終演後、仮設テントの楽屋にて、カルラ・フラッチ、河野駐イタリア大使夫妻を囲んで。
東京バレエ団の第27次海外公演、ローマのカラカラ野外劇場公演の大成功の模様は別欄にてお伝えしている通りですが、実は野外公演ならではの出来事も! 実はゲネプロと記者会見が行われた公演前日の6月26日は朝から雨、雷も鳴る大荒れの天気となりました。これにより、午後5時からの記者会見は急遽ローマ歌劇場で開催されることに。急遽の変更にもかかわらず、集ったジャーナリストたちに向けて、飯田宗孝芸術監督をはじめ、吉岡美佳、上野水香、柄本弾らが公演への意気込みを語りました。
劇場の人々はこの時期の天候には慣れているからなのか「夜は晴れるから大丈夫」と口をそろえたように、夜のゲネプロが開始するころには舞台も乾き、ダンサーたちは予定通り舞台に立つことができましたが、気温が大幅に下がったことで、ダンサーたちにとっては体調管理という点での難しさを体験することになりました。
劇場では決して味わうことのできない壮大なスケール、悠久の歴史のなかに繰り広げられた東京バレエ団の公演は、観客が総立ちとなる大盛況となりました。海外公演の経験豊富な東京バレエ団のダンサーたちにとっても、この公演はほかにはない、忘れがたい感動を覚えるものとなったようです。さらに、終演後の楽屋には、往年のイタリアの名プリマ・バレリーナで、日本にも世界バレエフェスティバルでたびたび来日したカルラ・フラッチが訪れ、ダンサーたちに賛辞を贈ってくれました。東京バレエ団は本ツアーを終え、30カ国152都市において738公演を達成しました。
8月に横浜赤レンガ倉庫で開催される〈東アジア ユース・バレエ・ウィーク・横浜〉に、東京バレエ学校が出演することが決定しました。この催しは、日中韓文化大臣会合の合意に基づき、東アジア域内での相互理解の促進と多様な文化の国際発信力を高めることを目的に、日本・中国・韓国3か国で、さまざまな文化芸術イベントが開催される「2014年東アジア文化都市」の一環として開催されるもので、横浜は日本における開催都市として決定されました。
〈東アジア ユース・バレエ・ウィーク・横浜〉は、世界のバレエシーンで、日本・中国・韓国の若手ダンサーが活躍していることや、国際コンクールでも常に上位を占めていることなどを背景として開催されます。東京バレエ学校Sクラスのコンテンポラリー担当教師の中村恩恵がディレクターを務めるこのフェスティバルには、有能な若手ダンサーたちを輩出している日中韓の著名なバレエ学校から、校長やコーチ、生徒、ダンサーを招聘して、マスタークラスやワークショップ、シンポジウム、作品上演が行われます。東京バレエ学校は日本を代表しての出場となります。
詳細は下記の通り。
■〈東アジア ユース・バレエ・ウィーク・横浜〉
公式ホームページ http://akarenga.yafjp.org/youth-ballet-week/
◆開催期間:2014年8月20日(水)~8月26日(火)
※東京バレエ学校は23日(土)、24日(日)の作品上演を含む全てのプログラムに参加いたします。
◆会場:横浜赤レンガ倉庫1号館
◆ディレクター:中村恩恵(東京バレエ学校Sクラス コンテンポラリー担当教師)
参加校:【中国】北京舞踊学院付属中等舞踊学校、上海戯劇学院附属舞踊学校
【韓国】ユニバーサル・バレエ・アカデミー
【日本】東京バレエ学校、前田紗江(特別参加)
●東京バレエ学校出場生徒指導:
首藤康之(東京バレエ団特別団員)、
佐野志織(東京バレエ団バレエミストレス、東京バレエ学校校長)
東京バレエ団50年史刊行 創立50周年を機に、「東京バレエ団50年のあゆみ」が刊行されます。 写真と文章、公演記録によって1964年の創立から今日までの東京バレエ団の足取りがすべて記されています。8月29日の〈祝祭ガラ〉から、公演会場で頒布する予定です。頒価未定。