東京バレエ団50周年記念シリーズ THE TOKYO BALLET

リード・アンダーソン
[シュツットガルト・バレエ団芸術監督]

 親愛なる佐々木忠次さん、東京バレエ団の皆さん
 傑出したバレエを日本はもとより世界で上演してきた東京バレエ団が50周年を迎えられたとのこと、お祝い申し上げます。貴方の洞察力と献身的な活動は、全てのダンスファンを魅了してきました。長年のご尽力と、バレエ芸術に純粋な愛情を捧げられたことにとても、とても感謝しています。
 東京バレエ団は40年前のデビュー以来、シュツットガルトで7回の公演を行い、観客を魅了してきました。シュツットガルトは、貴団の第二の故郷の一つといえるでしょう。2014年6月に東京バレエ団が当地で公演した際、チケットが完売したのは記憶に新しいことです。
 創立50周年を迎えられた皆さまに、シュツットガルト・バレエ団一同、心から祝賀の意を表します。その輝かしい歴史の一部に関われたことをとても誇りに思っています。


マッツ・エック
[振付家]

 2013年の秋、私は東京バレエ団と仕事をする素晴らしい機会に恵まれました。アナ・ラグーナとともに、「カルメン」の指導をしたのです。
 初めて私の作品に取り組んだダンサーたちは、多くの困難を乗り越えなくてはなりませんでした。けれども、ダンサーはいうまでもなく、運営や制作、技術部門のスタッフの誰もが全身全霊を捧げて取り組み、素晴らしい成果が生み出されました。
 私の作品が貴団のレパートリーに入ったことを光栄に感じています。東京バレエ団創立50周年、おめでとうございます!


シルヴィ・ギエム
[ダンサー]

 なんて、なんて若々しい50歳なのでしょう。
 昔むかし、50年前のことです。クラシック・バレエを愛する佐々木忠次氏と彼の仲間たちの揺るぎない情熱とエネルギーが、このバレエ団を誕生させました。
 私が初めて東京バレエ団に巡り会ったのは、1985年、故ルドルフ・ヌレエフが貴団の『白鳥の湖』に客演したとき、この作品で初の客演となる私を相手役に抜擢したのです。以来、私は毎年、日本に帰省しています。
 東京バレエ団との絆は、私と日本の、そして日本の皆さんとの絆そのものになりました。相互の敬意と信頼と寛大さで結ばれ、健全な関係が築かれました。長い時の流れのなかで、バレエ団は成長を遂げました。
 ご幸運を祈ります。50周年、おめでとうございます!


イリ・キリアン
[振付家]

親愛なる東京バレエ団の皆さまへ
 東京バレエ団が若々しく50歳になられたそうですね。1994年に「パーフェクト・コンセプション」を創作したことが、まるで昨日のことのように思い出されます。
 私たちの友情の始まりは、貴団が私の「シンフォニー・イン・D」と「ステッピング・ストーンズ」を上演したときにさかのぼります。佐々木忠次氏およびバレエ団関係者の熱意を忘れることはけっしてないでしょう。この偉大なバレエ団を支える素晴らしいダンサーたちも、忘れ得ぬ存在です。
「50歳は人生の新たな章の始まり」ですが、さらに60歳、70歳と人生は続いていくことでしょう。
 東京バレエ団のさらなる幸運を願っています。近い将来、皆様と再会できる機会がありますように。


ピエール・ラコット
[振付家]

親愛なる友人の皆さま
 日本の文化活動において、そして東京バレエ団が輝かしい活動を展開した世界において意味を持つこの記念日に際し、賞讃と愛情とともに私はあなたがた全員のことを思います。
 私は感動的な思い出をいくつも抱き続けています。皆さんとの仕事の、ともに過ごした時間の、そして皆さんの才能とその心の奥深くに根付く芸術的センスのたまものとして得ることのできた成果の思い出を。
 どうかこの素晴らしいバレエ団がその使命を果たし続け、常に成功とともにありますように。
 東京バレエ団の創設者佐々木忠次氏に、私は特別な思いを捧げます。佐々木さんは天賦の才をもって、彼のカンパニーを最も高い頂きへと導いたのです。
 ギレーヌ・テスマーも私とともに、バレエ団の皆さん全員に現在と未来にわたるご成功を心からお祈りしております。
 親愛の情を込めて。


マニュエル・ルグリ
[ダンサー、ウィーン国立バレエ団芸術監督]

 誰が想像し得たでしょう? パリで初めて東京バレエ団を見たとき、このバレエ団がこれほど長い年月にわたり私の第二の家となるということを!
 東京バレエ団は、諸大陸を横断し、モーリス・ベジャールや他の多くの振付家たちとの夢のような出会いを果たしてきました。世界的なアーティストは、常に最高の敬意をもって受け入れられ、彼らのベストを発揮しました。私もまた、バレエ団の素晴らしいダンサーと踊る機会を得、彼女たちを知る幸運に恵まれたのです……。斎藤友佳理、小出領子、上野水香、そして特別な記念日には「オネーギン」のパ・ド・ドゥを吉岡美佳と初めて踊ります。どれもかけがえのない瞬間です。
 東京バレエ団は厳しい規律を持ち、今日最高の賞讃に価するバレエ団です。
 私の最大の賞讃と、敬意と、愛情をこめて……。そして東京バレエ団が永く続けますように。


ウラジーミル・マラーホフ
[ダンサー、振付家]

