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ウィーン室内合奏団は、世界に誇る名門室内楽団であり、古くからウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の室内楽アンサンブルとして、彼らにしか出せないその典雅で豊かな伝統の響きによって、衆目を集めてきました。あの伝説の名コンサート・マスター、ゲアハルト・ヘッツェルが、ウィーン・フィルのトップ・メンバーとともに1970年に結成して以来、その正統的な解釈と磨き抜かれた典雅な味わいによって、室内楽の醍醐味の極地を示してきたその伝統は、“ウィーン”と名のつく演奏団体が数多あるなかで、もっとも由緒正しい、本来的な意味での正統といえるでしょう。
ヘッツェル亡き後は、師の遺志を継いだヨゼフ・ヘルがリーダーを務めています。30年を超える歴史のなかで、世代交代を果たして新しい音楽の息吹を吹き込みながらも、彼らにしか表現できない響きというものを守り続けています。ヘルによれば「私たちにはウィーン伝統の響きを、いまを生きている人たちに伝え、楽しんでもらうという“使命”がある」といいます。これこそがメンバー全員の総意に違いありません。
今回は、彼らの「お家芸」ともいえるウィーン古典派のモーツァルトや、ヨハン・シュトラウス二世など、この街に暮らした楽人たちの作品を、ウィーン伝統の演奏スタイルによる極上の調べで存分にお届けいたします。親しみと敬意、そして愛情をこめて奏でられる巨匠たちの音楽が、年の瀬のひととき、わたしたちを至福のときへと誘ってくれるでしょう。指揮者なしに奏者が器楽のみにて自己を語り合い、理解し合う調和がさらなる高次元の愉悦を生み出す、室内楽という“音の対話”をどうぞお楽しみください。 |
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