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ベジャールにとって、「海」は心のふるさと。地中海沿いの街・マルセイユに生まれた彼は、潮騒と音楽を聴きながら育ちました。
午前中はバレエのレッスン、午後は祖父に付いて釣り、そして夜は音楽を聴く・・・そんな少年時代を過ごしたベジャールは、これまでも「タラサ、われらが海」など、これまでも「海」を創作のテーマにし
てきました。最新作の「海」は彼の心のふるさとである海に捧げるオ マージュなのです。音楽は、「海」にまつわる数々の曲でつづられて
います。ハワイアン、シャンソン、U2のロック、ワーグナーのオペ ラ・・・などなど、音楽を聴くだけでも観客を波間に漂っている気分
にさせるのです。作品に登場するのは、少年時代のベジャール自身で ある_BIM″。母親(フランス語では海〈La Mer〉と同じ発音)。男。そして、舞台の傍らには、祖父の船「亀号」。舞台は地中
海の陽光が降りそそぎ、きらきらと輝く・・・これは「海」への想い を綴ったベジャールの詩といえるでしょう。
「海」とともに上演するのは、リヒャルト・シュトラウスの哀切きわ まりない最後の4つの歌曲に振付けられた「これが死か」。そして、ベジャールの初期の代表作のひとつ「バクチ」です。これまで日本では「バクチⅢ」しか紹介されていませんが、初めて「バクチⅠ」「バクチⅡ」とともに、全編通しで上演されます。特に
「バクチⅡ」はあのジョルジュ・ドンが踊って以来、長いこと封印さ れていたもの。その封印がいま解かれるのです。 |
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