新芸術監督・斎藤友佳理が長年夢見ていたブルメイステル版「白鳥の湖」がいよいよ実現!
全身全霊をささげる初演の舞台をお見逃しなく!

この8月、東京バレエ団のトッププリマとして長年活躍した斎藤友佳理が、東京バレエ団の芸術監督に就任。彼女が主導する初めてのビッグプロジェクトとなるのが本公演です。ダンサーとしての豊かな経験とバレエ文化への深い理解、そしてロシアでの指導者としての修学と、現地のモスクワ音楽劇場バレエや、東京バレエ団の「ラ・シルフィード」「ドン・キホーテ」ですでに高く評価されたその手腕を最大限に発揮して取り組みます。

ブルメイステル版「白鳥の湖」の魅力は、バレエ以前に演劇を学んだブルメイステルの「ダンサーは舞台上で登場人物の人生を生きなければならない」という言葉に表現されています。様式美を旨とする19世紀のプティパ=イワノフ版に対して、ブルメイステルはチャイコフスキーの原曲のドラマトゥルギーに従って音楽家の意図を忠実に再現し、ドラマティックな物語性を盛り込んだのです。この版は世界中で大成功を遂げ、名演出との誉れを得ています。

これまで多くの古典バレエはもとより、近年は「オネーギン」や「ロミオとジュリエット」などドラマティック・バレエで好評を博した東京バレエ団が、ポスト創立50周年に斎藤友佳理という新たな芸術監督を得たいま、古典とドラマを融合させたブルメイステル版を上演するのに最高に機が熟したといえるでしょう。

主演は、いまやトップ・ペアとしての華やかな存在感を示す上野水香&柄本弾に加え、「ラ・シルフィード」「ジゼル」でのたおやかな舞いが好評を博した渡辺理恵と、8月のオーディションでその実力が圧倒的な評価を得て入団した注目の秋元康臣のペア、そして2月の「眠れる森の美女」での優雅な演技が好評を博した川島麻実子と岸本秀雄の3組。

2016年、ブルメイステル版「白鳥の湖」で迎える東京バレエ団の新時代に、どうぞご期待ください。

ブルメイステル版とは・・・?

ロシアの振付家ウラジーミル・ブルメイステルによる、世界的に成功を収めたドラマティックな演出版です(1953年初演)。

ブルメイステルはチャイコフスキーの原曲に立ち返り、ドラマ性を高め、最大の見どころである第3幕では民族舞踊の踊り手が悪魔の手先として王子を眩惑する、劇的な展開に変更しました。

1960年にはパリ・オペラ座バレエ団が「白鳥の湖」初演にこの版を採用。ミラノ・スカラ座バレエ団のレパートリーにもなっています。

東京バレエ団芸術監督
斎藤友佳理

1987年に東京バレエ団に入団し、長年にわたってプリマ・バレリーナとして活躍。詩情あふれる典雅な踊りとドラマティックな表現力でたちまち大輪の花を咲かせる。主な古典全幕作品で主役を演じ、10年に「オネーギン」タチヤーナで、第27回服部智恵子賞、舞踊芸術賞、横浜文化賞を受賞。ベジャール、キリアン、ノイマイヤー作品でも活躍し、海外でも多数客演する傍ら、05年ロシア国立舞踊大学院を首席で卒業し、国立モスクワ音楽劇場バレエで指導経験を持つ。12年に紫綬褒章を受章。この8月には東京バレエ団芸術監督に就任。