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モンテカルロ・バレエ団芸術監督 ジャン・クリストフ=マイヨー<br />Photo: Felix Dol Maillot

2020/07/01(水)Vol.401

振付家マイヨー独特の美学を探る
2020/07/01(水)
2020年07月01日号
TOPニュース
バレエ

モンテカルロ・バレエ団芸術監督 ジャン・クリストフ=マイヨー
Photo: Felix Dol Maillot

振付家マイヨー独特の美学を探る

ポスト・コロナの新時代、ダンスの中心にマイヨーがいる

本邦初演される『じゃじゃ馬馴らし』の場合も、シェイクスピアの戯曲を基にしてはいるが、ドラマに今日的な風を吹き込み、凛として自己主張をする現代の女性像を描こうとしている。男性の支配の下に女性を"調教(馴らす)"しようとする時代遅れの女性観から主人公を解放し、互いに求めあい尊敬しあう「結婚」へのプロセスをコミカルで見応えのあるバレエに仕立てた。ボリショイ・バレエでの初演(2014)から6年。このたび日本で紹介されるモンテカルロ・バレエ団の改訂上演版(2017)ではさらに群舞などの振付を充実させ、舞台の厚みが増しているというから楽しみだ。

2000年以来、マイヨーはモナコ公国の支援のもとにモナコ・ダンス・フォーラムの開催にも力を注いでいる。公演のみならず展示、ワークショップやセミナーなど新しい時代の文化を生み出すことに意欲を示し、フォーラムでは最先端のデジタル・アートや映像表現などを世界中の研究者を招いて紹介してきた。

ポスト・コロナの時代。時間や距離を超えるサイバー・ネットワークを駆使した表現が重要性を増し、舞台芸術が変化を迫られる今、先見性の光る新たな芸術的ネットワークを生みだしつつある。新旧の世代をつなぎ、伝統と現代が出会う。21世紀のバレエ表現を考える場=フォーラムを提供し、その中心にマイヨーがいる。舞台芸術の明日をいかに導いてくれるか期待したい。

Photo: Alice Blangero

(立木燁子/舞踊評論家)

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モナコ公国
モンテカルロ・バレエ団 2020年日本公演

「じゃじゃ馬馴らし」

公演日

11月6日(金)19:00
11月7日(土)13:00
11月7日(土)17:00
11月8日(日)13:00

会場:東京文化会館

※配役はモンテカルロ・バレエ団の方針により、公演当日に発表いたします。
※音楽は特別録音による音源を使用します。

入場料[税込]

S=¥17,000 A=¥15,000 B=¥13,000 C=¥9,000 D=¥7,000 E=¥5,000
●特別ペア割引 [S、A、B席]あり
●親子割引 [S、A、B席]あり

U25シート ¥2,000
※NBS WEBチケットのみで10/2(金)20:00から引換券を発売。

★プレトーク開催のお知らせ★
※11月7日(土)17:00の回の開演前、16:20より予定