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今をときめく、メゾ・ソプラノの名花が贈る、極上のオペラ・アリアの夕べ!
ヴェッセリーナ・カサロヴァ
メゾ・ソプラノ・リサイタル
プロフィール
プログラム
公演概要
 
完熟の域に達したメッゾの女王、ヴェッセリーナ・カサロヴァ
 2006年8月半ばのこと、音楽祭で大きく盛り上がっているザルツブルクのドーム近くでカサロヴァとばったり会った。といっても、一瞬、彼女とは分からなかったほどだ。ご主人とお子様と歩いている様子は幸せな家族のバカンスそのもの。彼女のザルツブルク・デビュー直後からいく度かお話を聞いていたので、こちらから声をかけてみた。するとプライヴェートな時間にもかかわらずいつも通りのフレンドリーな態度で接してくれた。世界的な名声を確立して久しい彼女だが、その物腰はデビュー直後とまったく変わらない。
 その2日後、彼女はニコラウス・アーノンクール指揮、ウィーン・フィルによる「皇帝ティトゥスの慈悲」の舞台でセストを演じた。フェルゼンライトシューレの横幅一杯にしつらえられた現代的な建物で、皇帝暗殺のテロを引き起こす実行犯を演じる彼女はまったくの別人のよう。役に入りきり、愛する女性の命令を受けてやむなく爆弾を仕掛ける若者を迫真の動きで演じきった。その歌唱の素晴らしさについてはもはや言うまでもないだろう。きめの細かい美声と作品のスタイルに即した表現によって、モーツァルトの音楽の真髄を提供する。彼女のことを今年の音楽祭でもっとも素晴らしい歌手と言い切ったとしても、異論のある人は少ないだろう。
 2007年2月の来日では、彼女がモーツァルトとともに、もっとも得意としているロッシーニがテーマ。「セビリャの理髪師」のロジーナのアリアをユーモアたっぷりに演じるカサロヴァの素晴らしさを体験した人は多いはず。ザルツブルク音楽祭で大成功を収めた「タンクレディ」、それから名作「アルジェのイタリア女」もあたり役だ。さらに「シャブランのマティルデ」というあまり耳にする機会がない作品のアリアも楽しみだ。もう一つのプログラムでは、ロッシーニ作品に一大ブームとなっているヘンデルのオペラのアリア、さらにはトマの「ミニョン」、グノーの「サフォー」というフランスもので彼女の近況を明らかにしてくれる。こうしたアリアの夕べでは、オペラの舞台ではカサロヴァはまた違った顔を見せてくれる。一つの役から別の役へと次々と移り変わる変わり身の早さには驚かされる。しかも、そこではきわめて高い音楽的な水準が保たれているのだから。

