イタリア・オペラの殿堂によるヴェルディ・オペラの神髄 ミラノ・スカラ座 TEATRO ALLA SCALA 2009年日本公演
イントロダクション 「アイーダ」 「ドン・カルロ」 最新情報 来日特別演奏会 公演概要
解説 Story・聴きどころ スタッフ・CAST 動画
「アイーダ」【全4幕】当代随一の円熟の巨匠バレンボイムが指揮を振る、贅のかぎりを尽くした究極のイタリア・オペラ!

Story・聴きどころ

登場人物

エジプト王(バス)
アムネリスの父親。威厳に満ちている。

アムネリス(メゾ・ソプラノ)
エジプト王の娘で王女。ラダメスをめぐってアイーダとは恋敵である。気性の激しい女性。

アイーダ(ソプラノ)
エジプトの王女アムネリスに仕える女奴隷だが、実は敵方エチオピアの王女。密かに警護隊長のラダメスと愛しあっている。

ラダメス(テノール)
エジプトの警護隊長。アイーダの恋人。アムネリスから想いを寄せられている。正義感の強い、熱血型の若者。

ランフィス(バス)
エジプトの祭司長。

アモナスロ(バリトン)
アイーダの父。エチオピア王だが、戦いに敗れ、エジプトに奴隷として連れてこられる。

人物相関図

あらすじ

第一幕

メンフィスの王宮の広間

祭司長ランフィスが、エチオピア人たちの蜂起でナイルの谷がおびやかされていると警護隊長ラダメスに知らせる。ランフィスは女神イシスのお告げを受け、エジプト軍を率いるべき指揮官の名を王に知らせに行くところだ。ひとり残ったラダメスは栄光を夢見、それ以上に愛するエチオピアの女王アイーダを思いつつ、指揮官に選ばれることを心ひそかに期待する(アリア「清きアイーダ」)。人知れずラダメスに想いを寄せ、ライバルの出現を恐れている王女アムネリスはその表情を見逃さない。アイーダが登場するが、ラダメスと女奴隷の落ち着かない様子にアムネリスは疑いを深める。衛兵、大臣、祭司たちに続いて追うが登場。使者がエチオピアの侵攻について語る。アモナスロ王を指導者としてテーベを攻撃しようとしているというのだ。その場に居合わせた人々は戦いを要求し、王はイシスがラダメスを軍の指揮官に指名したと告げる。喜ぶラダメスにアムネリスが旗を渡し、人々は勝利して戻ってくるよう言葉をかける。アイーダだけが悲しみに打ちひしがれる。自国の民が敗北し、父アモナスロが牢に繋がれるのを見たくはないし、さりとて愛するラダメスを失いたくもないからだ(アリア「勝ちて帰れ」)

メンフィスのウルカヌス神殿

ランフィスが他の祭司たちと共に祭壇の前にいる。奥からフタの神に祈願する巫女の歌が聞こえてくる。神殿にラダメスが案内される。巫女たちが舞い、指揮官の頭にベールが広げられ、聖なる武器が授けられる。ランフィスはラダメスにエジプトの運命を託す。

第二幕

アムネリスの居室

黒人奴隷が舞い踊る一方で、アムネリスは女奴隷たちに着付けをさせ、勝利者ラダメスを称える凱旋の宴のための支度を整える。アイーダが登場するが、悲しみにくれている様子。アムネリスは疑いを抱きつつも、エチオピア人民の敗北に対するアイーダの苦しみを分かち合うふりをする。そしてラダメスが戦死したと嘘を付き、アイーダがひどく悲しむのを見て、彼女が恋敵であることを確信する。二人の女は対峙する。激しく憤ったアムネリスはアイーダをおどし、間近に迫ったみずからの勝利に立ち会うよう強いる。

