シルヴィア

英国ロイヤル・バレエ団の名声を一躍世界に知らしめ、これぞロイヤルの“十八番(おはこ)”と謳われた『眠れる森の美女』が、いよいよ日本の舞台に登場します!
 1946年2月20日、英国王室の人々も臨席するコヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラハウスは晴れやかな興奮に沸き返っていました。辛い戦争が終わり、ようやく再開されたオペラハウスで、“オーロラ姫のように、劇場が戦争の眠りから覚めて幸福な未来へ向かうように”と祈念され披露された舞台。それは英国人デザイナーの手による気品と温もり満ちた美術に彩られ、マーゴ・フォンテインの名演と壮大な群舞によって、古典バレエの名作の魅力をぞんぶんに堪能させるものでした。観客はそこに新しい時代の到来を実感し、さらには自分たちが誇る素晴らしいバレエ団が誕生したことを見届けたのです。
 この『眠れる森の美女』は、3年後のニューヨーク公演で絶賛され、その不動の名声を確立。以後、英国ロイヤル・バレエ団は歴代の芸術監督が改訂を加えながら、『眠れる森の美女』を自分たちの伝統として大切に守ってきました。そして2006年、現監督のモニカ・メイスンの指揮の下、1946年版のメッセルの美術が復元され、コジョカルを筆頭とするプリマたちの新時代の息吹をまとって、公演はまたもや絶賛を博したのです。
 英国が世界に誇る国民的なバレエを創作することを念頭に渾身の力を注いで実現し、今またその伝統を誇るべく絶対の自信をもって披露する記念碑的舞台にどうぞご期待ください!