追悼 ヨハン・ボータ
9月8日現地時間の朝、オペラ歌手のヨハン・ボータ氏が逝去されました。訃報に触れ、深く哀悼の意を表します。
輝かしい美声をもつヨハン・ボータ氏は、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、英国ロイヤル・オペラ等、有名歌劇場で活躍。ワーグナー作品のヒーローを演じるヘルデン・テノールとしても名声を馳せていました。日本では2009年、ミラノ・スカラ座日本公演における、ダニエル・バレンボイム指揮「アイーダ」のラダメスや、ヴェルディ「レクイエム」等に出演。また2011年の、ケント・ナガノ指揮バイエルン国立歌劇場「ローエングリン」では、東日本大震災と原発事故で騒然とするなか、降板した表題役の歌手の代わりに「喜んで」と来日し、見事な美声を聴かせて感動を呼びました。
最近では本年6月、ブダペストのワーグナー・フェスティバルで上演された「ワルキューレ」にジークムント役で出演したことを聞き、秋のウィーン国立歌劇場の「ナクソス島のアリアドネ」でも活躍してくれるものと期待していたところで、哀惜の念に堪えません。ボータ氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
公益財団法人 日本舞台芸術振興会
※なお、日本公演「ナクソス島のアリアドネ」のテノール/バッカス役の代役につきましては、ウィーン国立歌劇場側の調整がつき次第、発表させていただきます。