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  ベルリン国立バレエ団  
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    ラ・バヤデール  
    ニーベルングの指環  
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2005年6月 24日 (金) 5:00pm 東京文化会館
2005年6月 25日 (土) 2:00pm 東京文化会館
2005年6月 26日 (日) 2:00pm 東京文化会館
 巨匠モーリス・ベジャールが、ドイツ東西統合直後にベルリンのために創作したのが、ワーグナーのオペラに基づく、このバレエ版「ニーベルングの指環」です。オペラで4晩にわたって上演される物語を一夜分にまとめるという、バレエの常識を遥かに超えたスケール。世界の創造と再生という神話の物語を、ベルリンの壁崩壊という社会的事件になぞらえたタイムリーな現代性。すべてが観客の度肝を抜き、かつてのベジャール・バレエ団による日本公演も大きな話題となりました。神々の長ヴォータンと娘のブリュンヒルデ、ジークムントとジークリンデの恋人たちと、その息子のジークフリート、そして神々や人間たちの愛憎めくるめく所業を見据える火の神ローゲノ神話の人物たちを独自の視点で編み直した本作は、ベジャールの21世紀に向けた新たな世界観を提示しています。ベジャール自身の精力的なリハーサルに総力をもって取り組んだ新生ベルリン国立バレエ団によって、永遠の超大作が新たな魅力をもって披露されます!
 まずエルダが目覚める。彼女は最初の知識である恐怖—存在するものには必ず訪れる終末—を体現する。本作では、振付家<人間が憧れをもって自らの姿を映す鏡を体現する人物>でもある、さすらい人の登場。古いトネリコの枝で槍<法、権力、正義の象徴>を作り、鏡の前に立ったさすらい人は、そこに彼に瓜二つの人物ヴォータンを認め、槍を手渡す。ヴォータンは光の種族<神々>と闇の種族に分け、支配する。
 川底の黄金を見張っているラインの乙女たちが「愛を断念した者が、この黄金から指環を作れば、世界を支配できる魔力を得る」と謳うのを聞き、小人族のアルベリヒは黄金を奪い取り、愛を呪う。神々にとって至上の価値は愛であり、それは愛の女神フライアを有する神々だけのものである。巨人の兄弟ファーフナーとファーゾルトは、神々に神的権力を象徴する城ワルハラを提供する見返りにフライアを要求する。だが、契約どおり城を建ててもフライアを渡さぬ神々に怒り、巨人らは彼女を略奪し、アルベリヒの指環との交換を仄めかす。フライアを失った神々は年老い、死の不安に襲われる。アルベリヒは隠れ兜で姿を消すが、ローゲの計略で捕らえられ、指環に呪いをかける。その時エルダが神々の終末を予言し、指環の呪いから逃れるよう警告する。指環を手にした巨人の兄弟は争い、弟ファーフナーは兄を撲殺する。
 ヴォータンは、人間の女との間に双子ジークムントとジークリンデをもうけた。二人は引き離されてジークムントは法の圏外におり、世界をさまよい歩く。
 ジークムントは満身創痍でフンディングの家に着く。妻のジークリンデが迎え入れ、傷の手当てをする。初対面の彼らは、互いに自分の姿の投影を相手に見出す。フンディングが戻り、3人の間に緊張が走る。ジークムントとジークリンデは互いが兄妹であることを知り、愛を告白し、求め合う。これに、ヴォータンの正妻にして婚姻の神フリッカが激怒する。ヴォータンは譲歩せざるを得ず、ジークムントに死を宣告するためブリュンヒルデを遣わす。しかし、二人の愛に感動したブリュンヒルデはジークムントを守ろうとする。だがヴォータンが、息子ジークムントを守ると約束した剣を自ら打ち砕き、彼は死ぬ。ブリュンヒルデは身ごもっているジークリンデを神の怒りから遠ざけるため、自分が犠牲になる。ヴォータンは罰として、娘の神格性を剥奪し、人間の男の支配を受ける普通の女にしようとする。深く愛し合う父と娘は、最後に睦み合う。ヴォータンはブリュンヒルデを眠らせ、ローゲを呼んで炎の環で彼女を守らせる。勇者のみがこの火の中に踏み入ることができる。
 竜に身を変えたファーフナーの棲む洞窟。指環を持っているファーフナーに対する復讐心に燃える、アルベリヒの弟ミーメは、ジークリンデが産み落としたジークフリートを略奪し、彼にファーフナーを殺させようと目論む。
 ヴォータンに瓜二つのさすらい人が現れ、ミーメを驚愕させる。立ち去らない旅人にミーメは、首を賭けたなぞなぞ遊びを仕掛けるが打ち負かされる。そこに戻ってきたジークフリートにミーメは、恐怖という楽しみを持ちかける。これに挑むために若者は、生まれながらにもっていた父ジークムントの剣のかけら、ノートゥンクを鍛える。聖剣を手にしたジークフリートは、一人で鏡の前に立ち、森の妖気に包まれて、物言わぬ自分の姿に見入る。そこへ竜の姿のファーフナーが現れる。竜を倒したジークフリートはしかし、恐怖を感じることができなかった。一羽の鳥から知らされた、指環と隠れ兜を手に入れ、ジークフリートは自分を襲うミーメを倒す。
 ふたたび一人になったジークフリートは、鳥に導かれブリュンヒルデのもとへ向かう。ヴォータンの制止も効かず、彼は炎の中に分け入り、眠っているブリュンヒルデの前に立つ。彼は初めて恐怖とその表裏にある快感を知り、彼女に口づけするとブリュンヒルデは目覚める。二人はやがて情熱にかられ、愛し合う喜びに身をゆだねる。
 運命の女神ノルンの糸が人間の行為と結びつく。ジークフリートはすでにブリュンヒルデのもとで退屈を感じ、旅立つ。アルベリヒが人間の女に産ませた子ハーゲンは財宝を狙い、ギービッヒ家の当主グンターとブリュンヒルデ、妹グートルーネとジークフリートを結婚させようと企む。ハーゲンから忘れ薬を飲まされたジークフリートは、隠れ兜でグンターに姿を変えてブリュンヒルデを犯し、彼女に愛の証として渡してあった指環を奪い取る。
 二組の婚礼の宴で、ブリュンヒルデは、ジークフリートと指環をはめたグートルーネを目にする。ブリュンヒルデはジークフリートが夫であると主張するが、忘れ薬のせいで彼はそれを否定し、婚礼は混乱に陥る。
 ハーゲンはジークフリートに解毒剤を与え、彼はブリュンヒルデのことを思い出すが、その時ハーゲンはジークフリートを斬殺。グートルーネは発狂、グンターとハーゲンは指環をめぐって争う。ブリュンヒルデは夫の亡骸に火をかけ自らも炎の中へ。瞬く間にワルハラは炎上、ライン河が溢れて、指環を川底深く飲み込む。助かったものは何一つない。すべてがまた新たに始まることがあるとすれば、さすらい人が同様の行為によって、きわめて似た円環の形で遊戯を再開する時である。





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