劇場エントランスやロビーにうるわしく花々が飾られた、ベルリン・ドイツ・オペラにおけるマラーホフ版『眠れる森の美女』の初日。舞台の幕が開くとそこは、薔薇の茂みに縁取られた王国の庭園。レースやフリルいっぱいのカラフルな衣裳をまとった王様、王妃様、貴族たち。丈の短いチュチュがとりわけ愛らしく感じられる妖精たち。まるでお菓子の国のようにカラフルでスイートな夢の世界に、観客はいっせいに驚嘆の声をあげ、たちまち引き込まれていきました。
それは、「本物のおとぎ話を描きたい」というマラーホフの夢が具現化された世界。舞台はまるで絵本をめくっていくように進行し、プロローグと第1幕の間にはリラの精の庇護とカラボスの呪いの狭間にある幼少のオーロラ姫の姿や、第2幕には茨に囲まれたベッドで王子の到来を待つ姫の印象的なシーンが見えます。最後の姫と王子の結婚式には、通常そこには現れないカラボスが登場するというサプライズも!
夢と遊び心に溢れたマラーホフの演出にベルリンの観客は夢中になり、初演は大成功を収めました。この新ヴァージョンが、来たる2月、東京バレエ団によっていよいよ日本お披露目となります。オーロラ姫は、マラーホフと度重なる共演で優れたパートナーシップを築き上げている吉岡美佳。そして王子は、もちろんマラーホフ。また吉岡は新年早々、マラーホフのパートナーとしてベルリンに招かれ、ひと足先に新ヴァージョンを経験する予定です。薔薇咲き乱れる魔法の園で繰り広げられる、この上なくゴージャスな『眠れる森の美女』にご期待ください!! |
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