東京バレエ団が50周年プレ企画として放つ『ラ・シルフィード』。公演にむけ、バレエ団初演以来長くシルフィード役を踊り、新たに振付家のピエール・ラコットのもとで学んだ斎藤友佳理によるリハーサルが、すでに始まっています。今回その主役にのぞむ若手スター、渡辺理恵と柄本弾、沖香菜子と松野乃知の二組のカップルに、リハーサルの模様や公演への意気込みについて話を聞きました。
まずは、初日にシルフィード役を踊る渡辺。リハーサルについて聞くと、「友佳理さんには、舞台上での動きには何一つ無駄がなく、それぞれに意味があると教えてもらっています。毎日、すべてが新しい発見です!」。シルフィードという役柄については、「純粋で、子どものように無邪気。だからこそ、このお話の悲しさが引き立つのだと思います。お客さんをシルフィードの世界にひきこめるよう、毎日のリハーサルを大切に取り組んでいきたいです」。
実は、渡辺と柄本がパートナーを組むのは今回が初めて。先にバレエ団で行われた、元パリ・オペラ座バレエ団エトワール、ジャン=ギヨーム・バールによるアダージオ・クラスに二人で参加、多くを学び、「二人の呼吸はより合うようになってきました」と柄本。「ジェイムズ役は、いかに女性を妖精のように舞わせられるか、が求められます」。また、他の3人は初役ですが「僕だけは2度目のジェイムズ役。今回は、しっかりと『ラ・シルフィード』のストーリーをお客さんにお伝えする、という点が密かな課題です。マイムも多く、これを機に全部吸収したい」。
2日目に登場の沖と松野は、入団3年目と2年目、と若さはじけるカップルです。その大抜擢に「びっくりしてしばらく固まっていました(笑)」という沖。リハーサルでは、「(高岸)直樹さんと友佳理さんがお手本を見せてくださることも! 本当に妖精が跳んでいるようです。吸収したいですね。シルフィードの心の揺れ動きを、自分で理解するだけでなく、しっかり表現できるかどうか、が課題です」。
沖と松野は「子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』」の主役カップルとして、すでにパートナーを組んできました。「ずっと二人で練習してきたので、お互い何でも言い合える」と話す松野。目下の悩みは「毎日教えてもらうことが多すぎて、1日が30時間くらいだったら、と思います。でも、すごく充実しています」。作品の魅力について問うと、「つねにドラマがある。僕らがどこまでやれるかにかかっているけれど、人物の感情の動きが見える舞台なので、退屈することなく、この世界観を楽しんでいただけると思います」。
謙虚に、かつ意欲的に作品に取り組んでいる4人。ライジング・スターたちの『ラ・シルフィード』を、ぜひお楽しみに!
(取材・文 加藤智子 フリーライター)
会場:東京文化会館
2013年
6月15日(土) 3:00p.m. / 6月16日(日) 3:00p.m.
【予定される主な配役】
シルフィード:渡辺理恵(6/15)、沖香菜子(6/16)
ジェイムズ:柄本弾(6/15)、松野乃知(6/16)
指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
【入場料(税込み)】
S=¥8,000 A=¥6,000 B=¥4,000 C=¥2,000
◆ペア割引券 S席ペア割=¥15,000 A席ペア割=¥11,000
◆ファミリー券 大人S席またはA席+子ども1名様につき2,000円
エコノミー券 ¥1,000
学生券 ¥1,000
(エコノミー券、学生券は5/17(金)よりNBS WEBチケットのみ