湖にやってきた王子ジークフリートは、そこで世にも不思議な光景を見る。月光に照らし出された静かな湖面を優雅な姿で泳ぐ白鳥たちが、岸にあがると、たちまち若く美しい娘たちの姿になったのである。
 王子は妖しい気持ちに駆られ、茂みの中に隠れているが、彼女らの美しさに思わず弓を捨てて近づいていく。娘たちは見知らぬ男の出現に驚き警戒するが、好ましい若者とみて安心する。
 その中に、ひときわ気高く、金の冠をつけた乙女が王子の目を惹きつける。乙女の名はオデット姫といい、湖に棲む悪魔ロットバルトの魔法によって白鳥の姿にされてしまったと、悲しい自分たちの身の上を語る。  彼女たちは真夜中だけ人間の姿に戻ることができるが、夜明けとともにまた白鳥の姿になってしまう。この呪いを解くただ一つの方法は、まだ恋をしたことのない若い男性の、いつまでも変わらない愛の誓いだけなのである。
 王子は彼女の話を聞くと、ためらわず永遠の愛を誓い、きっと彼女たちを救い出すと約束する。
 夜明けになると、醜い悪魔のロットバルトが姿を現わし、乙女たちを湖上へ追い散らす。乙女たちはまた白鳥の姿に変わり、湖に帰っていく。
 王子は、それを見て、彼女たちを救う決心をますます固くするのだった。

 装飾的な要素をいっさい排除し、赤い円卓の上の“メロディー”と周囲をとりかこむ“リズム”とがラヴェルの音楽を大胆に象徴するこの作品は、その簡潔さゆえに、踊り手によって作品自体が形を変える。あるときは美の女神とその媚態に惑わされる男たちの繰り広げる“欲望の物語”、あるときは異教の神の司る“儀式”……。聖と俗の間を自在に往き来し、踊り手の本質をさらけだすこの作品は、初演以来半世紀の間に、多様な姿を見せてきた。
 演出もさまざまであり、初演の際は、“メロディー”の女性を取り巻いて“リズム”の男性たちが配された。やがて男性の“メロディー”と女性の“リズム”、そして“メロディー”“リズム”ともに男性が踊る演出が生まれている。

「このあまりにもよく知られた曲が、いつも新鮮に聞こえるのは、その単純さゆえである。スペインというよりむしろ東洋にその源をもつメロディーは、メロディーそのものの上にさらに渦を巻いてゆく。しなやかで女性的、かつ情熱的なものを象徴する。このメロディーは、必然的に単調なものとなっている。男性的なリズムは、つねに一定のものを保ちつつ、その量と勢いを増すことによって、音の空間をむさぼり、ついにはメロディーをも呑み込んでしまうのである。」

— モーリス・ベジャール

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共催

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協賛

チャコット株式会社

後援

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