 １９５９年に初演されたベジャールの「春の祭典」は、生命の荒ぶるエネルギーとその本質を圧倒的な迫力で描いて大スキャンダルを巻き起こし、彼率いる20世紀バレエ団怒涛の快進撃の幕開けを飾りました。単なる美や娯楽ではなく、人々が生を確認する祭儀の場としてのダンス。ベジャールが目指した舞台は、つねに衝撃と陶酔に、そして大きな愛に満ち、それがゆえに全世界の観客を感動させてきたのです。
200をゆうに超えるベジャールのレパートリー中から、とりわけ生を慈しむかのような眼差しが感じられる作品のハイライトで綴ったのが、この「愛、それはダンス」です。原初の生と愛を表現した「春の祭典」に始まり、ダンサーに「争いをやめて恋をせよ」と叫ばせた「ロミオとジュリエット」。アフリカ音楽にのせた原初の愛の儀式を思わせる「ヘリオガバルス」。崩壊する終末の都市で人々が愛を確かめ合う「わが夢の都ウイーン」。地中海の太陽の恵みのもとでの、輝ける肉体と生命の賛歌「ギリシャの踊り」。亡き若者たちの、生きることへの情熱を称えた追悼式「バレエ・フォー・ライフ」。そしてベジャールが自らの希望に満ちた少年時代を追憶する「海」ほか、最新の小品も加えたラインナップで構成されます。
ダンスが持つ本来の力を劇場に呼び戻し、“舞踊の世紀”を高らかに謳ったベジャールの傑作の数々を、今こそ体感してください！ |
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