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   2007/11/23 モーリス・ベジャール氏 死去
 

20世紀を代表する振付家 モーリス・ベジャール氏死去

 20世紀を代表する振付家として、「ボレロ」「春の祭典」など数々の名作を生み出したモーリス・ベジャール氏は、心臓と肝臓の疾患のため11月16日よりスイス・ローザンヌのCentre Hospitalier Universitaire Vaudoise病院に入院しておりましたが、現地時間の11月22日(木)0時25分、入院先の病院にて死去したとの連絡が入りました。享年80歳でした。

 モーリス・ベジャール氏は1927年1月1日フランス・マルセイユに生まれ、ダンサーとしてさまざまなバレエ団で活躍した後、振付家としての活動を開始しました。1959年に「春の祭典」がブリュッセルで初演され、その野生的で官能的な肉体美と躍動美の祭典はセンセーショナルな大成功を収めました。以来約50年にわたり、ベジャール氏が発表した作品は優に200を超え、「ボレロ」、「ニジンスキー、神の道化」、「バレエ・フォー・ライフ」など常に時代に向かってメッセージを発信し続け、バレエ界に衝撃を与える多くの作品を世に送り出しました。バレエ界に革命をもたらし、 “バレエの世紀”を創造したベジャール氏はまさに現代最高の振付家であるといえます。

 ベジャール氏と日本との関わりは非常に深く、1967年に初の日本公演を行ってから40年の間に、<二十世紀バレエ団>、<モーリス・ベジャール・バレエ団>を率いて、これまでに12回の日本公演を行っています。(2006年の公演にはベジャール氏は来日せず)
 また、1983年に<ベジャールの夕>で「ボレロ」「さすらう若者の歌」「ロミオとジュリエット」「ドン・ジョヴァンニ」を上演して以来、深い繋がりを持つ東京バレエ団では、これまでに16のベジャール作品が上演されてきました。このなかには東京バレエ団のために創作された、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」をバレエ化した「ザ・カブキ」(1986年)、三島由紀夫をテーマとした「M」(1993年)も含まれ、両作品は日本だけでなく、海外でも公演を重ね、各地で高い評価を得て、東京バレエ団の名を世界に知らしめることになったのです。
 大の日本通としても知られ、能や歌舞伎への造詣も深かったベジャール氏は、日本の古典芸能を題材に「黒塚」(1988年)や「舞楽」(1988年)、2002年には旧交のあった故・中村歌右衛門丈へのオマージュ「東京ジェスチャー」も発表しています。
 ベジャール氏が舞踊界に果たした功績は日本でも高く評価され、これまでに勲三等旭日中綬賞(1986年)、日本美術協会より世界文化賞(1993年)、稲森財団より京都賞(1999年)を受賞しています。
 日本をこよなく愛したベジャール氏が最後に来日したのは、2004年6月<モーリス・ベジャール・バレエ団>日本公演のこと。公演では連日カーテンコールに応え、公演の合間をぬって東京バレエ団で「ボレロ」と「中国の不思議な役人」のリハーサルを行い、この年から「ボレロ」のメロディを踊ることを許された東京バレエ団プリンシパル・上野水香に、細かい動きまで厳しくかつ丁寧に指導をしてくださいました。2006年のバレエ団公演では、医師から長距離の移動を止められたため、来日が叶いませんでしたが、ベジャール氏は愛する日本に行けないことを非常に残念がっていたと聞いております。
 20世紀のバレエ界に語り尽くせない功績を残したベジャール氏のご冥福を祈りたいと思います。

 





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