【ウィーン国立歌劇場】 もっと知りたい!歌手紹介②

インタビュー・レポート 2016年8月30日 11:52

今秋の来日公演で歌うのは選りすぐりの歌手たちです。音楽評論家の奥田佳道さんに、まず「ナクソス島のアリアドネ」に出演する歌手4人を解説していただきました。



ダニエラ・ファリー Daniela Fally

(「ナクソス島のアリアドネ」ツェルビネッタ役)


センセーションを巻き起こした現代最高峰のコロラトゥーラ・ソプラノ


Fally (c) MarcelGonzalezOrtiz - s.jpg現代最高峰のコロラトゥーラ・ソプラノ。「ナクソス島のアリアドネ」のツェルビネッタ、「アラベラ」のフィアカーミリ、ヴェルディ「仮面舞踏会」のオスカル、オッフェンバック「ホフマン物語」のオランピアと言えば、近年ファリーだ。


オーストリア・ニーダーエーステライヒ州出身の若きソプラノで、ウィーン国立音楽演劇大学などでヘレーナ・ラザルスカやエディット・マティスに学ぶ。2006年、「こうもり」のアデーレでエバーハルト・ヴェヒター賞を受賞。同年暮れ、フィアカーミリでウィーン国立歌劇場にデビューし、センセーションを巻き起こす。そして2009/10年のシーズンから同歌劇場と専属契約を結ぶ。それ以前はウィーン・フォルクスオーパーの名花でもあった。


ウィーンのほかザルツブルク音楽祭、ミュンヘン・オペラ音楽祭、バイエルン国立歌劇場でツェルビネッタ、アデーレ、フィアカーミリ、それに「後宮からの誘拐」のブロンデなどを歌っている。ドレスデン国立歌劇場でのクリスティン・ティーレマンとの共演もファンを大いに喜ばせた。


2013年、アデーレでシカゴ・リリック・オペラにデビュー。2014年にはザルツブルク復活祭音楽祭とドレスデンでもフィアカーミリを歌った。前者はティーレマンの指揮だった。
いっぽう、ドニゼッティの「連隊の娘」もレパートリーで、2013/14年のシーズンにウィーンでフアン・ディエゴ・フローレスと共演し、満場を沸かせている。ピョートル・ベチャワとの「ホフマン物語」も名舞台のひとつ。


昨年から今年にかけてダニエラ・ファリーはウィーンでアデーレ、「ウェルテル」のソフィーを、ウィーンとパリでツェルビネッタを、ベルリンでシェーンベルクの「ヤコブの梯子」を、オーストリアのグラーフェネック音楽祭で「カルミナ・ブラーナ」(以上順不同)を歌っている。

                                             文:奥田佳道(音楽評論家)


photo: Marcel Gonzalez Ortiz


9月3日(土)10:00より第2次発売開始!


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