「白鳥の湖」

 チャイコフスキーの音楽によるクラシック・バレエ不朽の名作『白鳥の湖』。初演の地ロシアをはじめ、世界のあまたの振付家たちが改訂を施し、多種多彩なバージョンが上演され続けていますが、演劇的バレエの伝統息づく英国において、英国ロイヤル・バレエ団のアンソニー・ダウエル版とともに双璧をなす作品とされているのが、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団が上演している、ピーター・ライト版です。
 前芸術監督として1977年から18年にわたって英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団を率いたライトは、『ジゼル』『コッペリア』はじめ古典作品のリアリティ溢れる改訂で世界的に高い評価を得ています。この『白鳥の湖』も、登場人物の細やかな心理描写をはじめ、巧みなドラマトゥルギーと重厚な美しさに満ちた舞台で、批評家、観客の絶大な支持を獲得しています。
 その演出で最も特徴的とされているのは、幕開きに父王の葬列の様子が描かれていること。王の死を受け、すぐにも即位し、結婚しなければならないという、王子を取り巻く状況をより具体的に提示することで、その心理を丁寧に描き出すことに成功しています。王子に寄り添う従者ベンノの存在も重要で、このバージョンならではの衝撃的なラストにも、心揺さぶられるはず。
 1981年、サドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ団時代に初演され、30年以上にわたって愛されてきた、英国が誇るマスターピース。どうぞお楽しみに!


あらすじ

 父王の逝去により、ジークフリート王子は王位を継ぎ、妻をめとらなければならない。彼の気を紛らわすパーティーが催されるが、突然亡き王の妃が現れ、翌日の舞踏会で花嫁を選ぶよう言いのこす。従者ベンノは、気落ちする彼に、成人祝いに贈られた弓を試そうと提案、二人は宮殿を後にした。
 湖畔に佇むジークフリート。そこに一羽の白鳥が舞い降り、美しい乙女、オデット姫に変身した。彼女は悪魔ロットバルトの魔法で白鳥の姿に変えられ、真夜中から夜明けの間だけ人間の姿に戻れると話す。恋に落ちたことのない青年が永遠の愛を誓わなければ、その呪いは解けない。ジークフリートは彼女に永遠の愛を誓う。
 翌日、宮殿で舞踏会が開かれる。そこにロットバルトとその娘でオデットそっくりのオディールが登場。ジークフリートは彼女をオデットと信じ込み、求婚する。すると窓辺にオデットの姿が! 彼は別人に愛を誓ってしまった。絶望した彼は宮殿を飛び出し、湖畔へと向かう……。


キャスト

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