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2008年2月 Archive
マラーホフ プレミアム・レッスン レポート
- 2008年2月26日 19:21
- 新着情報
マラーホフの膝の故障により延期されていた「プレミアム・レッスン」が、〈マラーホフの贈り物〉公演期間中の2月10日に待望の実現。会場となったゆうぽうとホールのステージでは東京バレエ団ソリストの佐伯知香と長瀬直義が『ジゼル』に挑戦、熱のこもったレッスンが公開されました。 幕が開くと、ピアノ伴奏(高岸浩子)にのって踊り始めた佐伯、長瀬を遮るように、「ダメダメダメダメ!」と日本語でダメ出ししながら登場したマラーホフ。皆が一気にリラックスしたところで、第2幕のパ・ド・ドゥが始まりました。 冒頭でマラーホフは、「男性は、女性が軽く見えるよう、あらゆることをして」とアドバイス。何度も踊りを中断させ、自ら手本を見せます。終盤の部分では、「耳にバナナが詰まっていますね!」と、冗談まじりに音楽を聴くことの大切さを熱弁。それぞれ、ほんの数小節の踊りですが、あらためてその表現の難しさを感じさせられました。 続いて2幕の男性のヴァリエーション。ジャンプでの両足の着地で大きな音が出てしまう長瀬に、美しい見本を見せるマラーホフ。幾度も練習する長瀬が遂にすっと静かに着地すると、会場から温かい拍手が。一方の女性は1幕のヴァリエーション。母親に、「踊りたい」とせがむ場面では、「僕がお母さんをやりますから、僕に『本当に踊りたいんだな』と信じさせて」と演技指導。佐伯に踊る喜びを表現するよう求めます。「僕だって、こうして再び踊ることができてとても嬉しいんだから」という言葉に、客席から大きな拍手がわき起こる場面も。 最も時間をかけたのは、1幕冒頭で二人が出会う場面。腕の位置から首の角度、視線、二人の距離まで実にきめ細かく指導します。「ピルエットで失敗したとしても、こうした表現で観客に伝えることができる」と演技の重要性を強調しました。 40分強と短い時間でしたが、マラーホフの指導で瞬く間に踊りが変化していった佐伯、長瀬。二人にとって、また、観客にとっても、マラーホフ自身から演技に対する思いを聞くことができた貴重な機会となりました。
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