪れ続けた
ロイヤル・アカデミー・オブ・ダンシングの名教師
ジェニー・ケルガード死去

 1976年から33年間、毎年のように日本を訪れ、子どもたちや子どもたちを教えるバレエ教師の指導にあたっていたロイヤル・アカデミー・オブ・ダンシングの名教師、ジェニー・ケルガードさんが今年の8月28日、ニュージーランドの自宅にて亡くなったとの知らせが家族から入りました。享年89歳。最後まで現役でした。
 ケルガードさんはいまでは広く知られているロイヤル・アカデミー・オブ・ダンシングの教師として、英国流の体系化された指導法で子どもたちや子どもたちを教える教師の指導にあたり、東京バレエ学校のみならず、日本各地のバレエ教室にも出向いて熱心に指導にあたっていました。ケルガードさんの指導を受けた日本人は数知れませんが、彼女の明るいキャラクターは誰からも愛されました。
 「ジェニーはいつも日本を愛し、訪れるのを楽しみにしていました。生涯をバレエに捧げ、本当に充実した人生を送りました。最後に日本を訪れることができなかったのは残念ですが、日本でのたくさんの思い出とともにジェニーは深い眠りにつきました」とケルガードさんの娘クリスさんは語っています。ご冥福をお祈りします。

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