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バイエルン国立歌劇場『ローエングリン』 ローエングリン役変更のお知らせ

バイエルン国立歌劇場『ローエングリン』 ローエングリン役変更のお知らせ


 9月下旬より日本公演を行いますバイエルン国立歌劇場より、ローエングリン役で出演予定だったヨナス・カウフマンは、手術が必要なため日本公演に参加できないという報が入りました。
 ニコラウス・バッハラー総裁から寄せられた下記のコメントにもありますように、ヨナス・カウフマンの降板を受け、代わってヨハン・ボータがローエングリンを演じます。
 ヨハン・ボータはすでにご承知の方も多いかと存じますが、その美声と豊かな表現力によって、現代最高のヘルデン・テノールの一人として高い評価を得ております。ボータのプロフィールも掲載しておりますので、併せてご確認いただければ幸いです。
 カウフマンのローエングリンにご期待いただいていた皆さまには、たいへん申し訳ございません。この配役変更に何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
 なお、追ってヨナス・カウフマン本人からのメッセージが届く予定です。到着次第、当サイトに掲載いたします。


2011年8月24日

公益財団法人日本舞台芸術振興会


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バイエルン国立歌劇場総裁ニコラウス・バッハラーからのコメント


親愛なる日本の観客の皆さま


 私はあなた方の美しい国で起こった大災害以来、重要な日本公演に向けて情熱を持って努力を続けており、全公演が何カ月も前に発表された通りに上演されるべく、最後の瞬間まであらゆる手を尽くしてきました。しかしながら、大変残念なことに、テノール歌手ヨナス・カウフマンが医療上の理由から、我々の日本公演に参加できないという知らせを受け取りました。カウフマン氏とバイエルン国立歌劇場は、この重要かつ素晴らしいプロジェクトの実現を長い間楽しみにしておりました。けれど今となっては、カウフマン氏の回復を祈るだけです。どんな有名な歌手も一人の人間であり、他の人と同様に健康維持という問題に直面しなくてはいけません。こういった状況は、ミュンヘンでのシーズン中も時として起こることであり、我々は問題解決に当たって全力を尽くすことを余儀なくされます。それでも舞台は続けていかねばならないのです。

 そして、こういった危機的状況の中で、新たな光明を見出すことがあります。今回のケースにおいては、我々は極めて幸運であったと言えます。皆さんもよくご存じの世界的テノール歌手であり、世界中の重要な舞台で歌っているヨハン・ボータが、ーーー日本の観客の皆さんにも大変人気があると思いますがーーーローエングリン役を東京で歌ってほしいという我々の依頼を、ためらうことなく受けてくれたのです。

 極めて多忙なスケジュールにもかかわらず、また彼のキャリアから言って、通常は何年も前から依頼しておかない限り出演してもらうことは難しいのですが、ボータ氏はこのローエングリン役を我々の日本公演で歌うため、他の全ての義務をキャンセルすることをいといませんでした。これは、我々の歌劇場に対してだけでなく、今まで熱狂的に彼を迎え、真の絆を築いてきた日本の観客の皆さまに対する、ボータ氏の心からの深い友情によるものです。

 このたび我々のレパートリーの中でも、もっとも美しく、また難度の高い名作、ワーグナー作曲の「ローエングリン」3公演をご覧いただくわけですが、この舞台には、これまで世界のどこにも見られなかった高いクオリティによる、オール・スター・キャストが結集しました。皆さまにこの素晴らしい舞台をご覧いただけるよう願っておりますし、必ずや楽しんでいただけるものと確信しています。

 ここ数年の間、多くの情熱をもって準備してきた芸術的邂逅と、日本とバイエルン国立歌劇場が長く育んできた友情をさらに発展させるため、近々皆さまにお会いできることを楽しみにしております。

