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過去の公演情報
  イスラエル・フィルハーモニー
管弦楽団
 
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Aプロ 2003年12月6日(土)7:00pm
Bプロ 2003年12月7日(日)2:00pm


 「彼らは常に、奮い立たせてもらうことを要求している」。音楽監督をつとめるズービン・メータは、イスラエル・フィルの特徴をこう語っています。メータとイスラエル・フィルの結びつきは35年にも及んでいますが、年を経るごとに、さらに深く強固なものになっているようです。この結びつきは単にその歳月だけではなく、人間的な“魂の共有”が根底にあります。イスラエルを“第2の故郷”、イスラエル・フィルを“家族”と呼ぶまでになったメータが、これまでの長い時間のなかで、オーケストラのもつ最大の特長、すなわちウィーン・フィルやベルリン・フィルをしのぐと評される官能的なまでの“世界一の弦”の響きを維持しながら、新しい魅力を加えることに手腕をふるったのは、すでに世界が認めるところです。イスラエル・フィルを語るうえで忘れてはならないのは、ユダヤ民族の流転の歴史。世界各地からユダヤ系の音楽家たちが集まってできたこのオーケストラは、全ユダヤ民族の誇りと音楽に対する熱い情念が宿っています。それが特有の濃厚な響きと粘り強いアンサンブルになって表出するのです。特に“世界一の弦”といわれる弦楽器には、ユダヤの独特の色合いが滲み出ており、崇高なまでの精神性さえ漂わせています。
 3年ぶり8度目となる今回の来日公演には、2つのプログラムが用意されています。
 Aプロは、ロマン派のはじまりと終わりに生きたオーストリアの作曲家シューベルトとマーラーの二人を取り合わせています。ことにマーラーは、イスラエル・フィルにとって最も重要なレパートリーの一つでもあることから、イスラエル・フィルならではの魂の唸りのような響きに、多いに期待が高まります。
 Bプロは、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」とムソルングスキーの「展覧会の絵」の2作のロシア作品を組んだプログラム。オーケストラのメンバーにはロシア系ユダヤ人が多く、そうした背景が今回の選曲にも反映されているといえるでしょう。両作品ともソロ・パートが重要な聴きどころを担っており、オーケストラの力量が細部にわたるまで発揮されるといったプログラムといえそうです。
 重厚で聴きごたえのあるAプロ、音の色彩的な華やかさを堪能できるBプロ、精神的な統一感をもった彼らの演奏は、燃焼度が高度な次元に達したとき、いかなるオーケストラも及ばない表現力を発揮します。まるで祈りのような、祭儀のような、魂の渇きを癒してくれるような音楽。本能に導かれるまま、音楽を聴く喜びに純粋な涙を流すことができるのは、メータ指揮イスラエル・フィルの演奏をおいて他にありません。







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