〈躍進する東京バレエ団 vol.3 The Tokyo Ballet

 昨春の〈ニジンスキー・ガラ〉で踊った『薔薇の精』少女役で脚光を浴びた。両性具有の色香をふりまく薔薇の精(ディヌ・タマズラカル)と夢のなかで踊る。はかなくも愛らしい表情と軽やかな身のこなし。半醒半睡にあるさまが、おのずと浮かびあがる。
 小顔の整った顔立ちと華奢な肢体の持ち主。チュチュがよく似あう。ベジャールの佳品『ドン・ジョヴァンニ』シルフィード役では、白の長いチュチュ姿で現れ、一陣の風のごとく爽やかにステージを駆け抜けていく――。その清々しいこと!
 子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』にて全幕初主演。ういういしさと匂い立つような気品を兼ね備えたオーロラ姫を踊り好評を得た。スリムな体型、甘いマスクの王子役・宮本祐宜ともども見目麗しい。パ・ド・ドゥでは息がぴったりだった。
 現代作品でもバレエ団初演作品に相ついで抜擢。恵まれた身体条件を活かした切れの良い踊りに磨きがかかる。赤丸急上昇中の注目株だ。

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