創立以来、常に新たな挑戦を続けてきた東京バレエ団。2009年9月には、ついに「ラ・バヤデール」全幕上演を果たします。アメリカン・バレエ・シアターや英国ロイヤル・バレエ団が上演し、世界的な評価を得ているナタリア・マカロワ版への取り組みは、マカロワらの熱のこもった徹底指導により、奇跡ともいわれるほどの充実の舞台に。翌年2月にはフレデリック・アシュトンの「シルヴィア」を初演し、優美で気品溢れるロイヤル・スタイルで客席を魅了、5月には満を持してのぞんだバレエ団初の本格的ドラマティック・バレエ、ジョン・クランコの「オネーギン」初演で高評を博します。2010年7月には、第24次海外公演、ミラノ・スカラ座での「ザ・カブキ」上演をもって、海外公演通算700回という驚くべき記録を達成しました。
 モーリス・ベジャール・バレエ団、そして現代を代表する指揮者、ズービン・メータとの前代未聞のコラボレーションも、バレエ団の歴史における大事件でした。2010年11月に開催された〈奇跡の響演〉です。二つのバレエ団のダンサーたちが入りまじり、メータ&イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で「春の祭典」を上演し、まさにミラクルな舞台に。
 そして、2011年3月の東日本大震災の発生──。多くの海外アーティストが来日を中止するなか、10月には、シルヴィ・ギエムの呼びかけで東日本大震災復興支援チャリティ・ガラ〈HOPE JAPAN〉が実現、これに続くギエムとの全国縦断公演〈HOPE JAPAN TOUR〉では、ギエムの強い希望により岩手、福島でのチャリティ公演も開催、合わせて約2,000万円の義援金を被災地の子どもたちのために寄付することができました。
 2012年には子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」を初演、同年5月には、19年ぶりとなるパリ・オペラ座ガルニエ宮公演で「ザ・カブキ」を上演し、パリの観客を大いにわかせました。翌2013年には、モスクワで指導者としての実績を積んだ斎藤友佳理の指導で「ラ・シルフィード」を上演、若手ダンサーたちに東京バレエ団の重要なレパートリーとその精神が継承される絶好の機会となりました。そして、12月にはギエム主演による「カルメン」で日本のバレエ団初のマッツ・エック作品上演、2014年2月にはバレエ団にとって2作目となるドラマティック・バレエ、ジョン・ノイマイヤーの「ロミオとジュリエット」初演、と新たな挑戦が続きます。これらの舞台では多くの若手ダンサーたちが、振付家の期待に応える活躍をし、バレエ団の輝かしい未来を強く印象づけました。

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