「ドナウの娘」は、ヒロインが暮らす村、領主の宮廷、ドナウの川底へと場面が移るなか、村人や貴族、女官や護衛、小姓や子供たち、そして妖精たちなど登場人物が延べ128人にのぼり、これらを80名の出演者が演じるという大規模なバレエです。
 主役たちのいくつものヴァリエーションやパ・ド・ドゥ、ソリストによるパ・ド・サンクに加えて、村娘たちの可憐なダンスや妖精たちの幻想的な群舞など、華やかな見どころが満載。また、領主を欺こうとするフルール・デ・シャンの演技、恋人を失ったルドルフの狂気の場面など、ドラマティックなシーンも見逃せません。ロマンティック・バレエのスタイルにもとづく、味わい深いダンスと演技をお楽しみください。


 美術と衣裳は、19世紀初演時の資料を参考としたロマン主義の香り溢れる豪華なもので、1年半をかけて製作が行われています。4景にわたる舞台美術は、ドナウ川地方の豊かな自然から宮廷、城を臨む河岸の情景から幻想の水中へと移り変わり、見る者を神秘の物語へと誘います。また、152点にものぼる衣裳は、「ドン・キホーテ」と同じく、ロシアの名門工房グリシュコで製作。細部までこだわった作りがドラマに重厚感を与えます。