「白鳥の湖」

 魔法で美しいドレス姿に変身したシンデレラは、お城の舞踏会に行きますが、12時の鐘が鳴ると魔法は解けてしまう──。心優しいシンデレラが王子の愛を得て幸せを掴む物語。バレエでは英国の巨匠、フレデリック・アシュトン振付の作品がよく知られていますが、その英国演劇的バレエの伝統を継承する振付家の一人、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団芸術監督デヴィッド・ビントリーは、この『シンデレラ』で、アシュトンとはひと味違うアプローチをもってストーリーテラーとしての才能を大いに発揮、ドラマティックかつ幻想的な舞台を創り上げています。
 ビントリーが物語の核に据えたのは、「靴」。継母や義理の姉たちから酷い仕打ちを受けているシンデレラは第1幕、裸足で登場します。彼女の唯一の宝物は、亡き母の形見の舞踏会用の靴。優しい彼女は、物乞いの裸足の老女=仙女を気の毒に重い、これを差し出すのです。舞踏会では、この母の靴を履いて王子と踊り、舞台はこの上ない幸福感に包まれます。巨大時計が魔法の解ける時をダイナミックに告げると、物語はシンデレラと王子が愛を確認し合う感動のフィナーレへ。仙女の魔法で登場するカエルの御者、トカゲの従者、ネズミの小姓ら、マスクを被ったキャラクターたちのコミカルな踊りも、英国バレエならではの楽しい見どころ!
 2010年のクリスマス・シーズンに発表、テレビでも放映され英国じゅうに話題を振りまいたヒット作の日本初演、ぜひご期待ください。


あらすじ

 台所に住まわされているシンデレラは、毎日継母と義理の姉たちの世話に明け暮れていた。
 お城では、王子のお妃選びのために舞踏会が開かれるという。義理の姉たちは準備に大忙し。台所のシンデレラは、寒さに凍えて忍び込んだ、みすぼらしい身なりで裸足の老女に出会う。シンデレラは食べ物を分け与え、たった一つの宝物、母の形見の舞踏会用の靴も与えた。舞踏会の日、一人残されたシンデレラの前にあの物乞いの老女が。老女は実は、シンデレラの母の慈愛の心を持つ仙女で、シンデレラに魔法で美しいドレスを着せ、お城に送り出した。
 舞踏会に現れた彼女に王子はたちまち夢中に。二人は踊り続けたが、時計が真夜中を告げると、魔法は解けた。ドレスは古着に戻り、逃げ出すときに宝石の飾りのついた靴を落としてしまう。
 翌日、王子を魅了したプリンセス探しが始まるが、落とし物の靴がぴったり合う女性は見つからない。シンデレラは勇気を振り絞り、自分の足を差し出す。


キャスト

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