〈オペラ・フェスティバル〉2009-2011 第3弾、第4弾
オペラは指揮者の力で決まる! 春のイタリア・オペラ 秋のドイツ・オペラ 2種の醍醐味を満喫できる2011年!
オペラの真骨頂! 運命に翻弄される壮大な人間ドラマ。
ヴェルディ作曲『運命の力』
演出:ニコラ・ジョエル 指揮:ズービン・メータ
ヴェルディ22作目のオペラ『運命の力』は、タイトルの通り、これでもかというほど過酷な運命に翻弄される登場人物たちの生きざまが描かれた作品です。物語が死や憎しみ、葛藤する苦しみといった重い内容をもつことに加え、ヴェルディが音楽的にも、イタリア・オペラの伝統的なスタイルからの脱却を試みたことから、ソリストはもとより、オーケストラや合唱にも、これを支える重厚さが要求されることになりました。 フランス人演出家ニコラ・ジョエルによるこの『運命の力』は、チューリッヒ歌劇場での上演の後、2007年11月にフィレンツェ歌劇場で初演されましたが、その際の批評に、ソリストへの賛辞を超えるほどに、メータの指揮とオーケストラ、合唱団の素晴らしさが、「4時間にもおよぶ大作において、聴衆を熱中させた最大の要因」と称賛されました。メータの深い洞察をもった解釈こそが、歌い手たちとオーケストラを強く結び付け、極上の上演を生み出す原動力になっているといえるでしょう。 天使のような清純さと強い信仰心をもつ反面、アルヴァーロへの一途な愛に生きる情熱をもつレオノーラ役を演じるのはアマリッリ・ニッツァ。ブロンドの髪に抜群のプロポーションをもち、ヴェルディ・オペラの数々のレパートリーでイタリアの歌劇場で引っ張りだこの活躍をみせる実力派です。その恋人で数々の聴かせどころをもつ難役アルヴァーロ役には、2009年のスカラ座日本公演『アイーダ』のラダメスで輝かしい高音を聴かせたワルター・フラッカーロが登場します。苦悩と葛藤に苛まれるアルヴァーロの心情表現は、フラッカーロのもつさらなる魅力を披露することになるでしょう。そしてもう一人の重要な登場人物、レオノーラの兄であり、アルヴァーロに復讐の念を燃やすドン・カルロには、ロベルト・フロンターリがキャスティングされました。数々のヴェルディ・バリトン役をレパートリーとするフロンターリの劇的迫力に期待が高まります。
■公演日
2011年 3月14日(月) 京文化会館 3月16日(水) 東京文化会館 3月19日(土) 京文化会館 3月21日(月・祝) 京文化会館
■予定される主な配役
レオノーラ:アマリッリ・ニッツァ アルヴァーロ:ワルター・フラッカーロ ドン・カルロ:ロベルト・フロンターリ グァルディアーノ神父:ロベルト・スカンディウッツィ プレツィオシッラ:エレーナ・マクシモワ 他
アマリッリ・ニッツァ Amarilli Nizza ワルター・フラッカーロ Walter Fraccaro ロベルト・フロンターリ Rberto Frontali ロベルト・スカンディウッツィ Roberto Scandiuzzi エレーナ・マクシモワ Elena Maximova
レオノーラとアルヴァーロが愛と苦しみに生きる一方で、憎しみに生きるドン・カルロ役には、ベテラン、ロベルト・フロンターリが登場。深い慈愛で唯一この作品に救いをもたらす存在であるグァルディアーノ神父役をロベルト・スカンディウッツィが演じるのも期待大。プレツィオシッラ役のエレーナ・マクシモワは、2005年にバイエルン国立歌劇場でメータ指揮のもとヨーロッパ・デビューを果たし、一気に注目を集めている若手実力派メゾ。メータの秘蔵っ子というべき存在。
※表記の配役は2010年6月10日現在の予定です。病気や怪我などのやむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。今回の引越し公演においても、予定されていた出演者がやむを得ず出演できない場合、(指揮者、出演の歌手であっても)代役を立てて上演することになっておりますので、あらかじめご了承ください。出演者変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。最終出演者は当日発表とさせていただきます。