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 フリードリッヒ・ハイダーは日本の観客にはすでにおなじみの存在だろう。それはエディタ・グルベローヴァとのかかわりを抜きにして語ることは出来ない。私生活でもグルベローヴァの伴侶であるハイダーは、彼女の伴奏者としてまず来日した。その頃はピアニストとしての腕前はさすが、とうならせるものがあったものがあり、オーケストラの指揮でもアリアの伴奏はとても手馴れていたが、その間に演奏されたオーケストラ曲については「箸休め」の域を大きく出るものではなかったと記憶している。しかし、来日を重ねるたびに円熟の年輪を重ね、オーケストラ曲でも聞かせどころを的確に押さえた音楽作りを見せるようになった。
 ヨーロッパで顕著な活躍を見せるようになってすでに久しい。当初はグルベローヴァの共演者として手がかりを得たとしても、その後の展開はハイダーの能力の裏づけがあって実現したものに他ならない。ウィーン国立歌劇場、ドレスデン・ゼンパー歌劇場、バイエルン国立歌劇場といった名門で成功を重ねるとともに、オーケストラ・コンサートでもチェコ・フィル、シュターツカペレ・ドレスデン、リンツ・ブルックナー管弦楽団、エーテボリ交響楽団といった伝統を誇る団体に招かれている。
 1961年、オーストリア生まれのハイダーはウィーン音楽大学でニコラウス・アーノンクールのもとで学んだ。23歳にしてクラーゲンフルトで「ウィーンかたぎ」でデビュー、指揮、ピアノ伴奏者として幅広い活躍を行っている。1991年から94年まではストラスブールのライン・オペラの首席指揮者をつとめ、2004年にはスペインのオビエド・フィラルモニアの音楽監督に就任した。
 オビエドは世界遺産に指定された歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群教会群をもつスペインの古都。工業都市としても知られる。そこにオビエド市の主導で設立されたフィラルモニアはスペインで最も新しいオーケストラの一つである。1999年に初演奏会を開催し、以後、評価を急速に高めている。来日公演のプログラムは全てスペインの作曲家の名作で固められた興味深いもの。スペインの演奏家たちが生来持っている感性とハイダーの熟達のタクトとの出会い、そこから生まれる新鮮な響きは長い伝統を誇る名門とは一味違った魅力を放つことだろう。2005年パガニーニ・コンクール優勝のヴァイオリンのイワン・ポチョーキン、ウィーンを本拠地に活躍するバリトンのパレイ、二人の新鋭ソリストにも期待したい。
岡本 稔(音楽評論家)
   
 1984年クラーゲンフルトでの『ウィーン気質』で指揮者としてデビュー。以後、バルセロナでの『さまよえるオランダ人』、『ローエングリン』、『ナクソス島のアチアドネ』および数々のベル・カント・オペラ、ストックホルムでの『ラ・ボエーム』、エクサン・プロヴァンスでの『フィガロの結婚』、リスボンでの『サロメ』、ボンでの『後宮からの逃走』、『愛の妙薬』、『カプレーティとモンテッキ』、モンペリエでの『ナクソス島のアリアドネ』、『魔笛』など、幅広いレパートリーで活躍。1991年から95年には、ストラスブールのライン・オペラにおいて、首席指揮者として『椿姫』、『リゴレット』、『トロヴァトーレ』、『メリー・ウィドウ』、『蝶々夫人』、『サロメ』、そしてリヒャルト・シュトラウスの全歌曲を指揮した。またニース、リスボン、ハンブルク、ケルンほか、各地に招かれている。2002年9月、ウィーン国立歌劇場デビューを果たした。2004年よりオビエド・フィラルモニアの音楽監督に就任。2008年のウィーン国立歌劇場日本公演では『ロベルト・デヴェリュー』を指揮する予定となっている。
いまウィーンで売り出し中の新鋭バリトン!
 アルゼンチン出身。2000年からウィーンに居を移して活動。南米では50を超えるソロ・リサイタルを行ない、コロン劇場、マンハイム国立劇場、マイアミ・フロリダ・グランド・オペラ等でオペラに出演。また1996年以降、ドイツ・リートにも取り組み、ドイツ、オーストリア、スイス他各国でリサイタルを多数行なう。
17歳でパガニーニ・コンクールを制した天才ヴァイオリニスト!
 1987年生まれの新鋭ヴァイオリニスト。モスクワの音楽一家に生まれ、15歳でA.レヴァン指揮によるプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番で演奏家としてデビュー。2005年、17歳でバガニーニ国際コンクール優勝。ケルン音楽大学とモスクワ・チャイコフスキー音楽院で学びつつ、ドイツ、スペイン、ロシアなどで演奏活動を行なう。
 オビエド市主導の下に創設され、1999年に初演奏会を行なう。カンボアモール劇場で行なわれるスペイン・サルスエラ主要参加団体。多くのオペラ、コンサート、サルスエラで演奏を行ない、M.マイスキー、Y.バシュメント、B.ベルキン、B.ダヴィドヴィッチやE.グルベローヴァ、M.カバリエ、J.ハワース、J.アンダーソンらと共演。また幅広い分野の音楽を録音している。
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■マニュエル・デ・ファリャ
歌劇「はかない人生」より間奏曲と序曲/ 「スペインの7つの民謡」(バリトン&オーケストラ)/「恋は魔術師」
■パブロ・デ・サラサーテ
「バスク奇想曲」「ハバネラ」「チゴイネルワイゼン」「カルメン」幻想曲(以上ヴァイオリン&オーケストラ)
※出演者の都合により曲目が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
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2007年4月7日(土)2:00 p.m.     会場:東京文化会館
S=¥12,000 A=¥10,000 B=¥8,000 C=¥5,000 D=¥4,000 E=¥3,000 
エコノミー券=¥2,000(イープラスのみで3月2日(土)より受付開始/お一人様2枚まで)
学生券=¥2,000(NBSのみで3月2日(金)より受付)

※学生券は原則として22歳までの学生を対象とします。公演当日に必ず学生証をお持ちください。
※未就学児童の入場はお断りいたします。
   
   
4月1日(日) 2:00p.m.
4月6日(金) 7:00p.m.
    会場:東京文化会館
S=¥21,000 A=¥18,000 B=¥15,000
【予定される曲目】
ドニゼッティ 歌劇「ランメルモールのルチア」より狂乱の場“苦しい涙を流せ”/ベッリーニ 歌劇「ノルマ」より“清らかな女神よ”/モーツァルト 歌劇「後宮からの逃走」より“あらゆる]苦しみが”/ベッリーニ歌劇場「テンダのベアトリーチェ」より“もし私に墓をたてることが許されても”/ほか
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