東京バレエ団創立50周年記念シリーズ8
ロマンティックなゲスト・ペアと、躍進中の新星ペアで贈る、珠玉の名作バレエ。
「くるみ割り人形」全2幕 THE NUTCRACKER
振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
プロジェクション・マッピングで魅惑のファンタジーナイトをお届けします!
東京バレエ団創立50周年シリーズ第8作目には、少女クララがクリスマス・イヴに体験する、不思議な出来事を描いたバレエ「くるみ割り人形」が登場します! E・T・A・ホフマンの幻想文学を下敷きに、多彩な音色を紡ぎ出すチャイコフスキーの珠玉の音楽にのせて、年末の風物詩として世界中で愛されている名作です。今回は舞台に、特別にプロジェクション・マッピングを採用し、驚くような仕掛けをもってファンタジーの世界を現出させます!
東京バレエ団が採用しているワイノーネン版「くるみ割り人形」は、少女クララ役を主演バレリーナが演じ、人形たちとねずみたちの戦争から、妖精たちがめくるめく舞いを見せる雪の国、楽しい各国の踊りが披露されるふしぎの国までを王子とともに旅します。第1幕でクララが変身したくるみ割り王子と踊る美しいアダージョと、雪の国で二人が雪片と戯れるように舞う幻想的なダンス。第2幕、ふしぎの国の宴で繰り広げられる個性的な踊りと、最後を締めくくるクララと王子の華麗なグラン・パ・ド・ドゥまで。子どもたちの好奇心と、大人たちの心の奥にしまわれている子ども時代への郷愁をもかきたてながら、バレエの醍醐味を満喫させる永遠の名作です。
本公演に主演するのは、いずれも新鮮な顔合わせの2組。ロシアの“妖精バレリーナ”エフゲーニャ・オブラスツォーワとシュツットガルトの貴公子マライン・ラドメーカー。そして東京バレエ団のホープ・バレリーナ沖香菜子と、バレエ団きってのノーブル・ダンサー梅澤紘貴です。彼らを中心に、ふしぎの国の精たちや群舞が織りなす美しい舞台に心ゆくまで酔いしれてください!
ワイノーネン版「くるみ割り人形」 19世紀末に初演されたバレエ「くるみ割り人形」を、ソビエト時代に改訂振付けしたヴァージョン。バレエの中で起こるふしぎな出来事を、思春期の少女の夢の世界の体験として説明。また、主役の少女役(クララ)を大人のバレリーナが演じ、彼女が最大の見せ場であるグラン・パ・ド・ドゥも踊ることで、物語と踊りの両方の面で一貫性をもたらした。ワイノーネン版が発表されてからは、ソビエト~ロシアではこのヴァージョンが一般的となる。 photos:Kiyonori Hasegawa