 その時まで、皆さまにミュンヘンより心からのご挨拶を申し上げます。

ニコラウス・バッハラー





Dear Ladies and Gentlemen, dear Japanese Public,

Ever since the horrible catastrophe struck your beautiful nation, I have struggled passionately to guarantee our important tour to Japan would take place as scheduled, exerting my every effort right up to the last minute to make sure all our performances are presented as announced several months ago. We have, however, received the unfortunate news that, for medical reasons, tenor Jonas Kaufmann will be unable to join us in Japan, although this eminent artist and the Bavarian State Opera had been enthusiastically looking forward to this important collaboration. Under these circumstances, all we can do is extend our warmest good wishes for a speedy and complete recovery to Mr. Kaufmann, knowing that even celebrated vocal artists are ultimately as human as the rest of us, and forced to endure the same human challenges of life and health. This kind of situation also regrettably comes about now and then during our regular Munich seasons, and every time, it places heavy demands on our skills to solve the problem in a way that will keep the Opera continuing.

But crises often bring new opportunities, and in this case we had the good fortune to acquire the services of the world renowned tenor, Johan Botha, who unhesitatingly agreed to take over the title role in Richard Wagner's Lohengrin. Mr. Botha is a household name throughout the operatic world, having made appearances on virtually all the major operatic stages of this planet, and a singer who also ranks as a great favourite among Japanese audiences. Despite his extremely heavy schedule, this artist, who generally has to be engaged years in advance, readily agreed to cancel other obligations to enable him to join us in Japan because of the extremely cordial relationship bonding him both with the Japanese pubic and our company.

This has now put us in a position to present one of the most magnificent and daunting masterworks of the repertory, Wagner's Lohengrin, in three performances, featuring a truly all-star cast, one seldom heard or seen at this level of artistry anywhere. I do hope you will join us for this special appearance, which will doubtless number amongst your most meaningful experiences in the opera house.

In just a few days, I look forward to welcoming you to a musical treat we have prepared with great devotion over the past few years, and one that I know will reinforce the ongoing friendship between the Bavarian State Opera and Japan.

Until then, I remain, with heartfelt good wishes from Munich,


Nikolaus Bachler
General Manager Bavarian State Opera


※公演チラシ、NBSホームページ等で事前に発表しております通り、今回の出演者変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。なにとぞご了承ください。



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11-08.23JohanBohta.jpgヨハン・ボータ
Johan Botha

 南アフリカのルステンブルク生まれ。13歳から声楽を学び、1989年にルーテポート国立歌劇場で『魔弾の射手』のマックスを歌ってデビュー。翌90年には『仮面舞踏会』のグスタフ3世でヨーロッパ・デビューを果たす。ドイツの劇場を中心に活動を開始し、現在ではワーグナー、R.シュトラウスからヴェルディ、プッチーニなどのヒロイックな役柄によって世界の舞台で活躍する。2009年ミラノ・スカラ座日本公演では、『アイーダ』のラダメス役を演じ、伸びやかな声で観客を魅了した。
 ワーグナー作品には、ワルター、エリック、ローエングリン、ジークムント、パルジファルで舞台に立ち、現代最高のヘルデン・テノールの一人として認められる。ローエングリン役は、宮廷歌手の称号をもつウィーン国立歌劇場で、2005年に新演出キャストとして演じ成功をおさめたほか、今年2月にはシカゴ・リリック・オペラで、神々しさとパワーに満ちた美声が絶賛された。奇しくも、シカゴでのエルザ役は、今回の日本公演でも同役を演じるエミリー・マギー。それゆえ、ボータの急な出演にも関わらず、二人の作品へのアプローチは万全といえる。
 リチャード・ジョーンズ演出による『ローエングリン』では、ローエングリンは単に神々しいだけでなく、人間としての情感を湛えた存在として描かれており、深い感情表現が高く評価されているボータは、このプロダクションの本質を存分に味わわせてくれるに違いない。


2011年8月24日 10:00 公演関連情報

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