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  東京バレエ団 ベジャール・ガラ  
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東京バレエ団 ベジャール・ガラ
現代バレエの革命家そして巨匠、モーリス・ベジャール

 1981年公開の映画「愛と哀しみのボレロ」で一般にも知られるようになったモーリス・ベジャールは、1927年にフランス、マルセイユで生まれました。哲学、未来学を研究していた父の影響を受け、また、幼い頃から妹やいとこと芝居ごっこに興じ、14歳のときに背骨を強くするためにレッスンを始めてからバレエの道を志すようになったのです。
 ベジャールの名を一気に高めたのは、1959年に初演された『春の祭典』。鹿の交尾から想を得たという力強い男性舞踊手の踊りや男女同数の群舞は、女性プリマを中心とした伝統的なクラシック・バレエの世界にショックを与えたのです。
 70歳を越えた今でも次々と新作を発表するベジャールですが、その作品の代表的なテーマのひとつは、彼の敬愛する人物や文化へのオマージュです。2002年4月のベジャール・バレエ団日本公演で記憶に新しい『バレエ・フォー・ライフ』は相次いでエイズで亡くなったロック・ヴォーカリスト、フレディ・マーキュリーとベジャール・バレエの体現者ジョルジュ・ドンへのオマージュであり、『少年王』はバレエの基礎ともなった太陽王、ルイ14世とその前後の幼くして王位に就いた王たちの世界に想を得ています。その他、東京バレエ団に与えられた作品にも三島由紀夫の生涯を綴った『M』、幼い頃に亡くした自分の母親への想いで読み替えた『くるみ割り人形』、インドの神々のイメージを舞踊化した『バクチ』などがあります。

ベジャール流のエキゾチック・ワールドが展開『ギリシャの踊り』

 1988年のベジャール・バレエ団日本公演で上演されたこの作品は、地中海地方の音楽に振り付けた『タラサ、われらの海』から、ギリシャ音楽によるパートを集めたものです。今回、東京バレエ団の創立40周年にあたり、ベジャールによって再編成されて上演許可がプレゼントされ、東京バレエ団の新たなレパートリーとなります。
 「踊りの場合には、考古学的なあるいは一般的な再構成をしようとすると、いつも不自然なものになり、悲惨な結果となる。博物館になるかミュージック・ホールになってしまうか、ようするに退屈きわまりないものになるか、偽者になるかの両極端なのである」と創作に際してベジャール自身が語っていますが、もちろんそのようなことはなく、これぞベジャールという魅力ある世界が広がり、地中海の清々しい風を思わせるような作品となっています。ご期待ください。

伝説のプレイボーイに対する女たちの切なる想い『ドン・ジョヴァンニ』

 ステージ上でリハーサルを待つ、若いバレリーナたち。プレイボーイであるドン・ジョヴァンニをめぐって、彼女たちは駆けまわり、ため息を漏らし、愛と情熱の限りを尽くして踊ってみせるのですが…。
 『ドン・ジョヴァンニ』はモーツァルトのオペラで有名な作品ですが、本作ではその主題によるショパンの音楽を用いています。そして、ドン・ジョヴァンニ本人は出てこず、照明や空の椅子によってその存在が示されます。伝説のプレイボーイは架空の男であり、女性たちの夢や憧れの象徴なのです。
 また、ベジャールは今回の記念公演に際し、この20分ほどの小品に新たに男性のソロを加える構想をもっているといいます。2000年の<ベジャール・ガラ>でも上演された『ドン・ジョヴァンニ』ですが、今回さらにヴァージョン・アップが期待できそうです。

169回反復されるリズム、そして舞踊手の個性をさらけだす『ボレロ』

 『春の祭典』で成功を収めた直後のベジャールによって振りつけられた『ボレロ』は、1981年に公開されたクロード・ルルーシュ監督の映画「愛と哀しみのボレロ」で世界的に知られるようになり、踊り手のジョルジュ・ドンもまた爆発的な人気を得ました。その後、CMなどにも使用されて日本人には耳馴染みのあるメロディーです。
 直径4mほどの赤い円卓の上で、初めは少しずつ、やがて激しく全身で踊りだすセンターのダンサー。その周りに1人、2人と増えていくダンサーたちもまた惹き込まれるように激しく動き、最後には30人ほどでセンターのダンサーを呑み込むように、共に円卓の上に突っ伏します。生命力と躍動感極まる20分の後に訪れる、カタルシス。観客の興奮と熱狂が止まぬ事もしばしばです。
 振付自体はシンプルなだけに、踊り手自身の肉体と精神が露わにされる『ボレロ』。東京バレエ団では、高岸直樹、首藤康之がベジャールから許されてセンターを踊っています。この二人が踊るのは、2000年の<ベジャール・ガラ>以来ですが、その間にいくつもの舞台経験を加えてきている高岸と首藤が今回どのような『ボレロ』を見せてくれるのか、興味は尽きません。






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