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  バイエルン国立歌劇場  
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    タンホイザー  
    ニュルンベルクのマイスタージンガー  
    アリオダンテ  
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 ズービン・メータがバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任したのは1994年秋。それより一足早く同じ年の7月、メータ指揮『タンホイザー』のプレミエが行なわれました。この公演で、聴衆のすべてが、新監督メータのワーグナー指揮者としての手腕を認め、“新時代”到来の確信を得たのです。
  ワーグナーの牙城”の異名をもつバイエルン国立歌劇場における『タンホイザー』の新制作は24年ぶり。当時もすでに、ワーグナー作品が大胆な演出で上演される傾向は世界的な風潮とはなっていましたが、それまで上演されてきたペーター・レーマンによる“伝統的”な舞台とはまったく違う演出に賛否両論が巻き起こりました。デヴィド・オールデンの演出は、タンホイザーの迷える心と絶望を前面に出して、理想があるゆえの絶望の大きさが、見るも無惨、痛々しいまでに描いています。そこには颯爽としたタンホイザーの姿はなく、彼は楽譜をつめた鞄を持って、身も心もよれよれになってさまようのです。この徹底した絶望感に満ちた演出は保守的な上演に慣れていたミュンヘンの観客にとって衝撃的なものでした。『タンホイザー』は、官能の世界と清純な愛の葛藤というテーマに真っ向から取り組んでいる作品。ワーグナーが題材としたのは13世紀の2つの物語ですが、愛をめぐる理想と現実、願望と理性による抑制など、愛の本質とはいったいどこにあるのかというテーマは、時代を超えた普遍の命題といえます。ホールデンは、大胆な演出手法をとりつつも、その普遍性を追求し、現代の観客に強く訴えかける舞台を創りあげたのです。
 オペラ『タンホイザー』においては、何よりもタンホイザー役が重要なポイントともいえます。暗く重い声でありながら広い音域、そしてヴェーヌス賛歌のような細かい音の動きもこなせるテクニック、さらには精神的葛藤と苦悩を表す表現力が要求されるタンホイザーは、トリスタンと並ぶワーグナーの難役と言われています。今回この役を演じるロバート・ギャンビルは、1999年にベルリンで初めてタンホイザーを歌い、翌2000年にミュンヘンに登場しました。2005年にはミラノ・スカラ座にも出演することが決まっているという、現在最も信頼されるタンホイザー役の一人だけに、大いに期待されます。また美声をたっぷりと聴かせる名旋律がふんだんに与えられているヴォルフラム役に、当代きっての名バリトン、サイモン・キーンリサイドが登場するのも注目。さらに、この新演出初演から抜群の魅力を放っているワルトラウト・マイヤーの現代最高のヴェーヌスも聴きものです。
現在望み得る最高の歌手陣登場!
 ワーグナーのオペラを楽しむためには、歌手のレヴェルを妥協するわけにはいきません。ことに『タンホイザー』では、タイトル・ロールをはじめ、彼をめぐる二人の女性は重要です。そこで、“ワーグナーの牙城”と呼ばれるバイエルン国立歌劇場が用意したのは、現代最高の布陣といっても過言ではありません。
 タンホイザー役は、トリスタンと並ぶワーグナー・テノールのなかでも難役とされるもの。ロバート・ギャンビルは、1999年にベルリンでバレンボイム指揮のもと初めてこの役を演じて以来、各地で成功を収めています。2005年にはミラノ・スカラ座でも歌うことが予定されており、この役における“ピーク”を迎えているといえるのではないでしょうか。
 第2幕と第3幕で声の扱い方が全く異なる上にドラマの中で精神的な成長を歌い出すことを要求されるエリーザベトには、カナダ出身。躍進著しいドラマティック・ソプラノ、アドリアンヌ・ピエチョンカが登場します。ミュンヘンでは「ロッテ・レーマンの再来!」と評されたこともあり、厚い信頼を得てのキャスティングに違いありません。もう一人の女性、ヴェーヌスを演じるのは、現代を代表するワーグナーのメゾ・ソプラノ、ワルトラウト・マイヤーです。確かな美声と豊かな表現力、そして舞台姿や演技力を兼ね備えたマイヤーのドラマティックな声の扱いと妖艶な表現を両立させるヴェーヌス役が大きな聴きどころ、見どころをもたらします。
 そしてさらに、今回話題を集めるのがサイモン・キーンリサイドの登場でしょう。昨年のウィーン国立歌劇場に続き、今回はワーグナーでの魅力を披露してくれるのです。
予定される主なキャスト
* 表記の配役は2005年1月20日現在の予定のものです。やむを得ない事情により出演者が変更となる場合がありますので、あらかじめご了承ください。なお、出演者および配役の変更にともなう払い戻し、公演日の変更はできません。正式な配役はすべて当日発表となります。
 
 
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