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NBS日本舞台芸術振興会
モンテカルロ・バレエ団芸術監督 ジャン・クリストフ=マイヨー<br />Photo: Felix Dol Maillot

2020/07/01(水)Vol.401

振付家マイヨー独特の美学を探る
2020/07/01(水)
2020年07月01日号
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バレエ

モンテカルロ・バレエ団芸術監督 ジャン・クリストフ=マイヨー
Photo: Felix Dol Maillot

振付家マイヨー独特の美学を探る

マイヨーの創る舞台は、モダンアートのように美しい

ベジャール亡き後、シュツットガルト・バレエ団の輩出した鬼才振付家達が現代バレエをリードしてきたなかで、異彩を放つ存在がモンテカルロ・バレエ団を率いるジャン=クリストフ・マイヨーであろう。洗練された美意識に基づく斬新な舞台。綿密な計算の光る空間構成で、舞台美術もダンスも舞台を構成する要素が渾然一体となって融けあい、隙のない美の世界を現出する。

身体を均一的な様式に収める古典の様式美とは一線を画し、クラシック・バレエの正統を尊重しつつ従来のバレエとは異なる美や身体イメージの創出を追求している。目指すのは総合芸術。マイヨーにとって舞台空間は新たなイメージを浮上させるタブローに他ならない。

トゥール出身の生粋のフランス人。敬愛する父は画家で、舞台美術も手がけた。ロゼラ・ハイタワーのバレエ学校などでバレエを学び、ハンブルク・バレエ団でソリストとして活躍した後、1993年よりモンテカルロ・バレエ団の芸術監督を務めている。歴史を踏まえたバレエ・リュス所縁の作品や現代バレエの紹介に力を入れてきたが、その後はマイヨーの創作作品をレパートリーの主軸に置きバレエ団の個性を築きあげてきた。

マイヨーの創る舞台は、モダンアートのように美しい。古典作品を手がけるにしても物語の世界を深く読み直し(多くは心理的に)、同時代と響きあう今日的な表現を模索するが、その舞台が視覚的な美しさと結びついているところに特徴がある。たとえば、『シンデレラ』では、ガラスの靴の代わりに金色に輝くバレエ・ダンサーの脚がシンデレラを象徴する〈証〉として呈示された。表現の妙と言えよう。

長くマイヨーの創作意欲を刺激してきたベルニス・コピエテルスがそうであったように、この振付家は長身のダンサーを求める傾向があるようだが、重要なのはダンサーの身体が空間に描くラインであり、描線である。超絶技巧の披露にしても、それはマイヨーの作品世界の具現でなければならない。総合芸術としての揺るぎない構図と存在感。バレエの技法によりながら、しなやかな肢体が生み出す新たな身体イメージと語彙が求められている。

*コロナウイルス感染予防で自宅待機するダンサーたち。彼らがスタジオに戻ってくるまでをユーモラスに描いた動画。

■マイヨーの言葉

"マスクをつけて話すのは難しいが、空間がなくても、友達がいなくても、音楽家がいなくても、技術者がいなくても、演劇がなくても、踊るのは難しい。" ダンスは生きた芸術だ! アパートは舞台ではない、壁は相手にならない。モンテカルロ・バレエ団がアトリエに戻ってきました!

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モナコ公国
モンテカルロ・バレエ団 2020年日本公演

「じゃじゃ馬馴らし」

公演日

11月6日(金)19:00
11月7日(土)13:00
11月7日(土)17:00
11月8日(日)13:00

会場:東京文化会館

※配役はモンテカルロ・バレエ団の方針により、公演当日に発表いたします。
※音楽は特別録音による音源を使用します。

入場料[税込]

S=¥17,000 A=¥15,000 B=¥13,000 C=¥9,000 D=¥7,000 E=¥5,000
●特別ペア割引 [S、A、B席]あり
●親子割引 [S、A、B席]あり

U25シート ¥2,000
※NBS WEBチケットのみで10/2(金)20:00から引換券を発売。

★プレトーク開催のお知らせ★
※11月7日(土)17:00の回の開演前、16:20より予定