 50年前、ある男の思い描いた夢が、素晴らしい団員と献身的なスタッフを擁する第一級のバレエ団となり、幾つもの芸術的業績を成し遂げました。その男こそが、壮大なヴィジョンを持った佐々木忠次氏です。古典バレエの偉大な作品からバレエ団のために創作された革新的な新作まで、最上のレパートリーが築かれました。誠実に任務に取り組んだ結果、東京バレエ団が世界のトップクラスのバレエ団と見なされるようになったのは、当然のことです。
 東京バレエ団は、西洋で育まれたバレエの粋を日本の社会に紹介する、先駆的な役割を果たしました。幾多の国々で公演を行ってその才能を世界と共有する、日本の最良の文化使節でもあります。
 私自身、バレエ団の歴史の中で、20年近くの長きにわたって東京バレエ団に客演してきたことを、誇らしく感じています。東京バレエ団とともに舞台に立ち、稽古をすることは、私がアーティストとして成長する糧になりました。東京バレエ団と歩んだ歳月は、私にとってこの上ない喜びです。今後も、東京バレエ団という家族の一員であり続けたいと思っています!
 創立50周年、本当におめでとうございます。


ナタリア・マカロワ
[ダンサー、振付家]

 創立50周年、おめでとうございます。
 東京バレエ団のダンサー、バレエマスター、運営スタッフ、そして技術スタッフとの仕事は、私にとって、つねに楽しい経験でした。私が大好きなバレエ団の一つとなりました。
 この特別な機会に心からの親愛の情を捧げたいと思います。すべての皆様のご多幸を祈念しています。

ジョン・ノイマイヤー
[振付家、ハンブルク・バレエ芸術監督]

 東京バレエ団と刺激的で奥深く、充実した何年もの年月を過ごしてきた私は、佐々木忠次氏を日本のセルゲイ・ディアギレフと思うようになりました。
 私にとって、ディアギレフは特別な存在です。芸術への深い造詣だけではなく、バレエ団を輝かせる決断力と粘り強さを併せ持ち、国家の支援を受けることなく、20年間にわたりバレエ団を存続させたのです。
 ディアギレフが率いたバレエ・リュスは彼が他界した1929年に解散しましたが、佐々木忠次氏の活動は、50年目の節目を迎えました!
 このバレエ団のために、私は重要な作品を創作する素晴らしい機会を得ました。「月に寄せる七つの俳句」と「時節の色」です。今年の2月には、わたしのもっとも情感豊で若々しい「ロミオとジュリエット」を提供しました。東京バレエ団との仕事は、いつも私に喜びを与えてくれます。彼らのプロ意識と真摯な態度は賞賛に値するものです。
 佐々木氏と東京バレエ団が成し遂げた偉業を心から讃え、さらなる成功と末長い未来を祈念しています。


マイヤ・プリセツカヤ
[ダンサー]

 かなり前のこと──正確に言えば46年前のことですが──私は東京バレエ団とともに東京で「白鳥の湖」を踊りました。それ以降私とバレエ団の間には親愛の情が生まれ、また観客も私たちのことを愛してくださいました。東京バレエ団は非常に有名なバレエ団になりました。権威あり、創造的で、常に前進しているバレエ団です。
 これはまさに成功です!
 今日、親愛なる友人であるあなたたちは50周年を迎えます。ダンサーにとっては長い年月ですが、バレエ団の繁栄にはもっとも適した時です。
 近い将来も、遠い未来にも東京バレエ団を多くの偉業が待ち受けていることを願って、お祝いの言葉とさせていただきます。


ジル・ロマン
[モーリス・ベジャール・バレエ団芸術監督]

 日本におけるダンスの発展とそれに伴うダンスの観客の発展は、「佐々木忠次」というひとりの人間の意志にその多くを負っています。古典バレエの伝統に敬意を払いつつ、東京バレエ団の成功のために一身を奉じた彼は、このバレエ団に数々の偉大な振付家を迎え、日本の観客に提供したのです。
 1965年、モーリス・ベジャールと20世紀バレエ団が初めて招聘され、佐々木忠次氏とベジャールは固い友情を結びました。今日、ベジャールは、数多くの公演、そして東京バレエ団が踊り続けているその多彩な振付と作品によって、名声を博しています。
 2007年にベジャールが世を去っても、東京バレエ団とモーリス・ベジャール・バレエ団との関係は決して途絶えることなく、さらに強まってさえいます。その結果、2014年東京で、二つのバレエ団のダンサーを取り混ぜ、ズービン・メータ指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるベートーヴェンの「第九交響曲」再演が実現します。ブリュッセルで1964年にモーリス・ベジャールが振付けたこの作品もまた、その50周年を祝うのです。


ウラジーミル・ワシーリエフ
[振付家]

 我が同輩の皆さんへ
 私の作品は、貴バレエ団の半世紀におよぶ歴史にささやかながらも関わる幸運に恵まれました。
 半世紀にわたって、皆さんはただ伝統を継承するのではなく、未来に向かって踏み出しました。貴団のそれぞれの世代のアーティストが、東京バレエ団に輝かしい新生面を開いていったのです。
 東京バレエ団で仕事をするたびに、すべての皆さんがひたむきに稽古および舞台に取り組む姿に心を打たれました。世界のトップダンサーたちが東京バレエ団に客演しましたが、彼らの名舞台は、皆さんの好演なくしてはあり得なかったでしょう。
 日本におけるクラシック・バレエという芸術は、今後も貴団の存在と直結し続けるに違いありません。すべてのバレエファンは、佐々木忠次氏と彼のスタッフの貢献をけっして忘れることはないでしょう。


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