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  シュツットガルト・バレエ団  
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    シュツットガルト
ドラマティック伝説
 
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シュツットガルト・バレエ団
少女の初恋は恋文とともに破れ、青年の情熱は気高さに敗れた。ロシアの美しい風物の中で描かれる、愛の誇りと苦さ。
 ロシアの国民的作家であるプーシキン作の『オネーギン』は、1820年代帝政時代を舞台に、美しい自然の中で古き良き習慣に従って人々が暮らす郊外の田舎と、華やかな帝都ペテルブルクを舞台とした韻文小説。同名のチャイコフスキーのオペラを見た振付家クランコは「この物語はバレエに適している」と直感し、ロマンティックな物語バレエを生み出しました。
 田舎の地主の娘タチヤーナは、帝都育ちの洗練された物腰の青年オネーギンに憧れ、恋文をしたためます。しかし早熟で人生に飽いたオネーギンは田舎娘を疎んじ、友人レンスキーを諍いから決闘で殺して失意のうちに去ります。6年後、将軍の妻となったタチヤーナとオネーギンが再会。オネーギンはタチヤーナの真の美しさを見出し、熱烈に求愛するのですが…。
 ロシアの理想の女性とも称えられるタチヤーナと、遅まきにその気高さに打たれる憂愁のオネーギン。オペラで有名な手紙の場面は、“鏡のパ・ド・ドゥ”と呼ばれるバレエならではの手法でヒロインの初恋の高まりが描かれ、これと対になった最終場は、まさに演技と踊りが一体となったドラマティックなパ・ド・ドゥが二人の葛藤を表現して、大きな感動を呼びます。チャイコフスキーの「四季」や「フランチェスカ・ダ・リミニ」にのせて、全編が映画を見るように流暢に語られる、クランコ作品随一の美しさを誇る傑作にご期待ください!
まだ若かった頃にシュツットガルト・バレエ団の『オネーギン』を見て以来、この作品は私にとっての規範となり、いつか踊りたいという憧れの存在になりました。美しい物語、美しい装置、美しい音楽、そしてたとえようもなく美しいパ・ド・ドゥ! マリシア・ハイデとリチャード・クラガンの見事なパートナーシップは、私にとって唯一無二のお手本であり、私がモニク・ルディエールとともにめざした目標でもありました。10年前であれば、おそらく私はこのタイトルロールを踊るのにふさわしくなかったでしょう。舞台と人生の両面で経験を積んだ今、このよい時期に出演が実現するとは、本当に夢のようです。クランコの作品に夢中なのです。ダンサーとして最後の願いの一つが、オネーギンを踊ることなのですから!
 
Story
第1幕
 第1場:ラーリナ夫人邸の庭
 ラーリナ夫人、オリガ、乳母が、夜会服の仕上げをしながら、間近に迫ったタチヤーナの誕生祝いについてお喋りしている。ラーリナ夫人は将来に思いを馳せている。近隣の少女たちが現れ、古くから伝わる遊びに興じる。鏡を覗くと恋する人が現れるという遊びだ。
 オリガの婚約者の若い詩人レンスキーがペテルブルクから来た友人を連れてやってくる。レンスキーはオネーギンを紹介する。
 オネーギンは都会の生活に飽きて、田舎へ気晴らしに来ているのだ。若々しくロマンティックな夢を追うタチヤーナは、彼女のまわりの田舎者とかけ離れた、この都会的で優雅な青年に恋してしまう。一方、オネーギンはタチヤーナのことを、恋愛小説を読みすぎた夢見がちな少女くらいにしか考えていない。
 第2場:タチヤーナの寝室
 初恋のオネーギンのことで想像力に火をつけられたタチヤーナは、オネーギンを夢みながら熱烈な恋文をしたため、乳母に届けるように頼む。
第2幕
 第1場:タチヤーナの誕生日
 田舎貴族たちがタチヤーナの誕生日を祝いに集まっているが、オネーギンは彼らを退屈極まりないと感じ、あくびを噛み殺している。礼儀正しく振舞う気分にさえなれない。そのうえ、タチヤーナからもらった手紙にも苛立ちを感じていた。それは、単なる子供っぽい愛の告白としか思えなかったからである。辺りが静かになったところで、彼はタチヤーナを探し出し、彼女を愛することはできないと伝え、恋文を破いてしまう。タチヤーナの悲しみはオネーギンの同情を引くどころか、かえって彼の苛立ちを募らせるばかりだ。
そこへ遠縁のグレーミン公爵が現れる。彼はタチヤーナに恋していて、ラーリナ夫人は、輝ける縁談に期待をかけている。しかし、心の痛手を抱えるタチヤーナはこの優しい親戚に殆ど気付かない。
オネーギンは、退屈を紛らわすためにオリガに言い寄ってレンスキーを怒らせようとし、オリガは軽い気持ちで一緒にからかう。しかし、激情にかられたレンスキーは事を深刻に受け止め、オネーギンに決闘を申し込む。
 第2場:決闘の場
 タチヤーナとオリガは、レンスキーをなだめようとするが、友人オネーギンの裏切りと、婚約者の気まぐれによって彼の高潔でロマンティックな理想は砕け散ってしまった。レンスキーは決闘をすべきだと言い張り、オネーギンは友人を殺してしまう。
第3幕
 第1場:サンクト・ペテルブルク
 月日が経ち、自らの虚しさから逃れるように世界を放浪した末、サンクト・ペテルブルクに戻ってきたオネーギンは、グレーミン公爵邸の舞踏会に迎え入れられる。グレーミン公爵は結婚しており、風格と気品に溢れる彼の若い妻が、かつて自分が拒んだつまらない田舎少女のタチヤーナだと気付き、オネーギンは驚愕する。自分の犯した過ちと、失った物の大きさに恐れおののくオネーギンには、今や人生は一層虚しく、無意味に感じられる。
 第2場:タチヤーナの私室
 オネーギンはタチヤーナに愛を打ち明け、会いたいと記した手紙を書いたが、彼女は彼に会う気はない。タチヤーナは疑いもしない夫に、今夜は1人にしないでと懇願するが、空しく終わる。オネーギンが現れ、彼女への愛を告白する。タチヤーナは感情の嵐に動揺しながらも、オネーギンの改心は遅すぎたと悟る。彼女はオネーギンの眼の前で手紙を破り、永遠に自分の前から消えることを命ずる。
 
 





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