NBS創立35周年 日本経済新聞創刊140周年 ウィーン・シリーズ ウィーン国立歌劇場 2016年 日本公演 最適任指揮者によって届けられる陶酔と魅惑と感動!

 マレク・ヤノフスキが舞台上演オペラに戻って来る! 日本のオペラ・ファンにとって、マレク・ヤノフスキがウィーン国立歌劇場日本公演の指揮者として登場することは、まさに待望の出来事といえるでしょう。1939年ワルシャワに生まれ、ドイツで学んだマレク・ヤノフスキは、メトロポリタン・オペラをはじめ、バイエルン国立歌劇場、ベルリン、そしてウィーンと、名だたる歌劇場で活躍しましたが、1990年代半ば以降、自らの意志によって歌劇場でのオペラ指揮から離れていたのです。音楽監督を務めるベルリン放送響とのワーグナー演奏の大成功、2014年から続いている「東京・春・音楽祭」の《ニーベルングの指環》演奏会形式での“ドイツ正統派”の指揮の魅力に、舞台上演を聴いてみたい、という欲求が高まるのも当然のこと。しかもそれが、ウィーン国立歌劇場の上演、ヤノフスキにとってワーグナーとともに重要なレパートリーの一つでもあるR.シュトラウスの作品で実現するこの機会は、オペラ・ファンなら見逃せないはず!

 アダム・フィッシャーが、“バイロイトを救った!”といわれたのは、2001年に急逝したジュゼッペ・シノーポリの代役として、バイロイト音楽祭で《ニーベルングの指環》を振ったときのこと。急遽務めたこの初登場の大成功ぶりをあらわしています。
 コレペティトゥーアからキャリアをスタートしたフィッシャーは、その経験から、オペラ指揮者は歌手やオーケストラの状況を見抜き、音楽的に呼応していくことの重要性を得たのだと語っています。表目の派手さや奇をてらうのではなく、作品と歌手とオーケストラと正面から向き合い、じっくりと取り組む“職人肌”の指揮者といえるでしょう。そうした指揮ぶり、音楽づくりをすることから、フィッシャーはいま、ウィーン国立歌劇場において、最も厚い信頼を獲得している指揮者となっているようです。
 《ニーベルングの指環》を知り尽くした指揮者フィッシャーによって、ウィーン国立歌劇場の日本公演として初となる《指環》の一夜が実現します。

 2016年、リッカルド・ムーティは3度の来日が予定されています。シカゴ交響楽団とは名門オーケストラの音楽監督として、「東京・春・音楽祭」では若き才能をけん引する現代の巨匠指揮者として、そして秋にはウィーン国立歌劇場が誇るモーツァルト・オペラの指揮者として。異なる役割でありながら、そのすべてにおいて“現代最高”の顔をもつ、それが、現代のカリスマ指揮者リッカルド・ムーティなのです。
 ムーティ指揮ウィーン国立歌劇場のモーツァルトといえば、2008年の『コシ・ファン・トゥッテ』の見事な響きを思い出されるファンも多いはず。ご承知の通り、ウィーン国立歌劇場のオーケストラ・ピットに入るのは、世界一のオーケストラであるウィーン・フィルのメンバーたち。彼らとは、ムーティ自身が深い信頼があると認める間柄です。世界の頂点を極めるものとして期待され、またその期待を上回るものでなければならないのが、ウィーン国立歌劇場のモーツァルト・オペラ。ムーティなら絶対!