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神秘的な信仰と熱情を帯びた舞踊が結びついていた古代インド。神殿の巫女であり舞姫のニキヤは、勇敢な戦士ソロルと永久の愛を誓いますが、ニキヤに横恋慕する大僧正や領主の娘でソロルの婚約者ガムザッティの陰謀により死へと追い詰められます。愛と権力の狭間で為すすべもなく恋人を失い、深い悔恨にかられたソロルが、白一色の幻影の中に見たものは‥。
『ラ・バヤデール』は、西欧においてエキゾティシズムの源泉であったインドの風俗や宗教文化を取り入れながらも、プティパが独自の様式を築いて巨匠への道を歩み始めた時期の傑作です。うっそうと繁る熱帯植物に縁取られた鮮やかな彩りの美術が異国情緒を醸すなか、神殿での巫女や僧たちの踊り、祝宴での“太鼓の踊り”や“黄金の仏像の踊り”など多彩なディヴェルティスマンや民族舞踊の数々が、劇的なストーリーを盛り上げます。そして、ソロルが雪のヒマラヤ山脈の向こうにニキヤの幻影を見る“影の王国”の場は、究極のバレエ・ブランとも呼ばれる名場面。このグリゴローヴィッチ版ではプティパ初演時の美術が再現され、またラストは影の王国からいっきに寺院崩壊のスペクタクルへとなだれ込みます。愛の葛藤から精神の浄化へとつなぐ精神性、生命の鼓動を響かせる情熱的な踊りなど、世界のどこにも真似できない魅力溢れる『ラ・バヤデール』は必見です! |
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