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  ベルリン・シュターツカペレ  
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ダニエル・バレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ

東京公演サントリーホールへ
【Aプロ】 2005年2月17日(木)7:00pm 
【Bプロ】 2005年2月19日(土)7:00pm
【Cプロ】 2005年2月20日(日)2:00pm



 ベルリン・シュターツカペレが久々にシンフォニー・コンサートのために来日する。東独時代から度重なる来日公演を通して、このオーケストラは日本では良く知られた存在。けれども、バレンボイムの就任後、シュターツカペレは大きく変貌を遂げた。以前のこのオーケストラの持ち味は、規律の行き届いたいわば管理された美感だった。それがバレンボイムの尽力によって、より自由な息吹に満ち溢れた音楽を奏でる団体に生まれ変わったのである。
 1992年に音楽総監督に就任した彼がまず最初に行ったのは、楽員の心を開放することだった。その結果、彼が「いく層もの埃が積もった素晴らしいアンティーク家具」と形容したオーケストラは見違えるばかりの光沢を放ち始めた。ベルリンにおけるシンフォニー・オーケストラの雄はベルリン・フィルだが、この名門についてはインターナショナル化によってドイツ的な色彩は次第に後退しつつある。その意味では、シュターツカペレは古き良き時代のドイツの響きを留めながら、現代にふさわしい精緻なアンサンブルを実現したもっともドイツ的な名門といえる。1997年の来日時におけるベートーヴェンの交響曲、ピアノ協奏曲全曲演奏、2002年のブラームスの交響曲全曲演奏などでその真価は日本でも実証済みだ。
 ブランデンブルク選帝侯ヨアヒム二世によって創設されたこのオーケストラが記録に最初に登場するのは1570年、実に400年以上の歴史を誇る。スポンティーニ、メンデルスゾーン、マイアベーア、R.シュトラウス、フルトヴェングラー、エーリヒ・クライバー、カラヤンといった著名な音楽家が指揮してきた。その伝統の重みは1882年に創立された〈新興〉のベルリン・フィルの及ぶところではない。バレンボイムの力によって、再び両者がそれぞれの持ち味を出して拮抗するにいたった。
 プログラムの前半を飾るのがバレンボイムならではの弾き振り。ベートーヴェンのピアノ協奏曲は独奏者が指揮を兼ねることによって独自の様式美が生まれる。ただし、ピアニストがその能力を持っていることが大前提だ。バレンボイムの場合、まさに折り紙つきの名演が約束されたようなものである。シューマンの交響曲はバレンボイムがもっとも古くから得意としている作品の一つ。シュターツカペレと入れた全集は名演の誉れ高い。マーラーの交響曲第7番についてはレパートリーに加わったばかり。オペラ指揮者として名を成したマーラーのロマン的な世界を円熟の極みにあるバレンボイムはどのように聴かせてくれるだろう。
岡本 稔(音楽評論家)








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