解説 STORY・聴きどころ 指揮者・キャスト
指揮:リッカルド・ムーティ Riccardo Muti

日本人の両親のもと上海で生まれ、日本でピアノ、指揮、作曲を学ぶ。1959年にブザンソン国際指揮者コンクール第1位、1960年にはタングルウッド音楽祭でクーセヴィツキー賞を受賞した。ヘルベルト・フォン・カラヤンに師事し、レナード・バーンスタインのアシスタントを務め、サンフランシスコ交響楽団を指揮してアメリカ・デビューを果たす。以後、ラヴィニア・フェスティバル、トロント交響楽団、サンフランシスコ交響楽団で要職を務め、73年から2002年にはボストン交響楽団の音楽監督に就任した。これまでの客演した歌劇場は、メトロポリタン歌劇場(『エフゲニー・オネーギン』)、ミラノ・スカラ座(『トスカ』、『ファウストの劫罰』、『スペードの女王』)、パリ・オペラ座(『アッシジの聖フランチェスコ』、『トゥーランドット』、『カルメル派修道女の対話』)、ロンドンとザルツブルク音楽祭(『コシ・ファン・トゥッテ』)など。また、84年にサイトウ・キネン・オーケストラを創設し、92年からはサイトウ・キネン・フェスティバル松本を開始した。2002/03年シーズンよりウィーン国立歌劇場音楽監督に就任。同劇場には88年に『エフゲニー・オネーギン』でデビュー。以後、これまでに『ファルスタッフ』、『スペードの女王』、『エルナーニ』、『イェヌーファ』、『ジョニーは演奏する』、『サロメ』、『トスカ』、モーツァルトのダ・ポンテ三部作(『フィガロの結婚』、『ドン・ジョヴァンニ』、『コシ・ファン・トゥッテ』)、『さまよえるオランダ人』、『ヴォツェック』、『エレクトラ』、『フィデリオ』、『マノン・レスコー』、子供のための『魔笛』などを指揮している。

フィオルディリージ:バルバラ・フリットリ Barbara Frittoli

アメリカ合衆国のシカゴ近郊で生まれる。カリフォルニア州立大学で学ぶかたわら、サンフランシスコ・オペラの養成プログラムに参加。数々のコンクールで賞を獲得し、ボストン・オペラとサンフランシスコ・オペラに出演した後、1991年10月には『仮面舞踏会』のアメリア役でメトポリタン・オペラへのデビューを果たす。同役はその直後にシカゴ・リリック・オペラでも歌った。92年には、ヴェローナ・ディ・アレーナに『ギョーム・テル』のマティルデ役で出演。同年のパリ国立オペラ座と、翌年にはミラノ・スカラ座で、『オベロン』のライザを歌ってデビュー。94年、初めてコヴェント・ガーデンの舞台にも立った。世界中の主要なオペラハウスや世界中の音楽祭に招かれ、『ナクソス島のアリアドネ』、『サロメ』、『エレクトラ』、『タンホイザー』、『ローエングリン』、『トリスタンとイゾルデ』、『さまよえるオランダ人』、『アイーダ』、『トスカ』、『トロヴァトーレ』などに出演している。ウィーン国立歌劇場には、96年に『さまよえるオランダ人』のゼンタ役でデビュー。以後ウィーンでは、『ナクソス島のアリアドネ』のアリアドネ、『アイーダ』のアイーダ、『トリスタンとイゾルデ』のイゾルデのほか、『影のない女』の皇后、『ワルキューレ』のジークリンデ、『ばらの騎士』の元帥夫人やトスカを演じている。

ドラベッラ:アンゲリカ・キルヒシュラーガー Angelika Kirchschlager

アメリカ合衆国のカンサス生まれ。ピッツバーグ州立大学でマーガレット・テュンネマンに声楽を学び、ニューヨークのジュリアード音楽院ではダニエル・フェッロに師事した。さらにはヨーロッパに渡ってジャニス・ハーパー教授のもとで学んだ。多くのドラマティック・テノールと同様に、彼もまずバリトン歌手としてそのキャリアをスタートした。その幅広いレパートリーは、優れた教育を受けたことに加えて、長年に渡ってドイツのさまざまなオペラハウスと契約していたことで、身につけられたものである。その結果、ヴェルディ作曲の『運命の力』『トロヴァトーレ』『ドン・カルロ』、ジョルダーノ作曲の『アンドレア・シェニエ』、プッチーニ作曲の『トスカ』『マノン・レスコー』『蝶々夫人』、ビゼー作曲の『カルメン』、チャイコフスキー作曲の『スペードの女王』、ベートーヴェン作曲の『フィデリオ』など、言語も様式も異なる広範囲にわたるオペラのレパートリーを我が物としている。なかでも、1997年のバイロイト音楽祭に、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』のヴァルター・フォン・シュトルツィングで鮮烈なデビューを飾り大きな注目を集め、ワーグナー作品のヘルデンテナー役を歌える歌手として世界中の主要なオペラハウスとコンサートに出演している。これまでに、ウィーン、ミュンヘン、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ミラノ、サンフランシスコ、マドリッド、ベルリン、ハンブルク、バルセロナ、ローマ、ロサンゼルス、そして東京で定期的に仕事をしている。そして、メータ、パッパーノ、ティーレマン、ムーティ、バレンボイム、サヴァリッシュ、ブーレーズ、ドホナーニ、・ハイティンク、ナガノといった指揮者たちと共同作業を行っている。

グリエルモ:イルデブランド・ダルカンジェロ Ildebrando D'Arcangelo

ドイツのクレーフェルトで生まれ、長年にわたって国際的なキャリアを積んでいる。とりわけ、1997年にザルツブルクの復活祭音楽祭と夏の音楽祭で歌ったヴォツェックは、彼のこれまでの成功の中でも特筆すべきものである。得意とするレパートリーには、『トリスタンとイゾルデ』のクルヴェナール、『フィデリオ』のドン・ピツァロ、『パルジファル』のアンフォルタス、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』のハンス・ザックス、『さまよえるオランダ人』のタイトル・ロール、『エレクトラ』のオレスト、『青ひげ公の城』の青ひげ公、『トスカ』のスカルピア、『サロメ』のヨカナーン、『ニーベルングの指環』のヴォータン/さすらい人などがあり、この役はジュネーヴ、トリエステ、ベルリンでも歌っている。ザルツブルクのほか、パリ、ロンドン、ベルリン、チューリヒ、アムステルダム、ミラノ、ニューヨーク、フィレンツェ五月音楽祭、バイロイト音楽祭などにたびたび出演している。コンサートでも活躍し、バッハからシェーンベルクまでの幅広い分野をほとんどすべての主要なコンサートホールや国際的な音楽祭で歌っている。ウィーン国立歌劇場へは、2001年に『ラインの黄金』のヴォータン役でデビューした。それ以来、同歌劇場で『ワルキューレ』のヴォータン、『ジークフリート』のさすらい人、『トスカ』のスカルピアや『サロメ』のヨカナーンを歌って大成功を収めた。2007/2008年のシーズンには、スカルピア、新演出上演となる『スペードの女王』のトムスキー/プルートーを歌う。

※表記の出演者は2008年1月末日現在の予定です。やむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。その場合、指揮者、主演歌手であっても代役を立てて上演いたしますので、あらかじめご了承ください。出演者変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。最終出演者は当日発表とさせていただきます。