アマンディーヌ・アルビッソン（エトワール）

Amandine Albisson

コール・ド・バレエのスジェ時代、初抜擢された大役が「ラ・シルフィード」だった、アマンディーヌ。この舞台で絶賛され、数ヶ月後にはプルミエール・ダンスーズ、さらに数ヶ月後にエトワールになった彼女にとって、本作品はラッキーピースだ。マチューとの相性のよさも見所の一つ。おっとりとのびやかでリリックな踊りを披露するかと思えば、背の高さを生かしたエッジの効いた動きも得意で、コンテンポラリーも見応えたっぷり。「ダフニスとクロエ」でも第三配役として初演時に踊っており、キレのよさとふんわりした情緒が混ざり合うクロエの再来も楽しみだ。

【ダンサー紹介：加納雪乃】

マチュー・ガニオ（エトワール）

Mathieu Ganio

２００４年に20才の若さで飛び級でエトワールになったマチューは、今や一番のベテランエトワール。生まれながらのノーヴルなシルエットとエレガントな佇まい。そこに、彼ならではの、美しさをきっちり保持した卓越した技術が加わり、パリオペラ座を代表するダンサーにふさわしい踊りを披露してくれる。「ラ・シルフィード」では見事な技術はもちろんのこと、気品と柔らかさがとろけるように融合する演技力や表情でも観客の心を捉えるはず。「テーマとヴァリエーション」では、美しいシルエットを存分に駆使したバランシンの醍醐味を見せてくれるだろう。

【ダンサー紹介：加納雪乃】

ドロテ・ジルベール（エトワール）

Dorothée Gilbert

今やオペラ座バレエの牽引的枠割を担うようになった、ドロテ。入団当時から評価されていた、抜群の安定感を持つ高い技術に、ここ数年は、深みのある演技力が加わった。「ラ・バヤデール」や「ジゼル」といった心情的な役でも大きな感動を我々に与えてくれるようになり、まさに今が円熟期。彼女の今の踊りを見られるのは、僥倖だ。生まれ持ったリズム感も魅力のドロテ。今回踊る２作品の、チャイコフスキーもショパンも、彼女の正確無比かつきらめくようなステップの魅力をよりいっそう引き立ててくれる。

【ダンサー紹介：加納雪乃】

ローラ・エッケ（エトワール）

Laura Hecquet

２０１５年春にエトワールになったばかりのローラは、今回が、エトワールとして初めてのオペラ座来日公演だ。気品あるシルエットと所作は、バランシン作品に理想的。体の隅々にまで意識を通したような動きは、指先から爪先までのすべてを美しく形作り、隙のない正統派のダンスに昇華する。「テーマとヴァリエーション」では、同じように王道フレンチスタイルの粋を披露するにちがいないマチューと、極めて高度でバランスのよいヴァリエーションやパ・ドゥ・ドゥで、バランシンの魅力を披露する。

【ダンサー紹介：加納雪乃】

マチアス・エイマン（エトワール）

Mathias Heymann

踊るたびに観客にため息をつかせ大きな拍手を呼び起こすマチアスの踊りは、一度見たら忘れられない。猫族を思い起こさせるしなやかで敏捷な動き、天女の羽衣をまとっているのかと錯覚するような滞空時間の長い跳躍、そして瞬きを忘れそうなほど見入ってしまう極上の脚技。「ラ・シルフィード」のヴァリエーションでは一回たりとも瞬きせずに、脚に要注目！オペラ座きってのバランシンダンサーでもあるマチアス。「テーマとヴァリエーション」で披露してくれるに違いない、完全に音楽と一体化したバランシンの理想の形を体現するマチアスもお見逃しなく！

【ダンサー紹介：加納雪乃】

ジョシュア・
オファルト（エトワール）

Josua Hoffalt

高度な技術をベースにした、伸びやかで柔らかな動きがとてもチャーミングなジョシュアの舞は、常に踊る喜びにあふれているようで、観客の頬を綻ばせる。ちょっとコケティッシュな表情もとても魅力的で、「アザー・ダンス」ではとりわけその真髄を存分に楽しめるだろう。パートナーとしての実力も高く、女性ダンサーの美しさを最大限引き立ててくえる貴重なダンサー。躍動感あるドロテの踊りを完璧に引き立てるに違いないパ・ドゥ・ドゥでのリフト技術も見所だ。

【ダンサー紹介：加納雪乃】

エルヴェ・モロー（エトワール）

Hervé Moreau

その立ち姿の美しさから湧き上がる、ポエティックでリリックなエルヴェの雰囲気は、そのまま古代ギリシアの物語。純粋な恋物語のクリエーションに際し、バンジャマン・ミルピエがエルヴェを初演ダンサーに望んだのは当然すぎる人選だ。結果生まれたのは、ダニエル・ビュレンが産み出した美しい色とラヴェルの叙情的な旋律に包まれた、エルヴェと彼の最高のパートナー、オレリーが情感たっぷりに踊り紡ぐ物語。ミルピエの、繊細でシャープな振り付けを、丁寧に心を込めて踊るエルヴェの姿は、見るものの心を震わせてやまない。

【ダンサー紹介：加納雪乃】

ミリアム・ウルド=ブラーム（エトワール）

Myriam Ould-Braham

ミリアムの動きや表情は、他のダンサーとは一線を画した魅力をたたえている。妖精的な、触れば消えてしまいそうな雰囲気。そこから湧き上がる、見事に音楽に共鳴した動きは、軽やかで愛くるしく、同時にシャープなキレも持ち合わせる。さらに最近の役作りの深さは、パリの観客に目を見張らせている。「ラ・シルフィード」ではたおやか極まりない妖精を演じ、ラストは会場が涙に包まれること間違いなし。「テーマとヴァリエーション」では、抜群の腕使いとリズム感で、組むと互いの魅力がより引き立つ、ベスト・パートナー、マチアスの傍で、ミリアムの最高の踊りが花開く。

【ダンサー紹介：加納雪乃】

リュドミラ・パリエロ（エトワール）

Ludmila Pagliero

南米出身のリュドミラは、母親譲りのそれはそれは美しい脚と、ラテンの血を感じさせる独特のスタイリッシュな感性、そして惚れ惚れするような技術を持つエトワール。「アザー・ダンス」の、音の流れがそのまま振り付けに乗り移ったようなロビンスのなめらかな動きは彼女の十八番。昨シーズンのパリでも、この作品でマチアスとともにガルニエ宮を沸かせた。高い技術があるからこそ実現できる、ごくナチュラルな、シャープでなめらかな動きはまさに眼福。衣装の裾から時折現れる美しい脚のラインにも、ぜひ注目を。

【ダンサー紹介：加納雪乃】