バレエ・リュスがモンテカルロを本拠にしてから100年。最先端の美が日本上陸!
鬼才ジャン=クリストフ・マイヨー率いる
モナコ公国 モンテカルロ・バレエ団
2012年日本公演
両親の愛の姿が、シンデレラと王子を導く。 ユニークにして心温まるマイヨーの傑作。
「シンデレラ」
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ 装置:エルネスト・ピニョン=エルネスト 衣裳:ジェローム・カプラン 照明:ドミニク・ドゥリヨ
マイヨーはおなじみの全幕バレエに新しい解釈と卓越したアイデアを盛り込んだ作品をつぎつぎ発表していますが、セルゲイ・プロコフィエフの音楽による本作は、なかでももっとも成功したものとして、高い評価を獲得しています。 父親の再婚により虐げられた家族環境のもとで不幸な日々を送るヒロイン、シンデレラのおとぎ話は、ある日仙女の魔法により舞踏会に出かけ、ガラスの靴の導きで幸福を手に入れるラッキーストーリーとして知られています。 マイヨー版では仙女をヒロインの亡き母親として登場させ、シンデレラは母のものであったドレスを身に着け、脚にはキラキラと光るスパンコールをつけて舞踏会へとでかけます。また従来と違い、王子は人生に真に必要なものを探し求める若き青年として第1幕から登場。そして第2幕の舞踏会では、シンデレラと王子が出会うのと同時に仙女である母とシンデレラの父が再会し、2世代の愛の物語が合わせ鏡のようにオーバーラップします。 舞台装置である、曲線を描く20枚のパネル上には、さまざまな色彩やモンタージュが映写され、場面の雰囲気と同時に登場人物の心理を描きます。また洗練された美しいドレスやスパンコールが、魔法のアイテムとして使われます。意匠を凝らしたセットと衣裳がダンスと一体となり、舞台はやがて、試練と向き合い、両親たちの愛の歴史を知ったヒロインが幸福をつかみとる、説得力のある大団円へと導かれるのです。マイヨーが描く、美しい現代のシンデレラ・ストーリーをぜひご体験ください!
Photo : Marie-Laure Briane