ウィーン国立歌劇場「ナクソス島のアリアドネ」出演者変更のお知らせ

公演関連情報 2016年9月30日 18:03

 9月8日付NBSホームページでお知らせしましたように、ウィーン国立歌劇場2016年日本公演『ナクソス島のアリアドネ』に"テノール/バッカス"役で出演予定だったヨハン・ボータが同日急逝し、ウィーン国立歌劇場は代わりの歌手の調整を急いでおりました。
 このたびその代役にステファン・グールドが決定いたしましたのでお知らせいたします。
 ステファン・グールドは今回上演されるベヒトルフ演出『ナクソス島のアリアドネ』が2012年にウィーンで初演された際にテノール/バッカス役を歌ったプレミエ・キャストで、これ以上の適任はないとウィーン国立歌劇場側が判断したものです。
 
 また、同公演で"作曲家"の役を歌う予定だったヴェッセリーナ・カサロヴァが、近親者の死去を理由にウィーン国立歌劇場に本公演への不参加を申し出、歌劇場が了承しました。
 カサロヴァに代わりまして、ステファニー・ハウツィールが『ナクソス島のアリアドネ』の"作曲家"を歌います。ハウツィールは近年ウィーンにおいてこの演出版で"作曲家"を歌い、成功を収めております。
 以上の配役変更につき、なにとぞご理解をいただきますようお願い申し上げます。
 
 なお、カサロヴァの降板につきましては、ウィーン国立歌劇場及びドミニク・マイヤー総裁よりメッセージが届いております。また、グールドとハウツィールのプロフィールを以下に掲載いたします。併せてご一読いただければ幸いです。
 
 
公益財団法人日本舞台芸術振興会
 

 
ウィーン国立歌劇場2016年日本公演
『ナクソス島のアリアドネ』

■ テノール/バッカス:ヨハン・ボータ → ステファン・グールド
■ 作曲家:ヴェッセリーナ・カサロヴァ → ステファニー・ハウツィール




ウィーン国立歌劇場からのメッセージ
 
 ヴェッセリーナ・カサロヴァが、家族の不幸により、このたびのウィーン国立歌劇場日本公演への参加が不可能となり、『ナクソス島のアドリアネ』の作曲家役から降板することとなりました。この降板について、カサロヴァは大変残念に思っており、主催者、カンパニー、そして聴衆の皆様に対しまして心からお詫びするとともに、理解を求めてきております。

 つきましては、ステファニー・ハウツィールを代役に立てることが可能となりましたことを謹んでお知らせ申し上げます。ハウツィールは先日のウィーンでの同演出版の同役において絶賛されたばかりです。また世界各地の主要オペラハウスにて様々な主役を務め、数々の成功を収めております。




ウィーン国立歌劇場総裁ドミニク・マイヤーからのメッセージ

 ステファニー・ハウツィールは素晴らしい歌手で、この夏も、バイロイトの公演で絶賛されました。マエストロ ヤノフスキをはじめ、共演した多くの偉大な指揮者から最大級の評価を受けています。ハウツィールは現在、ウィーンにおいて新演出の『アルミード』のリハーサルを行っておりますが、私は彼女をこの『アルミード』公演シリーズの後半から特例的に外して、日本の聴衆の皆さまに万全の形で彼女の"作曲家"役をご披露できるようにいたします。


 
 


ステファン・グールド
Stephen Gould

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  アメリカのヴァージニア州生まれ。優れたヘルデン・テノールとして世界中で活躍している。
 近年の活躍としては、バイロイト、チューリッヒ、ロンドン、東京、ドレスデン、ベルリンでの『トリスタンとイゾルデ』のタイトルロールで成功をおさめているほか、『ナクソス島のアリアドネ』のテノール/バッカス役をウィーン、ドレスデン、グラーツで、『フィデリオ』のフロレスタンをハンブルク、ミュンヘン、ドレスデン、東京、フィレンツェで、『道化師』のタイトルロールをベルリンで、『ローエングリン』のタイトルロールをハンブルク、ドレスデン、トリエステで、『神々の黄昏』のジークフリートをアムステルダム、ウィーン、ベルリン、ミュンヘン、バイロイト、ニューヨークで歌っているほか、ブエノスアイレス、ザルツブルク、ドレスデンの『影のない女』、ウィーン、ベルリン、ドレスデン、グラーツの『パルシファル』、トリノ、マドリッド、ニューヨーク、ミュンヘン、パレルモの『さまよえるオランダ人』、ヴァレンシア、フィレンツェの『トロイ人』、東京、ドレスデン、フィレンツェの『オテロ』、ブダペスト、ウィーン、パリ、東京、ジェノヴァ、バイロイトの『タンホイザー』、ドレスデン、ジェノヴァの『ピーター・グライムズ』、ベルリン、ウィーン、ロンドンの『死の都』などで成功をおさめている。
 2017年には、ドレスデンでジークフリート、ベルリンでタンホイザー、ウィーンとミュンヘンとバイロイト音楽祭のトリスタン、東京で『神々の黄昏』のジークフリートを歌う予定。





ステファニー・ハウツィール
Stephanie Houtzeel

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  ニューヨークのジュリアード音楽院を優れた成績で卒業。
 すでにパリ・オペラ座、チューリッヒ歌劇場、ドレスデン国立歌劇場、ニューヨーク・シティ・オペラ、アン・デア・ウィーン劇場。リヨン・オペラ、デンマーク王立歌劇場、イスラエル・オペラ、グラーツ歌劇場、ザルツブルク音楽祭で主演歌手として活躍している。
 2010/2011 年シーズンより、ウィーン国立歌劇場のアンサンブル・メンバーとなり、これまでに『ナクソス島のアリアドネ』の作曲家、『ばらの騎士』のオクタヴィアン、『コシ・ファン・トゥッテ』のドラベッラ、『カーチャ・カバノヴァ』のヴァルヴァラ、『ホフマン物語』のニクラウス、『メデア』のクレオサ、トーマス・アデス作曲『ザ・テンペスト』のミランダ、『こうもり』のオルロフスキー、『マハゴニー市の興亡』のジェニー・ヒルなどを歌っている。
 このほか、レパートリーはモーツァルトからシュトラウスまで幅広く、『ウェルテル』のシャルロット、グルックの『オルフェオ』、ヘンデルの『アリオダンテ』、『ファウストのごう罰』のマルグリートなども含まれている。
 今後の予定には、ベルリン・コーミッシェ・オーパーの『クセルクセス』、バスティーユ・オペラ『ばらの騎士』のオクタヴィアン、バイロイト音楽祭とアムステルダム・コンセルトヘボウでの『ワルキューレ』(ゲルギエフ指揮)などがある。






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ウィーン国立歌劇場『ナクソス島のアリアドネ』バッカス/テノールを歌うステファン・グールド
photo:Wiener Staatsoper/Michael Poehn


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