テーベの城門

王が従者たちを連れて登場し王座に座る。その脇には女奴隷たちとアイーダを従えたアムネリス。人々はエジプト、イシス神、そして王を賛美して歌う。ファンファーレに続き意気揚々と軍隊が王の前を更新し、凱旋パレードの最後にラダメスが登場(「凱旋行進」)。アムネリスはその頭に冠を載せ、王は何でも望みのものを言うよう促す。アイーダはエチオピアの捕虜たちにまじって一仕官の身なりをした父アモナスロがいるのを見つけ、父を抱きしめるが、裏切らないよう本当の身分は明らかにしない。アモナスロは王の前に出て、敗北した民への慈悲を求める。エジプトの民は捕虜たちに同情するが、ランフィスと祭司たちは情けをかけるなと進言する。そこでラダメスが敗北したエチオピア人たちの命と自由を求め、王はそれを了承するが、アイーダと父親だけは———ランフィスの助言にのっとって———平和の証として人質とする。そしてラダメスにアムネリスを花嫁として与え、将来はラダメスがエジプトを治めることとする。アムネリスの狂喜にアイーダの絶望が反響する。

第三幕

ナイル川のほとり

イシスの神殿から女神を称える歌が聞こえてくる。舟が岸に着き、アムネリス、ランフィス、ベールをかぶった女数名と衛兵たちが降りてくる。翌日に結婚式をひかえたアムネリスが神殿に祈りに来たのだ。ベールをかぶったアイーダが登場し、逢引を約束したラダメスを待つ。恋人を待つ間、破れた愛の夢と、再び見ることのない祖国の美しさとを思いかえす(アリア「ああ、わが故郷!」)。ところが、先にアモナスロがあらわれる。父は娘がラダメスを愛しているのに気づき、祖国へもどって幸せな恋愛をするように言う。しかしその前にエジプトが敗北しなければならない。そこでラダメスから軍隊が使う道を聞き出すように頼む。はじめアイーダは拒絶するが、娘をファラオの奴隷と呼び、縁を切るとおどすアモナスロの執念に最後は折れる。アモナスロは隠れる。ラダメスが登場、アイーダに打ち明け話をする。もう一度戦いに勝利し、その見返りとしてアイーダと結婚する許可を王から得ようというのだ。一方アイーダはエチオピアに逃げ、そこで幸せに暮らそうと提案する(アイーダとラダメスの「愛の二重唱」)。はじめはためらうラダメスであったが、最後は説得され、ふたりは逃げる心づもりをする。アイーダがどうすれば軍隊を避けられるのかと尋ねると、ラダメスは明日までナパタの渓谷には誰もいないと答える。アモナスロはその地名を聞くと、隠れ場所から出て、エチオピアの王であることを明らかにする。ひれ伏したラダメスは祖国を裏切ったことを知る。アムネリスがラダメスの裏切りを責めながら神殿から出てくると、アモナスロは彼女を殺そうと襲いかかる。しかしラダメスが間に入る、アムネリスが刺されるのを何とか止める。そしてアイーダとその父親を逃がし、みずからはランフィスのもとに出頭する。

第四幕

王宮の広間

アムネリスは深い悲しみにくれている。ラダメスは裏切りのかどで裁判にかけられようとしているが、アムネリスはまだ彼を愛しており、助けるためにはどんなことでもしようと心に決めている。ラダメスを自分の前に連れてこさせ、潔白を証明するよう懇願する。しかしラダメスは自分の名誉は汚されておらず、アイーダを失ったからには死ぬ覚悟だと拒絶する。アムネリスは、アイーダは生きていて自由だと伝え、彼女を諦めるなら命を助けると約束する。アムネリスは祭司たちが通るのを見る。判決を下すため地下室に入っていくところだ。ラダメスは祖国を裏切り、戦いを放棄し、王の信頼に応えなかった罪で告発されるが、弁明を拒否し、生き埋めの刑を宣告される。アムネリスは絶望にうちひしがれ、祭司たちを呪う。

上部はウルカネス神殿、下部は地下室

二人の祭司が、ラダメスが埋められた地下室を石で閉じる。ラダメスは暗がりの中でうめき声を聴き、人影が近づいてくるのを見る。それは恋人の腕の中で死のうと決め、ひそかに地下室に入っていたアイーダであった(アイーダとラダメスの「愛の二重唱」)。ラダメスとアイーダは死の天使が近づいてくるのを見、一緒に地上の生に別れを告げ、天にのぼる覚悟をする。喪服をつけたアムネリスはラダメスの魂のため神殿でイシスの神に祈る。


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