躍進する東京バレエ団 vol.8 The Tokyo Ballet

 近ごろの東京バレエ団公演を観ると、女性陣のスタイルが一段と美しくなり、洗練を増しているのを実感する。そんな新世代の代表的存在だ。
 見目麗しい顔立ちと均整のとれた肢体を誇る。入団3年目には新人公演『白鳥の湖』のオディールに抜擢。力強く切れのある踊りと艶やかな雰囲気によって鮮烈な印象を残した。
 最近では子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』カラボスで小気味よい悪役ぶりを発揮。ベジャールの『ドン・ジョヴァンニ』での、はつらつとした踊りも心に残る。いっぽう、以前演じた『ジゼル』バチルドでは、立ち姿が凛然と美しく、高貴な貴族らしい立ち居ふるまいが板についていた。幅のある役柄で魅力と個性を開花させている。
 今秋『エチュード』のエトワールを踊る。難度の高い技術と強靭なスタミナ、そして晴れがましいくらいの輝きが求められる大役だ。東京バレエ団のお家芸のひとつのセンターだが不足はあるまい。飛躍の瞬間を見守りたい。

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