バイエルン国立歌劇場 広報部長インタビュー(後半) ~ペトレンコが指揮をすると全く新しい作品に聴こえるほど観客に新鮮な驚きをもたらすのです~


バイエルン国立歌劇場の日本公演まであと28日!
本日はバイエルン国立歌劇場スタッフ、クリストフ・コッホさん(広報部長)のインタビュー後半をお届けします。『タンホイザー』の創作過程について、興味深いお話を聞かせてくれました。

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- バイエルン国立歌劇場では、オペラやバレエの上演に際し、たくさんのイベントを行っていますね?

クリストフ・コッホ
  毎年シーズンの最後に〈オペラ・フェスティバル〉を行います。今年は2つの大切なプレミエ公演があり、『オベロン』(ウェーバー作曲)と滅多に上演されない『烙印を押された人々』(シュレーカー作曲)を上演します。大劇場だけではなく、300席くらいのミュンヘン市内の小さな劇場でも上演しますし、上演に付随したワークショップ、子どものためのオペラなど、たくさんの面白い企画をお見せします。
 7月9日に上演する『タンホイザー』の他、前述の2つのプレミエ(『オベロン』、『烙印を押された人々』)はWEB上から無料でご覧いただけます。バイエルンに足を運ばなくても観られますので、日本のお客様にもぜひ観ていただきたいと思います。


- 〈オペラ・フェスティバル〉の期間はものすごく忙しくなりそうですね。

クリストフ・コッホ
 本当にそうなのです! 1週間に5つの異なる作品の上演、小規模な作品、付随するコンサートやイベントなど、盛りだくさんです。大劇場(バイエルン国立歌劇場)だけではなく、プリンツレゲンデン劇場という小さな劇場でもオペラを上演します。数日という短い滞在期間でも様々なオペラを観ることができますので、遠くから来てくださるお客様にとってはとても良いと思います。あまりにもたくさんの舞台があるので、とても全部は観られないですよ!


ペトレンコが指揮をすると全く新しい作品に聴こえるほど観客に新鮮な驚きをもたらすのです。


- 新作の制作過程についてお尋ねします。演出家カステルッチと指揮者ペトレンコはどのようにして作品を創っていったのでしょうか?

クリストフ・コッホ
 演出家と指揮者はつねに話し合います。このような大きなプロダクションの場合はリハーサルに2か月時間をかけます。その間何度も直接話し合います。演出も音楽もどちらもとても大事なものですから、どちらが優位にたつということはありません。お互い意見を出しあって話します。『タンホイザー』の出来栄えについてはみんな満足しています。
 ペトレンコはつねに素晴らしい指揮をします。レパートリーは幅広く、プッチーニ、ツィマーマン、ショスタコーヴィチ、スクリャービンなどいくつもありますが、どの作品も細部にまでこだわって磨き上げ、みなさんが知っている曲でも、彼が指揮をすると全く新しい作品に聴こえるほど観客に新鮮な驚きをもたらすのです。


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- バッハラー総裁は今回のニュープロダクションの上演にあたり、どのように関わったのでしょうか?

クリストフ・コッホ
 総裁の仕事は演出家と指揮者、そして歌手のエキサイティングな組み合わせを考えることです。彼はカステルッチを選び、この公演を実現させるために働きますが、舞台の中身に関して口をはさむようなことはありません。カステルッチとペトレンコの組み合わせについては4年前から計画していました。
 出演する歌手はペトレンコとバッハラー、2人で一緒に選びました。


- バイエルン国立歌劇場はまたカステルッチと仕事をしたいと考えているのでしょうか?

クリストフ・コッホ
 将来の計画について今申し上げることはできません(笑)。ですが、劇場のみんなは彼と『タンホイザー』を創ることができて幸せでした。彼がすぐに戻ってくるわけではありませんが、また彼がきてくれたら私たちは歓迎するでしょう!







バイエルン国立歌劇場『タンホイザー』 紹介映像


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