イントロダクション

 東京バレエ団は創立50周年記念シリーズで上演した大作や新しい経験によって、大きな成長を遂げつつあります。その新たな力をもって挑むのが、濃厚なエキゾティシズムとドラマ、クラシック・バレエの美が見事に溶け合った壮大なスペクタクル「ラ・バヤデール」3年ぶりの上演です。
 東京バレエ団の「ラ・バヤデール」は、演出・振付に伝説のバレリーナ、ナタリア・マカロワを招聘して2009年に初演し、絶賛を浴びました。舞台は異国情緒あふれる古代インド。ヒロインの巫女ニキヤと恋人のソロルに、領主ラジャとその娘ガムザッティ、大僧正らが絡んで繰り広げられる愛憎のドラマを軸とし、華やかなクラシック・バレエやエキゾティックなダンスが次々展開します。マカロワ版は長らくロシアで失われた最終幕を復活させ、逡巡する心のままガムザッティとの結婚式に臨むソロルのもとに、死して魂となったニキヤが現れるドラマティックな場面、つづく寺院崩壊のカタストロフまで息をもつかせぬ展開を見せる名版として知られています。ロシア・バレエ伝統のテクニックや演技術を精緻なまでに磨き上げるマカロワとオルガ・エヴレイノフの指導は、東京バレエ団の水準を極限まで引き上げ、神聖なまでの美を放つ奇跡の舞台が実現しました。
 今回ゲストとしてニキヤを踊るのは、いまや世界のトッププリマであり、英国ロイヤル・バレエ団で本版を何度も経験、2012年の世界バレエフェスティバル全幕特別プロでも至芸を披露したアリーナ・コジョカル。相手役にはマリインスキー・バレエの魅惑の王子、ウラジーミル・シクリャローフが決定!
 東京バレエ団キャストでは、09年初演でニキヤを演じた上野水香と、昨年の創立50周年記念ガラにおいて本作の第2幕である「影の王国」で上野のパートナーを務めた若手ホープの柄本弾。またニキヤの恋敵ガムザッティには凛とした美しさと迫力で役を生きる奈良春夏に加え、2月の「眠れる森の美女」に初主演する川島麻実子がこのたびも初役に挑みます。東京バレエ団ポスト50周年の新たな一歩となる舞台に、どうぞご期待ください!

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