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ロシア国立ボリショイ・バレエ団2006年日本公演
日本公演概要 「ラ・バヤデール」  「ファラオの娘」
 
第1場: 若いイギリス人のウィルソン卿が使用人のジョン・ブルと共にエジプトを旅している。ピラミッドの下で、キャラバンに親切なアラビア商人たちに出会い、彼らのテントに招かれる。突然激しい嵐が巻き起こり、ウィルソン卿と商人たちは急いで近くのピラミッドに避難する。
第2場: ピラミッドの管理人は、招かれざる客たちに音を立てないように言い、ピラミッドの奥にある墓を指差す。その墓には、権勢を誇ったエジプトのファラオの娘、アスピチアが眠っているというのだ。ピラミッドの片すみに落ち着いたアラビア商人たちは阿片パイプに火を付ける。ウィルソン卿もシブゥク(トルコ風煙草パイプ)を欲しがると、「阿片は危険だ」と商人のひとりは悪夢にうなされる仲間を指差す。「そういう感覚も経験してみたい」とウィルソン卿が答える。
 彼が眠りに落ちるやいなや、すべてが明るい煙に包まれ・・・幻想的な夢がはじまる。墓所の壁が消え、甦ったミイラが棺から出てくる。続いてファラオの娘で、ミイラたちの女主人であるアスピチアが現れと、彼女はウィルソン卿の心臓に手を当てる。その瞬間、不思議な変化が起こり、ウィルソンとジョン・ブルはエジプト人に変わってしまう。ウィルソン卿はタオール、ジョン・ブルはパッシフォンテという呼び名になる。アスピチアの美しさに魅せられたタオールは彼女を追いかけるが、アスピチアは霧の中へと姿を消す。
第3場: タオール(ウィルソン卿)と使用人のパッシフォンテ(ジョン・ブル)はアスピチアを探しに森へ行き、苔むした岩の上で眠っている彼女を見つける。タオールは彼女に近より、彼女の手を心臓に置くと、アスピチアが目覚め、美青年に気づく。ふたりはまわりのすべてを忘れ去り、互いを見つめ合う。
 遠くから狩猟用のつの笛が聞こえてくる。アスピチアはタオールに隠れるように言う。彼女の奴隷、ラムゼは逃げるようにアスピチアを諭す。そこに猟師たちが現れ、森にはライオンがいる、とアスピチアに警告する。アスピチアはライオンを追う猟師たちと去る。ライオンは猟師たちに囲まるが、突然彼らの輪を突破し、アスピチアに襲い掛かろうとする。隠れ場所から一部始終をうかがっていたタオールは猟師が忘れていった弓を掴み、矢を放ち、ライオンの心臓を見事に射止め、アスピチアは命を救われる。意識を失い倒れるアスピチアをタオールが受け止め、彼女を安全な場所に運ぶ。
 ファンファーレがファラオの一行が近づいたことを告げる。娘が見知らぬ男に抱かれているのを見ると、ファラオは彼を捉えるように命じるが、意識の戻ったアスピチアは彼女の命を救ってくれたタオールに褒美を与えるべきだと父に訴える。ファラオの怒りは感謝の念へと変わり、タオールを放ち、自分の宮殿に招待する。

第4場: タオールはアスピチアの豪華な住まいを訪れ、彼女への愛を宣言する。高官や役人を従えたファラオの一行が、続いてヌビア王が登場し、ファラオの娘に求婚する。ファラオはヌビア王に娘を嫁がせることに同意し、ふたりは友好条約を結ぶ。
 これを聞いたタオールは絶望で狂いそうになる。アスピチアは彼をなだめ、彼以外の人のものには絶対にならないと約束する。
 ファラオは娘の結婚を祝う祝宴を始めるように命じる。絶望の中で、恋人たちは宮殿から逃げ出すことを決意する。
 宴が最高潮になったところで、タオールは隠し扉の鍵を受け取り、ふたりはそこから宮殿を逃げ出す。
 娘がいなくなったことを知ったファラオは激怒し、駆け落ちしたふたりを捕まえるように命じる。隠し扉を見つけたヌビア王は、護衛たちを連れてタオールとアスピチアの後を追いかける。

第5場: タオールとアスピチアはナイル河のほとりの漁師小屋に隠れている。夜になると漁師たちは釣りの仕度を始め、ふたりにも一緒に来るように誘う。疲れているアスピチアに小屋で休むように言い、タオールは漁師たちと出かける。
 彼が出かけるや否や、ヌビア王が護衛たちを連れて小屋に入ってくる。ヌビア王と結婚すれば愛する人と一生離れ離れになってしまうとわかっているアスピチアは、捕まえられるよりは、と窓からナイル河に身を投げる。
 その間、タオールとパシフォンテは小屋に戻ってくる。ヌビア王は彼らを捉えるように命じ、アスピチアを誘拐した復讐をすると脅す。

第6場: ナイル河の神はアスピチアを温かく迎え入れ、エジプトの強大なファラオの娘だと気づく。しかしアスピチアのタオールにまた一目会いたいというひとつの願いしかない。ナイル河の神は彼女の願いを叶える。神が命じると、タオールは断崖の上や、滝の中に現れる。愛する人と再会したいと願うアスピチアは、ナイル王に地上に戻して欲しいと頼み、神はその願いを叶える。
第7場: ファラオの宮殿では、エジプトの支配者が絶望の底に突き落とされている。タオールを呼び出し、アスピチアの隠れている場所を教えないと殺す、と脅す。しかしタオールはアスピチアがどこにいるのかを知らない。
 ファラオはタオールに死刑を宣告する。聖なる蛇に彼を噛ませようとした瞬間、遠くから行進曲が聞こえてくる。漁師たちがアスピチアを発見し、彼女を宮殿に連れてきたのだ。
 アスピチアは父に駆け寄り、自分の冒険について、タオールへの愛について、そしてヌビア王に脅されて川に身投げするしかなかったことを伝える。ファラオはヌビア王との友好条約を破り捨て、ヌビア王に去るように告げる。アスピチアは父にタオールを自由にするようにせがむが、娘を連れ去ったタオールを許せないファラオは聞く耳を持たない。アスピチアは愛する人と死ぬ覚悟が出来ていると訴え、聖なる蛇に近寄り、手を差し出します。焦って娘を引き止めたファラオは、アスピチアの想いの深さに心打たれ、タオールを許し、若いふたりを祝福する。皆の歓喜が頂点に達したとき、舞台は雲に覆われるのだった。
8場: 宮殿の代わりに再びピラミッドが現れる。ウィルソン卿は目覚め、呆然とあたりを見回すと、ピラミッドの奥隅にあるファラオの娘の墓に気づく。彼は、今しがたまで見ていた素晴らしい夢を思い出しながら晴れやかな笑顔を浮かべるのであった。
 


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