ウラジーミル・マラーホフ&東京バレエ団が新春に贈る、華麗なるニジンスキー伝説!
〈ニジンスキー・ガラ〉
月明かりのシルフィードたち、けだるい牧神、 しなやかな薔薇の精、悲哀あふれるペトルーシュカ。 色とりどりのニジンスキー伝説があざやかによみがえる!
今からおよそ百年前、欧州で熱狂を巻き起こしたバレエ・リュス。「レ・シルフィード」「薔薇の精」「ペトルーシュカ」「牧神の午後」は、いずれもそのセンセーションのただなかで稀代の天才ダンサー、ヴァツラフ・ニジンスキーが踊った名作です。 東京バレエ団では1998年の「バレエ・リュスの輝き」以来、たびたびバレエ・リュス・レパートリーに取り組み練磨してきました。2012年の新春、ベルリン国立バレエ団よりウラジーミル・マラーホフと新進のディヌ・タマズラカルをゲストに迎え、4度目となるプログラム、〈ニジンスキー・ガラ〉を開催します。 ニジンスキーと同じウクライナ出身のマラーホフは、ロシアから欧州に活動の場を移した経歴や両性具有的な魅力、何より圧倒的なスター性がニジンスキーと通じるものがあり、彼自身も「近い血を感じる」と語ります。これまでも「薔薇の精」「レ・シルフィード」「牧神の午後」で優れた舞台を見せたマラーホフが、今回は「ペトルーシュカ」を初披露。1年前、自身のバレエ団公演「チャイコフスキー」で見せた圧倒的な演技の余韻が残るいま、人間の魂を持ってしまった人形ペトルーシュカの悲劇も大きな感動を呼び起こすはずです。また、同じ「チャイコフスキー」の“王子/若者/ジョーカー”役をしなやかなテクニックで演じたタマズラカル。「薔薇の精」にふさわしい新鋭の活躍にもご注目ください。 「レ・シルフィード」の詩人をマラーホフと日替わりで踊る木村和夫、詩情豊かなプレリュードを踊る吉岡美佳と小出領子、「牧神の午後」初披露となる後藤晴雄、ニンフをあでやかに演じる井脇幸江と初挑戦の上野水香らプリンシパルをはじめ、東京バレエ団ソリスト陣の個性豊かな演技とアンサンブルの活躍にもどうぞご期待を!
「牧神の午後」より
Kiyonori Hasegawa
ヴァツラフ・ニジンスキー
20世紀バレエ界、最大のスター
しなやかな跳躍力と両性具有的な魅力、憑依的な演技力を備えた天才ダンサー。ペテルブルク帝室舞踊学校からマリインスキー・バレエを経てバレエ・リュスに参加し、欧州で熱狂を巻き起こした。「牧神の午後」「春の祭典」で革新的な振付の才能を示したが、4年後にバレエ団を解雇。彗星のように現れ消えた舞台人としての経歴と、精神の闇を彷徨った後半生を含め、彼のすべてが伝説となっている。