岡本 稔(音楽評論家)
プロフィール
ヴェッセリーナ・カサロヴァ
ブルガリアのストラ・ザゴーラ生まれ。4歳からピアノを学んだ。生地の音楽学校に進み、はじめは、ピアニストを目指していたため、高校課程はコンサート・ピアニストの資格を取得して終了。歌手への転向はソフィア音楽院でのことだったが、在学中にすでにソフィア国立歌劇場にメゾ・ソプラノ歌手として出演するようになり、「セビリアの理髪師」のロジーナや「コシ・ファン・トゥッテ」のドラベッラ、「運命の力」のプレツィオシッラを歌い、早くからその才能が高く評価されていた。
 1989年にドイツのギュンタースローで開催された「新しい声」コンクールにおいて第1位を獲得。これを契機にチューリッヒ歌劇場と2年間の契約を結ぶ。
 1991年にはザルツブルク音楽祭に「皇帝ティトゥスの慈悲」のアンニオ役でデビューを果たし、続いてウィーン国立歌劇場にもロジーナ役でデビューを飾った。さらに良く92年、カサロヴァの名はザルツブルク音楽歳での「タンクレーディ」において一躍注目を集める。このときの出演は、急病のマリリン・ホーンに代わってのタイトル・ロールだった。
 以後、チューリッヒを本拠としてウィーン、ミュンヘン、ロンドン、パリ、ジュネーブ、フィレンツェと、ヨーロッパの歌劇場で引っぱりだこの人気を得るところになった。1997年には、シカゴ・リリック・オペラでの「イドメネオ」、メトロポリタン歌劇場での「セビリアの理髪師」と。アメリカ・デビューも成功させている。
 1995年、96年のザルツブルク音楽祭におけるシェロー演出の「ドン・ジョヴァンニ」でのツェルリーナ、96年ウィーン国立歌劇場での「コシ・ファン・トゥッテ」(ムーティ指揮)でのドラベッラ、そして97年ザルツブルク・モーツァルト週間での「ポントの王ミトリダーテ」のファルナーチェ、同年夏のザルツブルク音楽祭での「皇帝ティトゥスの慈悲」におけるヴィテリアと、近年の主要なモーツァルト・オペラの新演出には欠かせない存在となっている。
 なお、ザルツブルク音楽祭では、99年の「ファウストの劫罰」、2000年の「コシ・ファン・トゥッテ」と「イドメネオ」の2つの新演出作品での活躍も特筆される。
 オペラの他、コンサートや歌曲のリサイタルもミラノ・スカラ座をはじめ、パリ、ミュンヘン、ベルリン、ライプツィヒ、ローマ、フィレンツェ、ウィーン、ドレスデンなど各地で行なっており、ベルリオーズやラヴェル、ショーソンを歌ったリサイタルのライヴ・アルバムもリリースしている。
 日本で行なわれた初めての公演は、2000年エディタ・グルベローヴァとのジョイントリサイタル。2003年には、同じくエディタ・グルベローヴァ、ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラと「ノルマ」(コンサート形式)、ラ・スコーラとのジョイントリサイタルを行ない、大成功を収める。2004年には待望の単独リサイタルが実現。
指揮:デイヴィッド・サイラス
 英国ロイヤル・オペラで1971年以来仕事をしており、現在は音楽部長。ロイヤル・オペラでは、モーツァルト「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」「皇帝ティトゥスの慈悲」「魔笛」、ワーグナー「さまよえるオランダ人」、ヴェルディ「椿姫」「ファルスタッフ」、ヤナーチェク「イェヌーファ」「カーチャ・カバノヴァ」、R.シュトラウス「サロメ」「エレクトラ」「ナクソス島のアリアドネ」、スメタナ「売られた花嫁」、ブリテン「ねじの回転」、ティペットの「真夏の結婚」などを指揮した。
 そのほか、「ワルキューレ」、ツェムリンスキー「フィレンツェの悲劇」(2003年スポレート・フェスティバル)、「真珠とり」、メノッティ「アマールと夜の訪問者」、ヘンツェや現代イギリス作曲家の作品を含む室内オペラを多数手掛けている。また、2007年には英国ロイヤル・オペラハウスで「カルメン」の指揮が予定されている。BBC交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、バンベルク交響楽団、ロンドン・シンフォニエッタなどと共演。
リートやオペラ・アリアのピアノ伴奏者としても、ウィグモア・ホール、クイーン・エリザベス・ホールなどロンドンの主要なホールを始めとしたイギリス各地のほか、ウィーンのムジークフェライン、ニューヨークのカーネギー・ホールなど多数の著名な劇場で演奏している。ヒルデガルト・ベーレンスと収録したシューマン「女の愛と生涯」がEMIから出ており、2007年にはジョン・トムリンソンと録音したシューベルト「冬の旅」がリリースされる予定である。カサロヴァとは、2004年に行われた日本でのリサイタルで指揮者として共演したほか、過去2年にわたり、ヘンデル、モーツァルト、グルック、ロッシーニといったオペラ・アリアを含むコンサート・シリーズを、バルセロナ、プラハ、ブリュッセルなどで行っている。
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
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プログラム
2月8日(木) 【オール・ロッシーニ・プロ】
第1部
「タンクレディ」より“おお、祖国よ”“君はわが心を燃え上がらせ”−“こんなに胸騒ぎが”
「絹のはしご」序曲(オーケストラ)
「シャブランのマティルデ」より “これで満足だろう”“ああ!なぜ、なぜ死は”
「ブルスキーノ氏」(オーケストラ)
「セミラーミデ」より “私はバビロニアで見た”“ああ、いつも憂い”
第2部
「セビリアの理髪師」より“今の歌声は“
「セビリアの理髪師」序曲(オーケストラ)
「アルジェのイタリア女」より“愛する彼のために”
「ウィリアムテル」(オーケストラ)
「アルジェのイタリア女」より“皆さん、あなた方を信じます”“祖国を思い“
2月11日(日・祝) 【バロック〜ロマンティック・アリア】
第1部
ヘンデル:「アリオダンテ」(オーケストラ)
ヘンデル:「アリオダンテ」より “まだ生きているのか”“不実な女め、戯れるがよい、情人の胸に”
ヘンデル:「アリオダンテ」(オーケストラ)
ヘンデル:「アリオダンテ」より“恐怖と不吉の夜の後に”
ロッシーニ:「ウィリアムテル」(オーケストラ)
ロッシーニ:「セミラーミデ」より“私はバビロニアで見た”“ああ、いつも憂い”
第2部
ロッシーニ:「セビリアの理髪師」より“今の歌声は“
トマ:「ミニョン」(オーケストラ)
トマ:「ミニョン」より“君よ知るや南の国”
グノー:「ミレイユ」 序曲(オーケストラ)
グノー:「サフォー」より  “私はどこにいるの?”“不滅のリラよ”
※出演者の都合により曲目が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
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公演概要
公演日程・会場
2007年2月8日(木) 7:00 p.m.
【オール・ロッシーニプロ】
サントリー・ホール
2007年2月11日(日・祝) 2:00 p.m.
【バロック〜ロマンティック・アリア】
 
入場料(税込)
S=¥15,000 A=¥13,000 B=¥11,000 C=¥8,000 D=¥6,000
エコノミー券=¥4,000(イープラスのみで1月12日(金)より受付開始/お一人様2枚まで)
学生券=¥3,000(NBSのみで1月12日(金)より受付)
※学生券は22歳までの学生を対象とします。公演当日に必ず学生証をお持ちください。
※未就学児童の入場はお断りいたします。
お問合せ・お申し込み
お問合せ・お申し込み
2007年2月14日(水)水戸芸術館  TEL:029-231-8000  水戸芸術館
2007年2月20日(火)ザ・シンフォニーホール(大阪)  TEL:06-6453-6000  ザ・シンフォニーホール
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