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真夏の夜の夢 公演概要 Introduction
作品紹介 クラブアッサンブレ特別企画公演
真夏の夜の夢 バレエ・インペリアル
 
『真夏の夜の夢』作品の背景と魅力
 騒動を起こす原因は、洋の東西を問わず、昔も今も変わらない。たとえば、夫婦喧嘩。いらざるおせっかい。魔法が満ちる妖精の森で、その二つがいっぺんにそろったら、収拾がつかなくなるのは当然だ。ましてや喧嘩しているご両人は妖精の王様と女王様で、恋の妙薬を使ってあれしろこれしろと命じているのは、ほかならぬ王様なのである。しかも言いつけられた妖精は、いたずら好きでそそっかしい。かくして女王様は驢馬に変身した職人に恋をし、森をさまよう二組の男女の仲を取り持とうとした王様の目論見は外れてしまう。
 夏至前夜の森で繰り広げられる出来事を描いたシェイクスピアの喜劇「真夏の夜の夢」を、アシュトンは同名のメンデルスゾーンの音楽を用い、ヴィクトリア朝の雰囲気とロマンティック・バレエの香気が漂う一幕作品に仕上げた(原題『The Dream(夢)』)。シェイクスピアの生誕四百年にあたる1964年に初演されたこの作品は、アシュトンが英国ロイヤル・バレエの芸術監督として初めて創作したものでもある。そして、妖精の女王タイターニアに急成長中のアントワネット・シブレーを、妖精の王オベロンにコール・ド・バレエの一員だった若干21歳のアンソニー・ダウエルを抜擢した。
 豊かなマイム、オベロンや妖精パックの妙技、みなぎるユーモアと、見所にはこと欠かず、とりわけ人間から驢馬に変わっていく職人ボトムの踊りの楽しさといったらない。しかし、何といってもこの作品を支えているのは、全編にあふれる超自然的な情感といえよう。夫婦の諍いであれ、もつれた男女の仲であれ、動物への変身であれ、妖精というこの世ならぬものが絡んだ物語なのだ。すべてがおさまるところにおさまったあと、夜想曲にあわせて踊られるオベロンとタイターニアのパ・ド・ドゥは、調和と幻想が溶け合った魅惑に輝いている。
堤理華(バレエ評論)
Photo:Kiyonori Haseagwa
物語
 妖精の国の王オベロンとその后タイターニアがインドからさらわれてきた美しい少年をめぐって口論している。オベロンはお付の妖精パックに森へ行くよう命じる。その汁を目に点せば目覚めて初めて見る生き物に惚れてしまうという不思議な花を摘むためだ。オベロンは、この花を使って、タイターニアの鼻をあかしてやろうと企んでいるのだった。森のなかにはその時、一組の幸せな恋人たちであるライサンダーとハーミア、そして不幸せな彼らの友人、ヘレナとデミトリアスが迷い込んでいた。ヘレナはデミトリアスを愛しているのだが、彼が誤ってハーミアの方を求めているために、切ない想いは報いられない。オベロンは、しばらくの間この人間たちを観察していたが、パックが魔法の花を持って帰ってくるとすぐにその汁をもたせてデミトリアスがヘレナに恋するように仕組んでおいで、と送り出した。
 その間、オベロンは媚薬を眠る后の目に流し込み、粗野な田舎者ボトムによって目覚めさせられるよう細工した。ボトムの頭には、森から帰る途中のパックが、ご主人様の復讐をより効果的にしようと被せたロバの首が乗っている。目が覚めて、タイターニアは恋に落ちる。いっぽう、パックの賢さが裏目に出て、森の恋人たちは混乱するばかり。パックがデミトリアスではなく、ライサンダーに媚薬を与えてしまったため、いまや彼はヘレナに夢中である。見かねたオベロンはパックに命じて、包むもの全て正しく置き換える露を作らせた。タイターニアは薬から覚めて、夫と仲直りし、二組の恋人たちも幸せに満ちて森を去っていく。ボトムも元の人間の姿に戻ったが、自分の身に起こった出来事をおぼろげに覚えており、頭をかきかき帰途につく。「よし、ピーター・クインスに頼んで、この夢のバレエを創作してもらおう。『ボトムの夢』っていう題にしてやるぞ!」
photo: Johan Persson
 
CAST
 
 帝政時代のサンクト・ペテルブルグとそこでクラシック・バレエを開花させたプティパ、チャイコフスキーへのオマージュとして創作された、ロシア宮廷の香り漂う壮麗なバレエ。3楽章からなり、主役の男女1組、女性1人と男性2人のソリスト、女性2人による第2ソリストおよび群舞によって、全幕物さながらの規模で華やかに繰り広げられる。
1941年、アメリカン・バレエ・キャラバンの南米ツアーのために創作され、その後、初演時にあった主役男女のロマンティックな関係を物語るマイムが大幅に削除された。この意味においては、バランシーンが、物語性を排除した純粋に音楽的な、自らのスタイルを確立していった時期の傑作といえる。
 
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